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第一章 外れスキル

106.スキル【介護福祉士】

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 俺達は孤児院の食堂で座っている。まだ夕食前のため、子ども達は外で遊んでおり部屋の中はウル達含めて五人だけだった。

「介護は慣れてきた?」

「うーん、今は特に何も問題は起きていないかな? 今週末で最後になるけど勉強も教えて貰えるからこれから続けるかはエイマーと相談次第かな」

 介護に関しては特に問題もなく残り数日となっていた。

 勉強自体もエイマーが教えることもなくなったため、今後も続けていくかは当の本人達で話し合うことになっている。

「今日ケントくん達はどうしたの?」

「ちょっとウルとラルのスキルが発動されているか見に来たくてね。確認出来る友達を連れて来たんだ」

「えっ? そんなことわかるの?」

 俺の発言に二人は驚いていた。そして本当にスキルが使えていたのかワクワクしているようだ。

「できるから来たんだよ? じゃあ二人ともステータスボードの開示を頼む」

 二人はステータスボードの開示をした。そしてガレインとラルフも準備を始めた。

「ラルフよろしく」

「ああ」

 ラルフは紙にウルとラルのスキルを書きう写した。

 紙に書くということは外れスキルが発動したということだ。

「ケントどうした? やっぱスキルの発動が出来ていないのか?」

 心配そうにウルは聞いてきた。

「いや、スキルは無事使えてるよ」

 俺の発言にウルとラルは飛び上がるほど喜んでいた。

 そんな二人を見て俺も嬉しいが内容がなんとも言えなかった。

「ケントくんどうしたの?」

「いやー、双子だしスキルも同じであればスキルツリーも一緒かと思ったんだけど、少し違うんだよね」

「スキルツリー?」

 まずはスキルツリーの説明をしてからウルとラルにスキルツリーが書かれた紙を渡した。

――――――――――――――――――――

《スキル》
固有スキル【介護福祉士】
医療ポイント:8
Lv.1 介護の心得
Lv.2 ????
Lv.3 ????
Lv.4 ????
Lv.5 ????

――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――

スキルツリー『Lv.1 介護の心得』
 医療系スキル介護福祉士の心得。介護を行うことで治療行為の効果を高める。
Lv.1 介護の心得→歩行介助の心得

――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――

スキルツリー『Lv.1 歩行介助の心得』
 医療系スキル介護福祉士の歩行介助の心得。歩行介助時の転倒リスクを軽減させ、身体機能が維持される。また、その後の治療行為の効果を高める。

※医療ポイントを取得すると自動解放される。
Lv.1 介護の心得→歩行介助の心得

――――――――――――――――――――

 上のスキルツリーはウルのものである。ウルのスキルツリーは、介護の心得から歩行介助の心得を習得しているのに対しラルは異なっていた。

――――――――――――――――――――

スキルツリー『Lv.1 介護の心得』
 医療系スキル介護福祉士の心得。介護を行うことで、治療行為の効果を高める。
Lv.1 介護の心得→食事介助の心得

――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――

スキルツリー『Lv.1 食事介助の心得』
 医療系スキル介護福祉士の食事介助の心得。食事介助時の誤嚥リスクを軽減させ、身体機能が維持される。また、その後の治療行為の効果を高める。

※医療ポイントを取得すると自動解放される。
Lv.1 介護の心得→食事介助の心得

――――――――――――――――――――

 ラルのスキルツリーはこのようになっていた。介護の心得から食事介助の心得を習得していた。

 スキルツリーから確認出来たのは、ウルは歩行機能に特化し、ラルは嚥下機能に特化していた。

 どちらも補助的なスキルではあるが、ウルは理学療法士、ラルは言語聴覚士と組むことでさらにスキルは活かせそうだと感じた。

 しかも、介護する事で機能の維持ができるためそれだけで介護としては凄いことだ。
 
「ラルってコルトンさんに食事介助でもした?」

「ううん、コルトンさん一人でも食べれるもん」

 ラルは自分の能力をまだ実感していない段階だった。その反対に最近歩行介助しやすくなったとウルが言っていたのはスキルの影響だろう。

「それにしても誤嚥ってなに?」

 それよりもラルは初めて見る言葉が気になっていた。

「誤嚥というのは飲み込みの機能が何かしらの影響で弱くなって、食道を通るはずの食べ物が気道を通ってしまうことを言うんだ」

 簡単に気道と食道の構造も説明した。食道と気道には並び合うところに蓋のようなものが存在し、食べ物を飲み込む時には気道が塞がる仕組みになっている。

 その説明はラルフも聞いており、ラルフは自身のスキルを使って実際の気道と食道を見ている。

「おー、本当に二手に分かれてるんだな」

「ラルフくんは実際に見えてるの?」

「ああ、見えてるぞ。オラのスキルは詳細に見ることができるスキルだから、それを使って体の中身も見えるんだ。さっきみたいにスキルツリーも見れるけどな」

「ラルフくんって凄いんだね。じゃあケントくんが言うように私が食事介助をすることで、食べ物が飲み込みやすくなるんだね」

 ひょっとしたらウルのスキルってとてつもなくすごいのかもしれない。食事摂取できない人が少しの摂取で吸収率が上がるようになればそれだけ食べれない人の生存率が上がるのだ。

「そういうことだね。地味だとは思うけど誤嚥することで肺炎という病気になるんだけど、最悪命を落とすことになるからそれだけ嚥下って重要なんだ」

「そっかー! 私のスキル外れじゃなかったんだね」

 聞き慣れない言葉にラルは不安に思っていた。

 ウルは使えそうなスキルなのに、ラル自身はまた外れスキルになるのではないかと……。

 しかし、俺に説明をされることで不安な気持ち表情からして無さそうだ。

「二人ともスキルが使えるようになって良かったね」

「本当にケントのおかげだよな」

「そうそう! ケントくんがいなかったらスキルの使い方もわからなかったからね」

「これからが大変だよ。介護頑張ってね」

「うん!」

 ウルとラルは実際のスキルツリーを確認することで、外れスキルじゃなかったことを知るだけで人生は変わったのだろう。
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