72 / 281
第一章 外れスキル

72.ラルフのステータス

しおりを挟む
 俺達は王都に向けた馬車の中で揺られていた。

「王都まで遠いんですね」

「ああ、トライン街から約五日もかかるからな」

「腰がやられそうです」

 自身の腰をスキルを使いながらマッサージをしているが常に振動がくるためスキルが間に合わない。

 なるべく凹凸がないところを通っていると言っていたが、それでも前世の道路と比べると道という道ではないため衝撃が強かった。

「あとで俺もやってもらってもいいか?」

 長年冒険者をしているマルクスでも腰は痛いらしい。

「そろそろ一度休憩を入れましょうか?」

 御者から声を掛けられ一度休憩することになった。

 トライン街から王都までの道のりはおおよそ五日間かかり、途中三つの村を経由して他の日は野営する予定になっていた。

 基本的に魔物は出現するため危険が少ないところで野営し、日中は移動することになっている。

「では、そろそろ出発します」

 御者の掛け声で馬車は進み、始めの村に向かった。時間もしないうちに到着する予定になっているため、暇つぶしにステータスを見ることにした。

「ポイント全然たまらないな」

「ステータスを見てどうしたんだ?」

 隣にいたラルフは俺のステータスボードを覗いた。

「ケントも医療ポイントってのがあるんだな!」

「えっ!?」

 ラルフの突然の一言に俺は固まった。

「ラルフは医療ポイントが見えるの?」

「ああ。スキルが使えるようになってから見えるようになったぞ。あとは開示されていないステータスボードも見てるらしいね」

 言われて見れば確かにラルフに開示させたわけでもないのに勝手に見えていた。

「ただ、俺もスキルを使っている時にしか見えないしこの医療ポイント自体が何かはわからないんだ」

 たまたまスキルを使った状態でステータスボードを触れた時にスキルツリーをみつけたらしい。

 俺とは異なっていてスキルを使用しないとスキルツリーが見えない仕組みだ。

「俺はその医療ポイントを使ってスキルの解放が出来るようになるんだけど、ラルフは説明とか書いてある?」

「医療ポイントを100消費すればLv.2が解放されるらしいけど、医療ポイントがまだ60ちょっとしかないから無理そうだね」

 ラルフは俺と違って1日の獲得医療ポイント少ないようだ。

 ちなみにラルフのスキルツリーはこのようになっていた。

――――――――――――――――――――

《スキル》
固有スキル【放射線技師】
医療ポイント:63
回復ポイント:0
Lv.1 透視の目
Lv.2 ????
Lv.3 ????
Lv.4 ????
Lv.5 ????

――――――――――――――――――――

 同じようにLv.5まで存在しており、俺にスキルツリーを見せようにするが他の人には見せることができなかった。

 ちなみに一緒にいたマルクスにもステータスをスワイプさせてみるが、スキルツリーの表示はなかった。
 
 ひょっとしたらマルクスにはスキルツリーが存在しないのかもしれない。

「はじめの村に着きました」

 御者に声をかけられ馬車から降りると村を見ると鳥肌が止まらなかった。

「俺が生まれたところだ……」

 そんな俺にマルクスとラルフは声をかけられなかった。二人には俺が捨てられたことを話している。

「さぁ、行きましょうか」

 すぐに気持ちを切り替え村に向かおうとした。

 しかし、そんな俺の手をマルクスは握って止めた。

「大丈夫か?」

「はい」

「無理なら俺達だけでも野営でいいぞ?」

「大丈夫です。僕の家族はもうエッセン町にいるロニーさん達三人と今ここにいるマルクスさんとラルフですから」

 俺は勇気を振り絞って生まれ故郷である村に入ることにした。
しおりを挟む
感想 120

あなたにおすすめの小説

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす

黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」 公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。 忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。 「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」 冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。 彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。 一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。 これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。

処理中です...