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39.じいじ、心が塩漬けになる
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「えーっと、名前はカナタで合ってるのかな?」
わしが聞くと驚かせてしまうため、少年の対応はハルキに任せることにした。
どうやら少年の名前はカナタと言うらしい。
ちなみにポンとゴマは少し距離を置いて、カナタを警戒している。
さすがご主人様を守るワールドボスたちだ。
ただただ、二人の周辺をクルクルと回って可愛い。
「なんだ太郎じゃないのか……」
わしも何を話しているのか聞きながら料理をしている。
ゲームを始めたばかりの初心者であるカナタもわしらと同じ道を辿るとしたら……。
「じいじ、カナタが倒れたよー」
「ははは、やっぱりな」
HGの存在を知らずにそのまま倒れてしまったようだ。
わしはカナタの顔を見て、ニヤリと笑う。
きっと今頃はわしに調理されると思って、ドキドキしてそうだな。
「じいじ、いじめちゃダメだよ?」
「わしはそんなつもりはないけどな……」
「つもりじゃなくても、カナタは嫌かもしれないよ?」
ハルキに正論を言われてしまった。
わしは何も気にしていないが、その言葉一つ一つがハルキが学校に行けなくなってしまった理由と関係しているような気がした。
ハルキは優しい子だが、芯が通って真面目なところもある。
それが相手に嫌な思いをさせて、無視をされる……いや、これはわしの想像に過ぎない。
いつかはハルキが話してくれるだろう。
「よし、今回も澄まし汁だけどどうかな?」
わしはゆっくりとカナタの口に澄まし汁を流し入れる。
「食べないでええええー!」
「くくく」
第一声につい笑ってしまう。
隣ではハルキがジーッと見つめてくる。
「食べるわけないだろう。これを食べて元気を出しなさい」
そのままカナタに澄まし汁を渡して、わしはその場から離れる。
せっかくハルキに友達ができるチャンスだしな。
わしはその間に魚醤を作ることにした。
本当は小魚を使う方が簡単らしいが、この世界の魚は魔物だから大きめだ。
まずは魚を捌いていく手順は同じ。
今回作る魚醤は「いしる」や「しょっつる」と呼ばれる魚のアラで作るタイプだ。
「血と汚れを――」
そう言いかけたところで、痛いほどの視線を感じた。
「じいじ、一人でやってる……」
『にゃ……』
『キィ……』
どうやらハルキたちも一緒にやりたいのだろう。
「一緒に作るか?」
「うん!」
『にゃ!』
『キュ!』
ハルキは手伝えるが、ポンとゴマはどうやって手伝うつもりだろう。
「あのー……」
それにカナタも興味津々のようだ。
「カナタもこっちにおいで!」
ハルキが呼ぶと、大きく頷いてやってきた。
二人の嬉しそうな顔を見ると、少しは仲良くなったのかな?
早速、魚醤作りに取りかかる。
「ぬめりはしっかり取らないといけないらしいぞ」
ぬめりが少ないと臭み軽減になるらしい。
川魚なのもあり、泥臭さがあると嫌だしな……。
「じいじ、洗えたよ!」
人数が多いと作業時間が短くて済む。
「じゃあ、内臓と一緒に塩を入れてかき混ぜるぞ」
大きなボウルの中に広げたアラと内臓の上に塩をたくさん振りかける。
「病気になりそうだね」
「さすがにそのままは食べたらえらいことになるぞ」
魚のアラや内臓の30%程度の重量の塩を入れている。
そのため、塩分は高めにできるだろう。
「なんでこんなに塩がいるの?」
カナタは真剣そうにたくさん入った塩を眺めていた。
「たくさん塩を入れることで、長期保存させながら発酵させるんだ。塩がたんぱく質を分解して、うま味が出てくるんだ」
「ふぁー、まるで科学実験みたい!」
カナタのキラキラとした視線に罪悪感を覚える。
だって、ほとんどがインターネットで調べた内容を話しているだけだからな。
カナタは素直な性格なのか、わしの話を興味深そうに聞いていた。
「醤油や味噌よりも塩分が高いし、自家製だから衛生面を考えると、塩がたくさんいるんじゃ」
「ハルキくんのおじいちゃんすごいね!」
「じいじは元からすごいよ?」
ああ、何も疑うことの知らない子どもたちに、わしの心まで塩漬けにされそうじゃ。
ポンとゴマはジーッとわしを見つめてくるが、それは気にしないことにした。
わしが聞くと驚かせてしまうため、少年の対応はハルキに任せることにした。
どうやら少年の名前はカナタと言うらしい。
ちなみにポンとゴマは少し距離を置いて、カナタを警戒している。
さすがご主人様を守るワールドボスたちだ。
ただただ、二人の周辺をクルクルと回って可愛い。
「なんだ太郎じゃないのか……」
わしも何を話しているのか聞きながら料理をしている。
ゲームを始めたばかりの初心者であるカナタもわしらと同じ道を辿るとしたら……。
「じいじ、カナタが倒れたよー」
「ははは、やっぱりな」
HGの存在を知らずにそのまま倒れてしまったようだ。
わしはカナタの顔を見て、ニヤリと笑う。
きっと今頃はわしに調理されると思って、ドキドキしてそうだな。
「じいじ、いじめちゃダメだよ?」
「わしはそんなつもりはないけどな……」
「つもりじゃなくても、カナタは嫌かもしれないよ?」
ハルキに正論を言われてしまった。
わしは何も気にしていないが、その言葉一つ一つがハルキが学校に行けなくなってしまった理由と関係しているような気がした。
ハルキは優しい子だが、芯が通って真面目なところもある。
それが相手に嫌な思いをさせて、無視をされる……いや、これはわしの想像に過ぎない。
いつかはハルキが話してくれるだろう。
「よし、今回も澄まし汁だけどどうかな?」
わしはゆっくりとカナタの口に澄まし汁を流し入れる。
「食べないでええええー!」
「くくく」
第一声につい笑ってしまう。
隣ではハルキがジーッと見つめてくる。
「食べるわけないだろう。これを食べて元気を出しなさい」
そのままカナタに澄まし汁を渡して、わしはその場から離れる。
せっかくハルキに友達ができるチャンスだしな。
わしはその間に魚醤を作ることにした。
本当は小魚を使う方が簡単らしいが、この世界の魚は魔物だから大きめだ。
まずは魚を捌いていく手順は同じ。
今回作る魚醤は「いしる」や「しょっつる」と呼ばれる魚のアラで作るタイプだ。
「血と汚れを――」
そう言いかけたところで、痛いほどの視線を感じた。
「じいじ、一人でやってる……」
『にゃ……』
『キィ……』
どうやらハルキたちも一緒にやりたいのだろう。
「一緒に作るか?」
「うん!」
『にゃ!』
『キュ!』
ハルキは手伝えるが、ポンとゴマはどうやって手伝うつもりだろう。
「あのー……」
それにカナタも興味津々のようだ。
「カナタもこっちにおいで!」
ハルキが呼ぶと、大きく頷いてやってきた。
二人の嬉しそうな顔を見ると、少しは仲良くなったのかな?
早速、魚醤作りに取りかかる。
「ぬめりはしっかり取らないといけないらしいぞ」
ぬめりが少ないと臭み軽減になるらしい。
川魚なのもあり、泥臭さがあると嫌だしな……。
「じいじ、洗えたよ!」
人数が多いと作業時間が短くて済む。
「じゃあ、内臓と一緒に塩を入れてかき混ぜるぞ」
大きなボウルの中に広げたアラと内臓の上に塩をたくさん振りかける。
「病気になりそうだね」
「さすがにそのままは食べたらえらいことになるぞ」
魚のアラや内臓の30%程度の重量の塩を入れている。
そのため、塩分は高めにできるだろう。
「なんでこんなに塩がいるの?」
カナタは真剣そうにたくさん入った塩を眺めていた。
「たくさん塩を入れることで、長期保存させながら発酵させるんだ。塩がたんぱく質を分解して、うま味が出てくるんだ」
「ふぁー、まるで科学実験みたい!」
カナタのキラキラとした視線に罪悪感を覚える。
だって、ほとんどがインターネットで調べた内容を話しているだけだからな。
カナタは素直な性格なのか、わしの話を興味深そうに聞いていた。
「醤油や味噌よりも塩分が高いし、自家製だから衛生面を考えると、塩がたくさんいるんじゃ」
「ハルキくんのおじいちゃんすごいね!」
「じいじは元からすごいよ?」
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ポンとゴマはジーッとわしを見つめてくるが、それは気にしないことにした。
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