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第一章 外れスキル
140.本領発揮
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ネロとドランはフェーズと一緒にパーティーを組んでいた。今も数日に買い出しをして家に届けてくれる仲間だ。
「おい、ネロ!」
お腹は一部齧られたかのような抉られた傷口から多量に出血している。
「ネロ……」
フェーズはネロに触れるがグッタリとして返事はない。
「フェーズ助けてくれよ……。ネロが魔物に腹を食われて……」
ドランもどうすれば良いのか分からず、ネロを抱えたままその場で座り込んでいた。
「誰か教会に人を呼びに行くんじゃ。回復魔法が使えるやつは」
カタリーナは周りを見渡すが回復魔法はおろか魔法が使える人自体いないのだろう。
今この場で治療できるのは俺達しかいなかった。
「ちょっとすみません」
人をかき分けて俺は彼らに近づいた。
「ちょっとその剣を貸してください」
俺は亜人と思われる男の腰にある短剣を鞘から取り出すとネロの服を切った。
「おい、ケントどうするつもりだ?」
その後傷口周りを水治療法を発動させ血を洗い流した。
「ラルフ患部周囲の状態を教えてくれ」
近くにいたラルフはネロの元へ駆けつけるとスキルを発動させた。
「出血部位の損傷が酷すぎて内部までは見えない。ガレインスキルで指示を!」
ガレインはラルフに指示を与えたことでラルフの目には細かく損傷箇所が見えた。
「出血多量による出血性ショックまであと10分。腸の損傷20%、下位肋骨第11と12の骨折、肝臓・脾臓・胃の損傷大って出ている」
思ったよりも重大な傷だ。リモンの時は皮膚上の傷だったためどうにか対応できた。
ただ、ここまでになると俺のスキルでもどうにもならないとすぐにわかった。
「ケントどうするよ?」
「内臓はどうしようも出来ないよ。ガレインいける?」
俺は立ち上がり持っていた短剣を近くにいたガレインに渡そうとしたが、受け取らなかった。
「出来ないよ……。治したことなんてないよ」
「勉強した通りに元に戻るように意識すれば……とりあえずやってみて」
「でも――」
「はやくしないとネロさんが死んじゃう。なんのためにガレインは決意したの? 自分を変えるためじゃないのか?」
このままでは本当に彼女は死んでしまう。ここを乗り越えられればガレインは変わることができるし、教会の人が来るまで命を繋ぎ止めるだけでもいい。
俺の必死な呼びかけにガレインは短剣を握りしめネロに短剣を向けた。
「おい、お前!」
短剣を持って近づいたガレインにドランとフェーズは圧を放った。
流石元Bランクの冒険者であるフェーズの圧にガレインはたじろぐがそれでもネロに近づいた。
「こんな状態のネロに何する気だ!」
ドランはガレインに摑みかかるが、それでもガレインは止まらなかった。
「黙れ! 私はこの国クレイウェン王国の第三王子ガレイン・クレイウェンだ」
ガレインの周りが緑色に輝き出した。名前を叫ぶとともに緑色に輝いたオーラはギルド内に広がり冒険者達を圧倒していた。
後から聞いた話では王になる者達には独特の圧が有ると言われている。
その圧は目に見えるほどの輝きを持ち、ガレインの父も同じスキル『聖剣』の影響か金色のオーラを纏っていた。
こうやって見るとガレインが現場にいる医師に見えてきた。
「うっ!?」
直接ガレインのオーラを浴びたドランはその場で座り込んだ。
「ガレイン大丈夫か?」
「ああ」
普段のガレインとは異なりどこか覚悟を決めた顔をしていた。
短剣をネロに腹部に沿わせると短剣は緑色に輝きだした。
以前治療した時はバターナイフが軽く光る程度だったが、今回はすぐに見てわかるほど緑色に変化している。
「ガレインその調子。腸が治ってきている」
ラルフの目にはさっきよりも状態が落ち着いて見えるのだろう。
「ダメだ……魔力が足りない」
そんな中少しずつ緑色の輝きは弱くなり、ガレインの魔力は尽きてきた。
俺は異次元医療鞄から王国魔力蜜を取り出した。何もない空間から樽が出てきたため、冒険者達は驚いている。
俺は近くで食事をしていた冒険者のスプーンを借り服で拭った。
「これを舐めて」
王国魔力蜜を直接ガレインに接種させることで魔力は増大し回復することができる。
これが普通の魔力蜜と異なるところだ。
「ありがとう」
王国魔力蜜を口に含むとすぐに短剣は再び緑色に輝き出した。
それを繰り返すことで自然と内臓は復元されていた。
その後も何回かそれを繰り返した。
医療ドラマにある汗を拭くタイミングが蜂蜜を食べさせるタイミングになったような感じだ。周りから見てたらめちゃくちゃシュールだろう。
「意識消失はしているけど中は治っ――」
すでにガレインは自身の意識を保つだけでもやっとのようだ。そのまま倒れるガレインを俺は受け止め床に寝かした。
「あとはどうにかするよ」
俺はガレインの隣に座り傷口を塞ごうと魔力を込めた。傷口は残るかもしれないが命には変えられない。
俺は魔力を手に込めた。意識は血液成分が活性化するように働きかけることだ。
「ケント全部治ったぞ!」
ラルフの声に発動を止めるとどうやらネロの表情も落ち着き寝息を立てていた。
「ガレイン無事に終わったぞ」
「ははは、そうか」
ガレインはネロが助かってホッとした顔をしていた。初めての場であそこまでできるガレインが誇らしい。
「さすがオラの家族だ」
ラルフは俺とガレインに飛びつくように思いっきり抱きついてきた。
騒然とした空気が流れていた冒険者ギルドからは歓喜溢れる声で溢れた。
「うぉー! あいつらやってくれたぜ」
「あの三人うちのパーティーに来てくれないかしら?」
「いやいや、誘うのは俺達だ!」
その後もギルド内は喜びの声と俺達をパーティー誘おうとする声が入り混じっていた。
「おい、ネロ!」
お腹は一部齧られたかのような抉られた傷口から多量に出血している。
「ネロ……」
フェーズはネロに触れるがグッタリとして返事はない。
「フェーズ助けてくれよ……。ネロが魔物に腹を食われて……」
ドランもどうすれば良いのか分からず、ネロを抱えたままその場で座り込んでいた。
「誰か教会に人を呼びに行くんじゃ。回復魔法が使えるやつは」
カタリーナは周りを見渡すが回復魔法はおろか魔法が使える人自体いないのだろう。
今この場で治療できるのは俺達しかいなかった。
「ちょっとすみません」
人をかき分けて俺は彼らに近づいた。
「ちょっとその剣を貸してください」
俺は亜人と思われる男の腰にある短剣を鞘から取り出すとネロの服を切った。
「おい、ケントどうするつもりだ?」
その後傷口周りを水治療法を発動させ血を洗い流した。
「ラルフ患部周囲の状態を教えてくれ」
近くにいたラルフはネロの元へ駆けつけるとスキルを発動させた。
「出血部位の損傷が酷すぎて内部までは見えない。ガレインスキルで指示を!」
ガレインはラルフに指示を与えたことでラルフの目には細かく損傷箇所が見えた。
「出血多量による出血性ショックまであと10分。腸の損傷20%、下位肋骨第11と12の骨折、肝臓・脾臓・胃の損傷大って出ている」
思ったよりも重大な傷だ。リモンの時は皮膚上の傷だったためどうにか対応できた。
ただ、ここまでになると俺のスキルでもどうにもならないとすぐにわかった。
「ケントどうするよ?」
「内臓はどうしようも出来ないよ。ガレインいける?」
俺は立ち上がり持っていた短剣を近くにいたガレインに渡そうとしたが、受け取らなかった。
「出来ないよ……。治したことなんてないよ」
「勉強した通りに元に戻るように意識すれば……とりあえずやってみて」
「でも――」
「はやくしないとネロさんが死んじゃう。なんのためにガレインは決意したの? 自分を変えるためじゃないのか?」
このままでは本当に彼女は死んでしまう。ここを乗り越えられればガレインは変わることができるし、教会の人が来るまで命を繋ぎ止めるだけでもいい。
俺の必死な呼びかけにガレインは短剣を握りしめネロに短剣を向けた。
「おい、お前!」
短剣を持って近づいたガレインにドランとフェーズは圧を放った。
流石元Bランクの冒険者であるフェーズの圧にガレインはたじろぐがそれでもネロに近づいた。
「こんな状態のネロに何する気だ!」
ドランはガレインに摑みかかるが、それでもガレインは止まらなかった。
「黙れ! 私はこの国クレイウェン王国の第三王子ガレイン・クレイウェンだ」
ガレインの周りが緑色に輝き出した。名前を叫ぶとともに緑色に輝いたオーラはギルド内に広がり冒険者達を圧倒していた。
後から聞いた話では王になる者達には独特の圧が有ると言われている。
その圧は目に見えるほどの輝きを持ち、ガレインの父も同じスキル『聖剣』の影響か金色のオーラを纏っていた。
こうやって見るとガレインが現場にいる医師に見えてきた。
「うっ!?」
直接ガレインのオーラを浴びたドランはその場で座り込んだ。
「ガレイン大丈夫か?」
「ああ」
普段のガレインとは異なりどこか覚悟を決めた顔をしていた。
短剣をネロに腹部に沿わせると短剣は緑色に輝きだした。
以前治療した時はバターナイフが軽く光る程度だったが、今回はすぐに見てわかるほど緑色に変化している。
「ガレインその調子。腸が治ってきている」
ラルフの目にはさっきよりも状態が落ち着いて見えるのだろう。
「ダメだ……魔力が足りない」
そんな中少しずつ緑色の輝きは弱くなり、ガレインの魔力は尽きてきた。
俺は異次元医療鞄から王国魔力蜜を取り出した。何もない空間から樽が出てきたため、冒険者達は驚いている。
俺は近くで食事をしていた冒険者のスプーンを借り服で拭った。
「これを舐めて」
王国魔力蜜を直接ガレインに接種させることで魔力は増大し回復することができる。
これが普通の魔力蜜と異なるところだ。
「ありがとう」
王国魔力蜜を口に含むとすぐに短剣は再び緑色に輝き出した。
それを繰り返すことで自然と内臓は復元されていた。
その後も何回かそれを繰り返した。
医療ドラマにある汗を拭くタイミングが蜂蜜を食べさせるタイミングになったような感じだ。周りから見てたらめちゃくちゃシュールだろう。
「意識消失はしているけど中は治っ――」
すでにガレインは自身の意識を保つだけでもやっとのようだ。そのまま倒れるガレインを俺は受け止め床に寝かした。
「あとはどうにかするよ」
俺はガレインの隣に座り傷口を塞ごうと魔力を込めた。傷口は残るかもしれないが命には変えられない。
俺は魔力を手に込めた。意識は血液成分が活性化するように働きかけることだ。
「ケント全部治ったぞ!」
ラルフの声に発動を止めるとどうやらネロの表情も落ち着き寝息を立てていた。
「ガレイン無事に終わったぞ」
「ははは、そうか」
ガレインはネロが助かってホッとした顔をしていた。初めての場であそこまでできるガレインが誇らしい。
「さすがオラの家族だ」
ラルフは俺とガレインに飛びつくように思いっきり抱きついてきた。
騒然とした空気が流れていた冒険者ギルドからは歓喜溢れる声で溢れた。
「うぉー! あいつらやってくれたぜ」
「あの三人うちのパーティーに来てくれないかしら?」
「いやいや、誘うのは俺達だ!」
その後もギルド内は喜びの声と俺達をパーティー誘おうとする声が入り混じっていた。
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