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第一章 外れスキル
142.急な現場指導
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俺達は冒険者ギルドの入り口に向かった瞬間、部屋中血の臭いが漂っていた。あまりの人数の多さに驚いた。
「痛い……早くどうにかしてくれ!」
「仲間を助けてくれ!」
辺りからは助けを求める声が響いていた。その現場を目の当たりにした俺達は改めて気を引き締め直した。
「意識がない人、傷が酷い方は奥の方に運んでください」
俺の声にさっきの現場を見ていた冒険者達は傷だらけの冒険者を奥の方へ運び出した。
「ラルフとガレインは一緒に行動して、危険な人から順に助けてあげて! 表面上の傷なら俺がどうにかする」
「わかった」
内臓損傷はガレインしか治療できないため、まずはラルフが確認し、その後ガレインが治療する方向性が良いだろう。
俺は近くにいた冒険者に声をかけた。
「教会から人は来てますか?」
「まだ来てねーぞ! あいつら基本金のことしか考えてないからな」
ネロを助けるときに教会へ人を呼びに行ったはずがまだ到着していないらしい。
「他に患者はいますか?」
「外にまだまだたくさんいるぞ」
俺はその足で冒険者ギルドから外に出ると、そこにも血を流した人や関節が変な方へ曲がった人が壁にもたれていた。
どこから見ても地獄絵図にしか見えなかった。医療ドラマに出てくる災害現場のように感じるその光景に俺の頭はどこか冷静になってきていた。
俺はその中で軽傷そうな人に声をかけた。
「組織の損害はどの程度ですか?」
「ああ、俺達はほぼ全滅した。魔物のボスは退治出来たがオークキングに半数はやられたよ」
今回戻ってきたのは王都より東に位置する所に依頼へ行った討伐組織らしい。
王都を中心に西は昆虫型、東はオークやオーガなど二足歩行の魔物、南はゴブリンやウルフなど低ランク魔物、そして北はハーピーや鳥類型の魔物が多く生息している。
「ありがとうございます。すぐ治療に回るのでもう少し頑張ってください」
「ああ、早めに仲間達を助けてくれると助かる」
見た感じ男は軽症のため後回しした。
「お兄ちゃん来たよー!」
そんな中元気に声をかけてきたのはミィだった。
しかし、ミィ以外の子ども達は今の状況を見て固まっていた。ミィは子どもだから理解はできていない可能性があるが、他の子はある程度現状がわかっているのだろう。
「これから君達はこういう現場で働くことになる可能性がある。誰もが助けられると思わなくていい、自分のできることを精一杯やってくれ」
そのまま子ども達は俺について行くと外よりもすごい光景にさらに言っていたことを理解したのだろう。
あまりの酷い現場にその場で吐いてしまう子もいるぐらいだ。
「お兄ちゃん……」
ミィは俺のズボンを掴んでいた。
「別に怖ければここから立ち去ってもらっても構わない。だけど、外れスキルと言われていた君達が一番必要とされる現場はここだ」
「俺は逃げないぜ! 将来お世話になる冒険者の先輩達は俺が助けるんだ」
そんな中一番に声を上げたのは、俺と同じスキルを持ったマークだ。
「マークいくぞ」
「おう!」
マークが俺に続くと続々とみんなら後を追ってきた。俺はガレインとラルフがいるところへ向かった。
「ラルフどうだ?」
「ギルド内の人は全て見たから、今度は外に行ってくる」
倒れた人の頭の隣には、ラルフがスキルを発動させ画像投影させた紙が置いてあった。
――――――――――――――――――――
血管迷走神経反射による意識消失
左上腕骨亜脱臼
左橈骨、尺骨骨幹部骨折
左大腿骨開放骨折
――――――――――――――――――――
画像投影された紙にはこんな感じに書かれていた。
血管迷走神経反射とは、ストレスや強い痛み、排泄や腹部内臓疾患による刺激が迷走神経を介して脳幹血管中枢に刺激し、血圧や心拍数が低下することを言う。
簡単に言えば、極度の痛みによって意識を保っていてはいけないと脳が反応し意識を消失させている状態だ。
「治療に当たるから何か木を準備して」
「平らな板だったら大丈夫か?」
俺は頷くとマークは冒険者に頼み込み、ギルド内にあるテーブルを割って木を集めてきた。
俺は木受け取るとまずは亜脱臼をしていた上腕骨を元の位置に修復し、伸びた靭帯を戻すように回復魔法をかけた。
その後木を前腕と大腿骨に付けて、回復魔法をかけながら骨の位置を修正するようにイメージした。
「ちょっとラルフを呼んできてもらってもいいか?」
子ども達はラルフを呼んでもらうと急いで戻ってきた。
「どうした?」
「ちょっと治っているか確認してもらってもいいか?」
「ああ」
ラルフはスキルを発動させると紙に書いた文字を消した。
「骨は仮骨形成されてくっつき始めてる」
「ならこのままスキルを使い続ければ骨に関してはどうにかなるか」
仮骨とは骨折した部位に起こる新しくできた骨みたいなものだ。
傷の処置と同様にある程度回復魔法でどうにかならないかと思ったが、やはり俺の回復魔法は細胞を促進させることができるらしい。
「マリー達は動かし過ぎないように包帯を巻いて」
彼女は孤児院にいる【看護】のスキルを持つ子達だ。
「わかりました」
マリーは包帯を取り出し木がズレないように巻いた。
事前に孤児院の子達には、副木を使った固定方法や包帯による関節の固定方法は教えていた。
むしろ俺が教えれることが少ないからな。
「ケント! 外の人は外傷と骨折が主だ」
「わかった。なら俺はそっちを担当する。ミィはガレインのお兄ちゃんにこれを食べさせてあげて」
俺はミィに王国魔力蜜を近くにあった容器に移し替えて渡した。
「これが終わったらミィも食べていい?」
「ああ、いいぞ」
「やったー!」
ミィは嬉しそうに王国魔力蜜を持ってガレインの元へ走って行った。子どもには嫌な現場だけどこれで少しはミィも役に立つだろう。
「さぁ、他の子は付いてきて!」
「はい!」
俺達は外傷や骨折の人を中心に治療することにした。
「痛い……早くどうにかしてくれ!」
「仲間を助けてくれ!」
辺りからは助けを求める声が響いていた。その現場を目の当たりにした俺達は改めて気を引き締め直した。
「意識がない人、傷が酷い方は奥の方に運んでください」
俺の声にさっきの現場を見ていた冒険者達は傷だらけの冒険者を奥の方へ運び出した。
「ラルフとガレインは一緒に行動して、危険な人から順に助けてあげて! 表面上の傷なら俺がどうにかする」
「わかった」
内臓損傷はガレインしか治療できないため、まずはラルフが確認し、その後ガレインが治療する方向性が良いだろう。
俺は近くにいた冒険者に声をかけた。
「教会から人は来てますか?」
「まだ来てねーぞ! あいつら基本金のことしか考えてないからな」
ネロを助けるときに教会へ人を呼びに行ったはずがまだ到着していないらしい。
「他に患者はいますか?」
「外にまだまだたくさんいるぞ」
俺はその足で冒険者ギルドから外に出ると、そこにも血を流した人や関節が変な方へ曲がった人が壁にもたれていた。
どこから見ても地獄絵図にしか見えなかった。医療ドラマに出てくる災害現場のように感じるその光景に俺の頭はどこか冷静になってきていた。
俺はその中で軽傷そうな人に声をかけた。
「組織の損害はどの程度ですか?」
「ああ、俺達はほぼ全滅した。魔物のボスは退治出来たがオークキングに半数はやられたよ」
今回戻ってきたのは王都より東に位置する所に依頼へ行った討伐組織らしい。
王都を中心に西は昆虫型、東はオークやオーガなど二足歩行の魔物、南はゴブリンやウルフなど低ランク魔物、そして北はハーピーや鳥類型の魔物が多く生息している。
「ありがとうございます。すぐ治療に回るのでもう少し頑張ってください」
「ああ、早めに仲間達を助けてくれると助かる」
見た感じ男は軽症のため後回しした。
「お兄ちゃん来たよー!」
そんな中元気に声をかけてきたのはミィだった。
しかし、ミィ以外の子ども達は今の状況を見て固まっていた。ミィは子どもだから理解はできていない可能性があるが、他の子はある程度現状がわかっているのだろう。
「これから君達はこういう現場で働くことになる可能性がある。誰もが助けられると思わなくていい、自分のできることを精一杯やってくれ」
そのまま子ども達は俺について行くと外よりもすごい光景にさらに言っていたことを理解したのだろう。
あまりの酷い現場にその場で吐いてしまう子もいるぐらいだ。
「お兄ちゃん……」
ミィは俺のズボンを掴んでいた。
「別に怖ければここから立ち去ってもらっても構わない。だけど、外れスキルと言われていた君達が一番必要とされる現場はここだ」
「俺は逃げないぜ! 将来お世話になる冒険者の先輩達は俺が助けるんだ」
そんな中一番に声を上げたのは、俺と同じスキルを持ったマークだ。
「マークいくぞ」
「おう!」
マークが俺に続くと続々とみんなら後を追ってきた。俺はガレインとラルフがいるところへ向かった。
「ラルフどうだ?」
「ギルド内の人は全て見たから、今度は外に行ってくる」
倒れた人の頭の隣には、ラルフがスキルを発動させ画像投影させた紙が置いてあった。
――――――――――――――――――――
血管迷走神経反射による意識消失
左上腕骨亜脱臼
左橈骨、尺骨骨幹部骨折
左大腿骨開放骨折
――――――――――――――――――――
画像投影された紙にはこんな感じに書かれていた。
血管迷走神経反射とは、ストレスや強い痛み、排泄や腹部内臓疾患による刺激が迷走神経を介して脳幹血管中枢に刺激し、血圧や心拍数が低下することを言う。
簡単に言えば、極度の痛みによって意識を保っていてはいけないと脳が反応し意識を消失させている状態だ。
「治療に当たるから何か木を準備して」
「平らな板だったら大丈夫か?」
俺は頷くとマークは冒険者に頼み込み、ギルド内にあるテーブルを割って木を集めてきた。
俺は木受け取るとまずは亜脱臼をしていた上腕骨を元の位置に修復し、伸びた靭帯を戻すように回復魔法をかけた。
その後木を前腕と大腿骨に付けて、回復魔法をかけながら骨の位置を修正するようにイメージした。
「ちょっとラルフを呼んできてもらってもいいか?」
子ども達はラルフを呼んでもらうと急いで戻ってきた。
「どうした?」
「ちょっと治っているか確認してもらってもいいか?」
「ああ」
ラルフはスキルを発動させると紙に書いた文字を消した。
「骨は仮骨形成されてくっつき始めてる」
「ならこのままスキルを使い続ければ骨に関してはどうにかなるか」
仮骨とは骨折した部位に起こる新しくできた骨みたいなものだ。
傷の処置と同様にある程度回復魔法でどうにかならないかと思ったが、やはり俺の回復魔法は細胞を促進させることができるらしい。
「マリー達は動かし過ぎないように包帯を巻いて」
彼女は孤児院にいる【看護】のスキルを持つ子達だ。
「わかりました」
マリーは包帯を取り出し木がズレないように巻いた。
事前に孤児院の子達には、副木を使った固定方法や包帯による関節の固定方法は教えていた。
むしろ俺が教えれることが少ないからな。
「ケント! 外の人は外傷と骨折が主だ」
「わかった。なら俺はそっちを担当する。ミィはガレインのお兄ちゃんにこれを食べさせてあげて」
俺はミィに王国魔力蜜を近くにあった容器に移し替えて渡した。
「これが終わったらミィも食べていい?」
「ああ、いいぞ」
「やったー!」
ミィは嬉しそうに王国魔力蜜を持ってガレインの元へ走って行った。子どもには嫌な現場だけどこれで少しはミィも役に立つだろう。
「さぁ、他の子は付いてきて!」
「はい!」
俺達は外傷や骨折の人を中心に治療することにした。
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