AFTER DEAD「最後の帰路」

ハンドアイランド

文字の大きさ
35 / 60
大柄なヒーロー

英花の危機

しおりを挟む
一方、その頃ーー、
谷風は三階を探索していた。

、、、いる。

拉致された仲間の姿は見えない。
が、武装した人間が五人。
そのうち、銃器を所持しているのは二人。

(これは、正面突破は無理だな)

ならばーー、

降参したふりをして、近づいてきた相手をまとめて処理する。

遠距離よりも近距離の方が、銃器相手には好都合。
しかも狭い空間で発砲すれば、味方を巻き込む可能性もある。
この作戦しかない。


私は堂々と、廊下の真ん中に躍り出る。

全員の視線が、こちらに向く。

「いやー、道に迷いまして」

何も知らない風を装う。
急に現れた人間を、いきなり撃つことはないだろう――そう踏んでいた。

だが、

予想は完全に外れた。
銃器を持った二人が、迷いなく銃口をこちらに向ける。

「まずい、、!!」

私は横の教室に滑り込んだ。
それと同時に、銃声の爆音が響く。

まるで、敵が侵入してくることを最初から知っていたかのようだ。

何かを考える余裕もなく、ナイフを握った男が教室に飛び込んできた。

だがーー、

ナイフを持っている相手程度なら、全く脅威ではない。
踏み込んできた腕を掴み、捻る。
そのままナイフを奪い取った。

男の胸ぐらを掴み、強引に背負投をした。
壁に強打し、男は動かなくなる。

次は、銃器を持った男が入ってきた。
考えるより先に、奪ったナイフを投げる。

ナイフは男の腕に突き刺さり、銃口をわずかに逸らした。
その隙を逃さず距離を詰め、全力でタックルをした。
先程の男同様に、気を失う。


奪った銃を握り、そっと教室の外をうかがう。

ーーパンっ!

頬を銃弾がかすめる。

このまま、外に飛び出すのは危険だ。

ふと、気絶している男を見る谷風。

「気は進まないが、、、」

私は男を片手で持ち上げ、勢いよく教室を飛び出す。

銃器を構えていた男が、反射的に発砲する。
が、仲間が盾にされていることに気づき、発砲を止める。

迷いが生まれた、その一瞬。

私は盾にしていた男を、その男に向かって投げつける。
ドサッと、二人が倒れ込む。

私は一気に詰め、もう一人の男からも銃を奪い取った。

だが絶え間なく、背後からいきなり私の首に腕が回る。
首を一気に締め上げられる。

だが私は、何事もなかったかのように、その腕を片手で掴む。
そのまま無理やり引き剥がした。

「ば、化け物が、、、、」

男の顔が引きつる。

そのまま、掴んだ相手を廊下に叩きつける。
鈍い音が響く。


ーー数秒後。

私以外に、動けるものはいなくなった。
私は武装集団の五人を手早く縛り上げる。


私は一人の男の胸ぐらを掴み、顔をグッと近づけた。

「拉致した医者は、どこにいる?」

縛られたまま、男はニヤニヤと笑う。

「人の心配よりも、自分の心配をしたらどうだ??」

私は鼻で笑う。
負け犬の遠吠えだと思った。

「ふん、何が言いたい?」

男は、グッと顔を近づけてきた。

「自分の心配というより、、、、正確には、“娘の心配”だな」


娘?英花のことか、、、?!。
さっきまでの余裕が、一気に消えた。

「娘? どういうことだ?!」

思わず声が大きくなる。
隣で縛られている男が、ビクッと体を震わせた。

「お前らの仲間の紅林って男がな、
  裏切ったんだよ!!」

言葉が出ない。
裏切った、、、、??。


だが――どこかで、妙に腑に落ちる部分もあった。

躊躇の無い発砲。
あれは敵と最初から認識していないと、出来ない判断だ。

「紅林さんが裏切った?? そんなわけないだろう!」

男は肩を揺らしながら笑った。

「これ以上は何も言うなって言われているのでね、、、」

挑発するように笑う男。

その表情に背中が冷たくなっていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

処理中です...