179 / 281
第一章 外れスキル
179.オーク
しおりを挟む
俺は急いで走っていくとわずかに血のにおいを感じた。それはコロポも同じようだ。
「ケント急ぐのじゃ!」
「わかってる!」
急いでボスの元へ向かうが、元々の足の速さもあるため着くまでに時間がかかってしまう。
「ほんと仕方ないわね」
どこからか声がすると急に走るスピード速くなった。
チラッと後ろを振り向くと緑色の妖精が手を振っていた。以前池から強制進化の首輪を回収した時に手伝ってくれた妖精だろうか。
「緑の妖精さんありがとう!」
彼女はどこか照れ臭そうに笑っていた。
走る速度が速くなることで、だんだんと血のにおいが広がっていた。足元には血が飛び散っていたのだ。
「ボースー!」
「ウォーン!」
大きくボスの名前を呼ぶとすぐに返事が返ってきた。
声がした方に向かうとボスはオークと組み合っていた。
怪我はしているがどうにか無事のようだ。
「ボス退け」
ボスが後ろに下がったと同時に俺は指に魔力を込め温熱療法をオークに放った。
手からは直線上に炎が発射し、オークはその場で燃え、最後には魔石だけを残し灰になって消えた。
「ボス、ビー助大丈夫か?」
「クゥーン」
ボスはケントに顔を擦り付け、ビー助は八の字ダンスを踊っていた。
どちらも特に怪我はしてないようだ。
「こいつらなんなんだ」
ボスに会う前にも移動しているとオークと遭遇した。合流した先にも六体のオークがいた。
それでも二体はボスが倒し、一体は今消し炭にした。
「ボスは離れたやつから倒していけ、それまではこっちで引きつける」
俺の言葉にボスは首を振っていた。俺を心配しているのだろう。俺から離れようとしないのだ。
「みんないるから大丈夫だよ!」
ボスの頭を撫でると渋々俺から離れた。
俺は温熱療法を左右の指でオーク達を挟み込むように発動させた。
その炎に逃げるようにオークが動いたため一体のみ離すことができた。
そのまま焼き切れば良いが常に高出力の温熱療法を発動しないといけないため魔力がすぐに底をついてしまう。
ボスはオークの首元に向かって噛み付いた。
オークはボスを振り落とそうと必死に体を動かすが、ボスの顎の力は強く次第にオークは動かなくなった。
ボスは首元を噛みちぎっていた。うん、可愛いけど狼なんだと改めて認識した。
オーク達は炎が消えると即座に俺の方に向かってきた。
「打診器大きくなれ!」
異次元医療鞄から打診器を取り出し魔力を込めた。オーク達は驚き後退りした。
「知能があるのか?」
オークってそこまで知能がないはずだが……。
「ひょっとするとオークの上位種がいるかもしれないのじゃ」
俺はオークに向かってそのまま走り出した。
全力で打診器を振り回すと打診器に当たったオークはその衝撃で飛ばされた。
「ボス!」
「ガゥ!」
その瞬間をボスは見逃さなかった。オークの元へ走り首を噛み付いた。
それを繰り返してオークを倒すことができた。
「ボス大丈夫か?」
「ガゥ……」
どうやらボスも疲れたようだ。辺りには炭になったオークや首元を噛みちぎられたオーク達が倒れていた。
「よく頑張ったな」
「ケント気を抜くんではないのじゃ!」
コロポの声に俺は顔を上げると次から次へとオークが俺達を囲んでいた。
「まだいるのかよ……」
俺は立ち上がり打診器を構えると、後ろから大きな衝撃が与えられた。
「ケント!」
「ガゥ!」
急な衝撃に俺はそのまま倒れた。衝撃があったものの大きな傷はなく、倒れた俺を見てオーク達は笑っていた。
「オークメイジがいるのじゃ」
コロポは指差した方には大きな杖を持ったオークが立っていた。
オークメイジは稀に発生する個体で、唯一オークの中で生まれる雌だ。
オークは基本的に雄のみで構成され、多種族と交配することで生まれる変わった魔物だ。その中にも極稀に雌がいる。
雌がいるとその中で交配が繰り返されるため個体数は増え、さらに交配したオークの雄から魔力を貰うことができる。
だから普通のオークより知能が高いのだろう。
「オークメイジはそいつだけじゃないのじゃ」
しかも茂みにはオークメイジが三体も存在していた。
それだけいるということは、この森にはたくさんのオークが存在することになっている。
「とりあえず逃げるのじゃ!」
俺は温熱療法で道を開けようとするが、それに合わせてオークメイジが水属性魔法で相殺した。
「もうダメだ……」
高出力での温熱療法と常時打診器に魔力を取られていたため、俺の魔力は足りなくなってきた。
俺のスキルはやはり戦闘向きではないのだ。
「ケント逃げるのじゃ!」
「えっ?」
コロポの叫びと同時に俺の後方から直径1m程度の火の玉が俺に向かって放たれた。
「はやく逃げるのじゃー!」
コロポの声は森の中に大きく響いていた。
「ケント急ぐのじゃ!」
「わかってる!」
急いでボスの元へ向かうが、元々の足の速さもあるため着くまでに時間がかかってしまう。
「ほんと仕方ないわね」
どこからか声がすると急に走るスピード速くなった。
チラッと後ろを振り向くと緑色の妖精が手を振っていた。以前池から強制進化の首輪を回収した時に手伝ってくれた妖精だろうか。
「緑の妖精さんありがとう!」
彼女はどこか照れ臭そうに笑っていた。
走る速度が速くなることで、だんだんと血のにおいが広がっていた。足元には血が飛び散っていたのだ。
「ボースー!」
「ウォーン!」
大きくボスの名前を呼ぶとすぐに返事が返ってきた。
声がした方に向かうとボスはオークと組み合っていた。
怪我はしているがどうにか無事のようだ。
「ボス退け」
ボスが後ろに下がったと同時に俺は指に魔力を込め温熱療法をオークに放った。
手からは直線上に炎が発射し、オークはその場で燃え、最後には魔石だけを残し灰になって消えた。
「ボス、ビー助大丈夫か?」
「クゥーン」
ボスはケントに顔を擦り付け、ビー助は八の字ダンスを踊っていた。
どちらも特に怪我はしてないようだ。
「こいつらなんなんだ」
ボスに会う前にも移動しているとオークと遭遇した。合流した先にも六体のオークがいた。
それでも二体はボスが倒し、一体は今消し炭にした。
「ボスは離れたやつから倒していけ、それまではこっちで引きつける」
俺の言葉にボスは首を振っていた。俺を心配しているのだろう。俺から離れようとしないのだ。
「みんないるから大丈夫だよ!」
ボスの頭を撫でると渋々俺から離れた。
俺は温熱療法を左右の指でオーク達を挟み込むように発動させた。
その炎に逃げるようにオークが動いたため一体のみ離すことができた。
そのまま焼き切れば良いが常に高出力の温熱療法を発動しないといけないため魔力がすぐに底をついてしまう。
ボスはオークの首元に向かって噛み付いた。
オークはボスを振り落とそうと必死に体を動かすが、ボスの顎の力は強く次第にオークは動かなくなった。
ボスは首元を噛みちぎっていた。うん、可愛いけど狼なんだと改めて認識した。
オーク達は炎が消えると即座に俺の方に向かってきた。
「打診器大きくなれ!」
異次元医療鞄から打診器を取り出し魔力を込めた。オーク達は驚き後退りした。
「知能があるのか?」
オークってそこまで知能がないはずだが……。
「ひょっとするとオークの上位種がいるかもしれないのじゃ」
俺はオークに向かってそのまま走り出した。
全力で打診器を振り回すと打診器に当たったオークはその衝撃で飛ばされた。
「ボス!」
「ガゥ!」
その瞬間をボスは見逃さなかった。オークの元へ走り首を噛み付いた。
それを繰り返してオークを倒すことができた。
「ボス大丈夫か?」
「ガゥ……」
どうやらボスも疲れたようだ。辺りには炭になったオークや首元を噛みちぎられたオーク達が倒れていた。
「よく頑張ったな」
「ケント気を抜くんではないのじゃ!」
コロポの声に俺は顔を上げると次から次へとオークが俺達を囲んでいた。
「まだいるのかよ……」
俺は立ち上がり打診器を構えると、後ろから大きな衝撃が与えられた。
「ケント!」
「ガゥ!」
急な衝撃に俺はそのまま倒れた。衝撃があったものの大きな傷はなく、倒れた俺を見てオーク達は笑っていた。
「オークメイジがいるのじゃ」
コロポは指差した方には大きな杖を持ったオークが立っていた。
オークメイジは稀に発生する個体で、唯一オークの中で生まれる雌だ。
オークは基本的に雄のみで構成され、多種族と交配することで生まれる変わった魔物だ。その中にも極稀に雌がいる。
雌がいるとその中で交配が繰り返されるため個体数は増え、さらに交配したオークの雄から魔力を貰うことができる。
だから普通のオークより知能が高いのだろう。
「オークメイジはそいつだけじゃないのじゃ」
しかも茂みにはオークメイジが三体も存在していた。
それだけいるということは、この森にはたくさんのオークが存在することになっている。
「とりあえず逃げるのじゃ!」
俺は温熱療法で道を開けようとするが、それに合わせてオークメイジが水属性魔法で相殺した。
「もうダメだ……」
高出力での温熱療法と常時打診器に魔力を取られていたため、俺の魔力は足りなくなってきた。
俺のスキルはやはり戦闘向きではないのだ。
「ケント逃げるのじゃ!」
「えっ?」
コロポの叫びと同時に俺の後方から直径1m程度の火の玉が俺に向かって放たれた。
「はやく逃げるのじゃー!」
コロポの声は森の中に大きく響いていた。
11
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!
幸之丞
ファンタジー
2023/11/22~11/23 女性向けホットランキング1位
2023/11/24 10:00 ファンタジーランキング1位 ありがとうございます。
「うわ~ 私を捨てないでー!」
声を出して私を捨てようとする父さんに叫ぼうとしました・・・
でも私は意識がはっきりしているけれど、体はまだ、生れて1週間くらいしか経っていないので
「ばぶ ばぶうう ばぶ だああ」
くらいにしか聞こえていないのね?
と思っていたけど ササッと 捨てられてしまいました~
誰か拾って~
私は、陽菜。数ヶ月前まで、日本で女子高生をしていました。
将来の為に良い大学に入学しようと塾にいっています。
塾の帰り道、車の事故に巻き込まれて、気づいてみたら何故か新しいお母さんのお腹の中。隣には姉妹もいる。そう双子なの。
私達が生まれたその後、私は魔力が少ないから、伯爵の娘として恥ずかしいとかで、捨てられた・・・
↑ここ冒頭
けれども、公爵家に拾われた。ああ 良かった・・・
そしてこれから私は捨てられないように、前世の記憶を使って知識チートで家族のため、公爵領にする人のために領地を豊かにします。
「この子ちょっとおかしいこと言ってるぞ」 と言われても、必殺 「女神様のお告げです。昨夜夢にでてきました」で大丈夫。
だって私には、愛と豊穣の女神様に愛されている証、聖女の紋章があるのです。
この物語は、魔法と剣の世界で主人公のエルーシアは魔法チートと知識チートで領地を豊かにするためにスライムや古竜と仲良くなって、お力をちょっと借りたりもします。
果たして、エルーシアは捨てられた本当の理由を知ることが出来るのか?
さあ! 物語が始まります。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる