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第一章 外れスキル
32.アリミア
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あれからロニーと自宅に戻った俺はすぐに眠りについたらしい。そして少女は冒険者ギルドに一時的に預かることとなった。
「おはようございます」
「ケントくんおはよう。体調は大丈夫かしら?」
「大丈夫です! 今日もギルドに行ってきます」
「そう? 気をつけていってらっしゃいね」
アニーはあまり触れずに普段と変わらなく接していた。
そんなアニーにどこか申し訳ない気持ちになっていた。
一緒に住まなければ二人に迷惑をかけることはなかったはずだ。
「迷惑かけてすみません」
「えっ、なんのこと? 男の子だから仕方ないわ」
「行ってきます!」
俺はどこか安心して冒険者ギルドに向かった。
「ジョニー、今日もケントくんを見守っててね」
アニーは俺が見えなくなるまで見送っていた。その姿は子を心配する母のそのものの姿だった。
♢
「おはようござ――」
冒険者ギルドに着くとすぐに冒険者達に囲まれていた。明らかに今までと何かが違った。
「おお、坊主元気そうだな」
「あれ、皆さんどうされました?」
「あっ、いや元気ならいいんだよ。なぁ!?」
「おおおおう!」
ギルド内はどこか落ち着きがなかったが、いつもと変わらない俺を見て普段通りに仕事に戻って行った。
いつも通りにスターチスの元へ依頼を受けに行く予定だ。
「おはようございます」
「あら、元気そうね!」
「たくさん寝たら元気になりました」
「ふふふ、それは良いことね」
「そういえば皆さんどこか様子がおかしいですが……」
俺はギルドに来てからあまり冒険者に声をかけられることはなかった。どちらかと言えば冒険者達はあまり関わらないように遠くで見ているような感じだ。
「あれから三年ね……。あんな状態でケントくんが帰って来たからみんな心配になるわよね」
「えっ?」
スターチスはボソッと呟いたが俺には聞こえていなかった。
「今日の依頼をお願い――」
「今日はおやすみです」
俺は今日も依頼を受けようとするとスターチスに止められた。
「今日も依頼はお休みにしました。昨日あれだけ大変なことがあったのに働かせられません!」
いつも通りに依頼を受けるつもりでいたが、急に予定がなくなると何をして良いのかわからない。
「なにしようかな……」
「それならアリミアちゃんと遊んできたらどうかしら?」
「アリミアちゃん?」
聞いたこともない名前に首を傾げる。
「昨日ケントくんが助けてくれた子よ。今あっちでご飯を食べてるからよろしくね」
どこか面倒を見てほしいように感じた俺はアリミアの方へ向かった。
「アリミアちゃん元気?」
「お兄ちゃん誰?」
「昨日森で倒れていた所を助けに行ったんだけど覚えてないかな?」
「んー、覚えていないや!」
「そうか」
アリミアは椅子から降りると近づき抱きついてきた。
「でもお兄ちゃんが助けてくれたんでしょ? ありがとう!」
まだ俺より小さい見た目をしているがお礼をで言えるほどしっかりしているようだ。
「こちらこそ無事で良かったです」
急に言われるとどこか照れくさくて頭をかいた。
「アリミアちゃんはどうして一人で森にいたの?」
俺は一番気になっていたことを直接アリミアに聞いてみた。
するとアリミアの体は震えだし少しずつ口を開いていった。
「私捨てられたんです」
「えっ……」
「スキル【剣士】が使い物にならないって」
どこが俺と似た境遇で驚いた。スキルによって迫害され家族を失った少女に同情に近い親近感を抱いた。
それにしてもスキル【剣士】はそこまで悪いスキルではなかったはずだ。
「実は僕もそうなんだ」
「えっ?」
「ほら」
俺は自身のステータスを開きアリミアに開示させた。
基本的にステータスの開示はあまり人に見せることをお勧めしないが、見せられるのはスキル名だけのため開示することした。
久しぶりに開くと職業欄はEランクになっていた。
「あっ、そういえば薬草の提出してないや」
昨日は依頼報告をしていないため鞄にはまだリーフ草がたくさん入っている。
「アリミアちゃんと同じで俺も捨てられたんだ。今はどうにかスキルが使えてEランクの冒険者になれたんだけどね」
彼女は俺のステータスを見てどこか俯いていた。
「じゃあ依頼報告してくるね!」
俺はとりあえず鞄の中にあるリーフ草が邪魔だったため、依頼報告をするために席を立つと引き止められた。
「ちょっと待って!」
突然アリミアは俺の服を小さな手で掴んでいた。
「私のステータスも見せるね」
そう言ってアリミアは俺にステータスを開示した。
――――――――――――――――――――
《ステータス》
[名前] アリス
[種族] 人間/女
[固有スキル] 看護
[職業] なし
――――――――――――――――――――
「えっ……」
どこか見たことある文字に俺の時は止まっていた。スキル【看護】は前世で良く見ていた……いや関わっていた人達だ。
「お兄ちゃん?」
「ああ、ちょっとびっくりしただけだ。スキ【剣士】だって聞いてたからさ」
問題はアリミアが言っていたこととスキルの内容が全く違ったのだ。
「あれはスキル【看護】の能力なの。スキルを授かった時にはあまり知られていないスキルだと教会の人の雰囲気で感じたらいつのまにか変わっていたの」
「名前がアリスなのも?」
「うん」
そう言ってアリスはもう一度ステータスを開示した。
――――――――――――――――――――
《ステータス》
[名前] アリス
[種族] 人間/女
[固有スキル] 剣士
[職業] なし
――――――――――――――――――――
アリミアが言ったように名前とスキルも変わっていた。
「何で俺には見せてくれたの?」
「お兄ちゃんが信用出来る人だと思ったの。あまり見せちゃいけないって言われてるステータスを見せてくれたから……」
「そうか。でもあんまり簡単にステータスを見せちゃダメだよ?」
「わかった!」
俺はアリミアの頭を撫でると彼女ばどこか安心しているのか眠たそうに欠伸をしていた。
「おはようございます」
「ケントくんおはよう。体調は大丈夫かしら?」
「大丈夫です! 今日もギルドに行ってきます」
「そう? 気をつけていってらっしゃいね」
アニーはあまり触れずに普段と変わらなく接していた。
そんなアニーにどこか申し訳ない気持ちになっていた。
一緒に住まなければ二人に迷惑をかけることはなかったはずだ。
「迷惑かけてすみません」
「えっ、なんのこと? 男の子だから仕方ないわ」
「行ってきます!」
俺はどこか安心して冒険者ギルドに向かった。
「ジョニー、今日もケントくんを見守っててね」
アニーは俺が見えなくなるまで見送っていた。その姿は子を心配する母のそのものの姿だった。
♢
「おはようござ――」
冒険者ギルドに着くとすぐに冒険者達に囲まれていた。明らかに今までと何かが違った。
「おお、坊主元気そうだな」
「あれ、皆さんどうされました?」
「あっ、いや元気ならいいんだよ。なぁ!?」
「おおおおう!」
ギルド内はどこか落ち着きがなかったが、いつもと変わらない俺を見て普段通りに仕事に戻って行った。
いつも通りにスターチスの元へ依頼を受けに行く予定だ。
「おはようございます」
「あら、元気そうね!」
「たくさん寝たら元気になりました」
「ふふふ、それは良いことね」
「そういえば皆さんどこか様子がおかしいですが……」
俺はギルドに来てからあまり冒険者に声をかけられることはなかった。どちらかと言えば冒険者達はあまり関わらないように遠くで見ているような感じだ。
「あれから三年ね……。あんな状態でケントくんが帰って来たからみんな心配になるわよね」
「えっ?」
スターチスはボソッと呟いたが俺には聞こえていなかった。
「今日の依頼をお願い――」
「今日はおやすみです」
俺は今日も依頼を受けようとするとスターチスに止められた。
「今日も依頼はお休みにしました。昨日あれだけ大変なことがあったのに働かせられません!」
いつも通りに依頼を受けるつもりでいたが、急に予定がなくなると何をして良いのかわからない。
「なにしようかな……」
「それならアリミアちゃんと遊んできたらどうかしら?」
「アリミアちゃん?」
聞いたこともない名前に首を傾げる。
「昨日ケントくんが助けてくれた子よ。今あっちでご飯を食べてるからよろしくね」
どこか面倒を見てほしいように感じた俺はアリミアの方へ向かった。
「アリミアちゃん元気?」
「お兄ちゃん誰?」
「昨日森で倒れていた所を助けに行ったんだけど覚えてないかな?」
「んー、覚えていないや!」
「そうか」
アリミアは椅子から降りると近づき抱きついてきた。
「でもお兄ちゃんが助けてくれたんでしょ? ありがとう!」
まだ俺より小さい見た目をしているがお礼をで言えるほどしっかりしているようだ。
「こちらこそ無事で良かったです」
急に言われるとどこか照れくさくて頭をかいた。
「アリミアちゃんはどうして一人で森にいたの?」
俺は一番気になっていたことを直接アリミアに聞いてみた。
するとアリミアの体は震えだし少しずつ口を開いていった。
「私捨てられたんです」
「えっ……」
「スキル【剣士】が使い物にならないって」
どこが俺と似た境遇で驚いた。スキルによって迫害され家族を失った少女に同情に近い親近感を抱いた。
それにしてもスキル【剣士】はそこまで悪いスキルではなかったはずだ。
「実は僕もそうなんだ」
「えっ?」
「ほら」
俺は自身のステータスを開きアリミアに開示させた。
基本的にステータスの開示はあまり人に見せることをお勧めしないが、見せられるのはスキル名だけのため開示することした。
久しぶりに開くと職業欄はEランクになっていた。
「あっ、そういえば薬草の提出してないや」
昨日は依頼報告をしていないため鞄にはまだリーフ草がたくさん入っている。
「アリミアちゃんと同じで俺も捨てられたんだ。今はどうにかスキルが使えてEランクの冒険者になれたんだけどね」
彼女は俺のステータスを見てどこか俯いていた。
「じゃあ依頼報告してくるね!」
俺はとりあえず鞄の中にあるリーフ草が邪魔だったため、依頼報告をするために席を立つと引き止められた。
「ちょっと待って!」
突然アリミアは俺の服を小さな手で掴んでいた。
「私のステータスも見せるね」
そう言ってアリミアは俺にステータスを開示した。
――――――――――――――――――――
《ステータス》
[名前] アリス
[種族] 人間/女
[固有スキル] 看護
[職業] なし
――――――――――――――――――――
「えっ……」
どこか見たことある文字に俺の時は止まっていた。スキル【看護】は前世で良く見ていた……いや関わっていた人達だ。
「お兄ちゃん?」
「ああ、ちょっとびっくりしただけだ。スキ【剣士】だって聞いてたからさ」
問題はアリミアが言っていたこととスキルの内容が全く違ったのだ。
「あれはスキル【看護】の能力なの。スキルを授かった時にはあまり知られていないスキルだと教会の人の雰囲気で感じたらいつのまにか変わっていたの」
「名前がアリスなのも?」
「うん」
そう言ってアリスはもう一度ステータスを開示した。
――――――――――――――――――――
《ステータス》
[名前] アリス
[種族] 人間/女
[固有スキル] 剣士
[職業] なし
――――――――――――――――――――
アリミアが言ったように名前とスキルも変わっていた。
「何で俺には見せてくれたの?」
「お兄ちゃんが信用出来る人だと思ったの。あまり見せちゃいけないって言われてるステータスを見せてくれたから……」
「そうか。でもあんまり簡単にステータスを見せちゃダメだよ?」
「わかった!」
俺はアリミアの頭を撫でると彼女ばどこか安心しているのか眠たそうに欠伸をしていた。
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