102 / 281
第一章 外れスキル

102.顔合わせ

しおりを挟む
 ついにコルトンとの顔合わせが決まり、ウルとラルを連れてメリルのお店に来ていた。

「メリルさん! コルトンさん!」

 扉を開けて呼ぶと中から返事が返って来たが手が離せないようだ。

 そのまま中に入っていくとちょうどメリルがコルトンを連れて部屋に移動していた。

「そろそろ来ると思って待っておったんじゃ」

「コルトンさん余所見をしてたら危ないですよ」

「大丈夫――」

 「危ない!」

 コルトンは余所見をして段差に躓いていた。

 咄嗟に近くにいたため支えることができた。

「危ないって言ったとたんに引っかかりましたね」

「あはは、すまんすまん」

 コルトンは特に気にすることもなく危険認識は低い。

 そのままメリルの介助で部屋に連れてってもらい、ウルとラルにはさっき起きたことについて確認した。

「今何が問題だと思う?」

「ケントに気が取られて足元に意識が向いていなかったことかな?」

「それとメリルさんの歩くスピードが速くてコルトンさんが付いて行けてなかったね」

「二人とも正解だね」

 ウルとラルの答えはどれも正解だった。確かに俺が声をかけたことでコルトンの意識は俺に向き段差に気づかず足を引っかけていた。

 またメリルも待たせてはいけないと思い、自然と歩くスピードが速くなることでコルトンは前方へと自然と姿勢が崩れていた。

 正解した二人を褒めるとウルとラルは喜んでいた。

 ここに来るまでに毎日たくさん勉強と練習を繰り返したからな。

「お待たせしました」

「みんなこっちに座ってね」

 メリルは椅子と異世界版リンゴジュースを用意していた。椅子に座ると自己紹介から始めた。

「俺……僕はウルです」

「私はラルです」

「今日は孤児院からコルトンさんのお手伝いってことで来ました」

 ウルはエイマーから今まで教えてもらったように言葉遣いを気にしながら話している。

「私はここのお店をやっているメリルよ」

「わしがコルトンだ」

 コルトンは眉間に皺を寄せてウルとラルを見ていた。

「あなた顔が怖いわよ」

 そんなコルトンを見てメリルは注意をしていた。この見た目で二人がビビらなければいいのだが……。

「ああ、すまんすまん。目が悪いからよく見ようと思ったら睨みつけておったわ」

 ただ単純に目が悪くて見えていなかっただけだった。

「コルトンさんって目が見にくいんですか?」

「異世界にも白内障ってあるのか……」

 目を見ると若干目の水晶体にあたる部分が濁っていた。目の老化現象とも呼ばれる"白内障"になりつつあるのだろう。

「最近特に酷くてな」

「だから引っかかりやすいんでしょうね。もう少し気をつけないと危ないですよ」

「わかった! わかった!」

 俺また注意をするがあまりコルトンは気にしている様子はない。

 それ以上言うと関係にも関わりそうなため言うのをやめて話を変えた。

「今日は顔合わせのために来ました」

「ああ、それはこの前言ってたからね」

「それでお試しの期間ですが、二人が今後も働くために勉強をしないといけないということもあって二週間程度を予定しています」

「まぁ、わしは暇だからいつでもいいぞ?」

「ならそれでよろしくお願いします。今日は一応二人がしっかりできるか確認してから帰りますので少しここに居ますね」

 急に二人に任すのも何か起きた時には危ないだろう。提案した俺自身もやはり心配のため、今日は軽く二人ともコルトンの歩行介助をしてから帰ることにした。
しおりを挟む
感想 120

あなたにおすすめの小説

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす

黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」 公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。 忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。 「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」 冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。 彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。 一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。 これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

処理中です...