無才能で孤独な王子は辺境の島で優雅なスローライフを送りたい〜愛され王子は愉快なもふもふと友達になる才能があったようです〜

k-ing /きんぐ★商業5作品

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第四章 衣食住、服を着てオシャレをします

33.王子、空から何か降ってくる

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『痛い痛い痛い……でもこれを渡したらご飯に困らずに……。痛いよ……羽が抉られて――』

「おいおい、そこまでにしてくれ! 僕が悪かったよ!」

 一緒に住むことが決まった焼き鳥に羽が欲しいことを伝えると、自分の羽をむしり取って渡そうとしていた。

 本当に焼き鳥になりたいのかと思うぐらい、ブチブチと音を鳴らしながら羽を引き抜くため、止めるしかなかった。

 あまりフェニックスは羽ばたかないのか、羽が抜け落ちることは少ないらしい。

 それを知っていたら、あんなももとささみがトラウマになるようなことは言わなかった。

 ふかふかしたやつか、羽が抜け落ちるやつを知らないかと聞いたら、親戚に抜け家が気になるやつがいるらしい。

 それは本当に毛なのか、親戚だから羽なのかどちらは会ってみないとわからない。

 ただ、肉が好きだと言っていたため、リザードマンに頼んで虫をたくさん用意した。

 もはや肉が虫なのか、虫が肉なのかわからなくなっている。それぐらいみんなが虫のことを肉と呼ぶ。

 しっかり葉と花で包めば問題はないだろう。少し豪華に見えるように、野菜で彩りを追加しておいた。

「すみませんー! コウモリの親戚さーん!」

 フェニックスの親戚はよく飛んでいるため、空を見上げながら歩くと良いって言っていた。

『アドル、今何かが通ったぞ!?』

 コボスケには空に何か飛んでいるのが見えたのだろう。僕には早すぎて見えなかった。

「おーい!」

『うおおおおおお!』

 再び声をかけると空から何かが聞こえてきた。段々と影が近づいてくる。

 少しずつ落ちてくる何かは、明らかに僕よりも大きい。

 ただ、鳥なのは間違いないが一向に羽ばたこうとしない。

『アドル危ない!』

 僕を急いで抱えると、コボスケは一瞬で木に登っていく。こういう動きを見ると、やはりフェンリルなんだろうと思ってしまう。

「コボスケありがとう」

 お礼を伝えると尻尾を大きく振っている。

『拙者頑張ったぞ!』

 頭をゴツゴツと僕にぶつけてくるのは、相変わらず変わらない。撫でて欲しいのだろう。

 僕は両手でコボスケの頭をもふもふとする。

『ぎゅふふふ!』

 笑い方は気持ち悪いが、僕に顔をすりすりとする姿をつい可愛く感じてしまう。

 これが恋というやつなのか……。

 いや、流石にフェンリルには恋はしないだろう。

 僕達が木から降りていくと、白くてもふもふとしている存在が地面に横たわっていた。明らかにこれは有名な魔物だろう。

「あのーひょっとしてコカト――」

『いてて、吾輩はモモンガと申します』

 どこかコボスケと話し方が似ている気がするやつは、自分のことをモモンガと言っていた。

 やはりこの島にはおかしなやつしかいないようだ。
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