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第一章 王族から追放されました
1.王子、追放される
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「アドル、お前は本当に我々アレクサンドラ王国の王族か?」
僕は実の父親に本当に息子かと聞かれた。確かに僕は何もできない王族だ。
小さい頃から英才教育を受け、才能を開花させるのが王族の特徴だ。
それはその時代と文化によって異なるが、才能がない王族はいない。
第一王子はカリスマ性に優れている。ただ、それだけではなく、勉学・魔法・剣術どれをとってもトップクラスの才能だ。
だが、どこかおかしい。
第二王子は知性に恵まれている。幼少期から勉学の才能に目覚めて、この国はすぐに発展を遂げた。今まで魔法を使って生活をしていた物を魔石を使用した魔道具を完成させた。
だが、どこかおかしい。
他にも姉と妹がいる。
その二人もどこかおかしい。
そんな中、三男として生まれた僕には才能がない。他の兄妹はどんどんと才能を開花していくが、僕には才能がないまま成人になった。
だからきっと才能が開花しない僕もどこかおかしいのだろう。
「一度外の世界を知ってみると良い。アドルの才能はここでは開花しないかもしれないからな」
優しい口調で言っているが、父も僕の存在が邪魔になったのだろう。
今まで友達だと思っていた人たちも、僕が無才能だと知ればすぐに離れていく。才能がないやつと関わっても自分達にメリットがないと気づいたのだろう。
頼れる友人もいなければ家族もいない。そんな僕は旅に出ることしか選択肢はないと道を標された。
「わかりました。今までのたくさんの教育感謝しております」
すぐに荷物をまとめた僕は遠く離れた辺境地から旅を始めることにした。いつかアレクサンドラ王国に帰ってくる時には僕も王族を支えられる人物になる。
たくさんの夢を描いて僕は次の日には辺境地へ向かった。
♢
「ここはどこなんだ?」
僕が何日も船で移動して着いた辺境地は、地図上には存在しない島だった。現に遠く離れたところには、目的地である辺境地がある。
船から降りてしまったら帰る手段を失った僕は一人で島に生きることを余儀なくされた。
だから、あの船の運転手はここで降ろしても良いのかと何回も聞いていたのだろう。
もう少し早く気づいていればこんなことにはならなかったはずだ。
「とりあえず戻る手段を探すか」
落ち込んでいても仕方がないと思った僕は島の大きさを把握するために海沿いを回る。
元々一人での行動は慣れているから問題はない。ただ、一人で生きていくためには、衣食住はどうにかしないといけないだろう。
幸い才能はないが剣や弓は使える。一応今回も身を守る護衛手段は持ってきている。
海沿いを歩いてわかったことは、この島は中心部に向かって山になっているということだ。
簡単にいえば外側から僕がいる海沿い。中央に向かって森、山となっている。
まず一番の目標は森の中で生活できるように環境を整えることだろう。
森の中を探索するために足を踏み入れると、突然何かが走ってきた。
全身に触れるふさふさとした毛。大きさ的には僕より一回り以上大きいか。いや、この感じだと数倍は大きいだろう。
危険な魔物か動物かわからない存在は、僕を離そうとしなかった。
「とりあえず離してくれないか」
『拙者をお助けください!』
いや、離して欲しいとは言ったが話せとは言っていない。
『お主話せるのか?』
謎の生物はその後も自分のことを語り出した。
それまでずっともふもふとした毛に包まれていた。触り心地の良い毛はきっと高く売れるだろう。そんなことを思いながら、話を聞き流す。
『それでお主はどうなんだ?』
あまりにも気持ち良い感触に何を聞かれていたのかも覚えていない。そもそも話が長すぎて、体感的にも一時間以上は経っているだろう。
「あー、いいよ」
とりあえず肯定することにした。基本何をするかわからない存在を否定して殺されるのだけは勘弁だ。
『拙者に初めての友達が出来たぞ!』
僕を抱いたままぐるぐると回る謎の生物。チラッと隙間から覗くと、キラリと光る牙が見えた。
どうやら選択肢は間違えていないようだ。
ああ、僕の人生はここで終わりな気がした。
───────────────────
【あとがき】
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
と思ったら感想やお気に入り登録をして頂けると嬉しいです。
僕は実の父親に本当に息子かと聞かれた。確かに僕は何もできない王族だ。
小さい頃から英才教育を受け、才能を開花させるのが王族の特徴だ。
それはその時代と文化によって異なるが、才能がない王族はいない。
第一王子はカリスマ性に優れている。ただ、それだけではなく、勉学・魔法・剣術どれをとってもトップクラスの才能だ。
だが、どこかおかしい。
第二王子は知性に恵まれている。幼少期から勉学の才能に目覚めて、この国はすぐに発展を遂げた。今まで魔法を使って生活をしていた物を魔石を使用した魔道具を完成させた。
だが、どこかおかしい。
他にも姉と妹がいる。
その二人もどこかおかしい。
そんな中、三男として生まれた僕には才能がない。他の兄妹はどんどんと才能を開花していくが、僕には才能がないまま成人になった。
だからきっと才能が開花しない僕もどこかおかしいのだろう。
「一度外の世界を知ってみると良い。アドルの才能はここでは開花しないかもしれないからな」
優しい口調で言っているが、父も僕の存在が邪魔になったのだろう。
今まで友達だと思っていた人たちも、僕が無才能だと知ればすぐに離れていく。才能がないやつと関わっても自分達にメリットがないと気づいたのだろう。
頼れる友人もいなければ家族もいない。そんな僕は旅に出ることしか選択肢はないと道を標された。
「わかりました。今までのたくさんの教育感謝しております」
すぐに荷物をまとめた僕は遠く離れた辺境地から旅を始めることにした。いつかアレクサンドラ王国に帰ってくる時には僕も王族を支えられる人物になる。
たくさんの夢を描いて僕は次の日には辺境地へ向かった。
♢
「ここはどこなんだ?」
僕が何日も船で移動して着いた辺境地は、地図上には存在しない島だった。現に遠く離れたところには、目的地である辺境地がある。
船から降りてしまったら帰る手段を失った僕は一人で島に生きることを余儀なくされた。
だから、あの船の運転手はここで降ろしても良いのかと何回も聞いていたのだろう。
もう少し早く気づいていればこんなことにはならなかったはずだ。
「とりあえず戻る手段を探すか」
落ち込んでいても仕方がないと思った僕は島の大きさを把握するために海沿いを回る。
元々一人での行動は慣れているから問題はない。ただ、一人で生きていくためには、衣食住はどうにかしないといけないだろう。
幸い才能はないが剣や弓は使える。一応今回も身を守る護衛手段は持ってきている。
海沿いを歩いてわかったことは、この島は中心部に向かって山になっているということだ。
簡単にいえば外側から僕がいる海沿い。中央に向かって森、山となっている。
まず一番の目標は森の中で生活できるように環境を整えることだろう。
森の中を探索するために足を踏み入れると、突然何かが走ってきた。
全身に触れるふさふさとした毛。大きさ的には僕より一回り以上大きいか。いや、この感じだと数倍は大きいだろう。
危険な魔物か動物かわからない存在は、僕を離そうとしなかった。
「とりあえず離してくれないか」
『拙者をお助けください!』
いや、離して欲しいとは言ったが話せとは言っていない。
『お主話せるのか?』
謎の生物はその後も自分のことを語り出した。
それまでずっともふもふとした毛に包まれていた。触り心地の良い毛はきっと高く売れるだろう。そんなことを思いながら、話を聞き流す。
『それでお主はどうなんだ?』
あまりにも気持ち良い感触に何を聞かれていたのかも覚えていない。そもそも話が長すぎて、体感的にも一時間以上は経っているだろう。
「あー、いいよ」
とりあえず肯定することにした。基本何をするかわからない存在を否定して殺されるのだけは勘弁だ。
『拙者に初めての友達が出来たぞ!』
僕を抱いたままぐるぐると回る謎の生物。チラッと隙間から覗くと、キラリと光る牙が見えた。
どうやら選択肢は間違えていないようだ。
ああ、僕の人生はここで終わりな気がした。
───────────────────
【あとがき】
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
と思ったら感想やお気に入り登録をして頂けると嬉しいです。
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