220 / 281
第一章 外れスキル

220.進化

しおりを挟む
「うおおぉぉぉぉい」

 馬の速さは俺が思っているよりも想像を超えていた。その速度に体が後ろに持ってかれそうだ。

 ちなみにバトルホースを操作しているのはマルクスではなく、コロポとボスだった。

 俺はバトルホースに意思を伝えることはできるが、バトルホースの意思を読み取ることができないのだ。

 そのかわりにコロポとボスが会話をしている。

 そういえばなぜボスは魔物と会話ができるのだろうか。狼であれば狼同士のコミュニケーションはできそうだがバトルホースは完全に他種族だ。

 そもそも動物と魔物では異なる存在なのだ。

「なんでボスはバトルホースが言っていることがわかるんだ?」

 だから俺はコロポに聞いてみるとコロポは首を傾げていた。

「魔物同士は理性があれば話すことは可能だぞ?」

「ああ、そうなのか」

 どうやら魔物同士で共通言語かコミュニケーション方法があるようだ。

 ん……?

 俺は何かを聞き間違えたようだ。

「魔物同士ってどういうことだ? ボスは狼だよな?」

「いや、この間までは狼だったが今はウルフ系の魔物だぞ」

「うぇ!?」

 俺は驚きでバトルホースから落ちそうになった。

「おい、ケント大丈夫か?」

「はい……。マルクスさんはボスが魔物になったことを知っていますか?」

「ん? どういうことだ?」

「コロポが言うにはボスは魔物になったらしいです」

「へっ!?」

 普通はこういう反応が正しいと思う。

「動物から魔物になることは可能なのか?」

「あー、稀にそういうことが起きるのじゃ」

 コロポの話では動物も人間同様に魔力の器が広がることで動物から魔物に進化することが出来るらしい。

 確かに強制進化の首輪はその魔力の器を強制的に広げるものだ。バイオレンスベアーも元々は普通の熊だった。

 そう考えればボスが魔物になってもおかしくない。

 ただ一般的に魔物に進化する時に理性を失うことが多いため、ボスみたいに理性がしっかりした状態で進化するのは珍しい。

「それにしてもどこで進化したのだろう」

 コロポの話では魔力の器を広げないといけないはずだが、ボスは基本的に魔素が多いところにはおらず王都にいた。

「多分ビー助が協力しているはずじゃ。ビー助とボスはいつも一緒にいたからのう」

 コロポの一言で俺はすぐに理解した。魔力の容量を増やす物。

 それは"魔力蜜"の存在があった。

 ビー助がボスに渡していたらそこで魔力の容量を増やすことは可能なはずだ。

「例えばだけど人間が極端に魔力が増えたらどうなるの?」

「んー、それはわしではわからないのう。例えば精霊であれば大精霊になることもできるし、妖精も大妖精になることは可能なのじゃ」

 それを聞くだけでカタリーナの強さが既に違う領域にいることがわかる。

 それにしてもコロポが大妖精になったらどんな姿になるのだろう……。

 小さなおっさんから大きなおっさんに……。

「それはただのおじさんじゃねーかよ!」

「ふぉ! びっくりしたのじゃ」

 ついつい言葉に出てしまった。できれば俺はこのままコロポに進化しないで欲しいと願った。

 だって大きくなったおっさんと常に移動するなんて俺には無理だからな。
しおりを挟む
感想 120

あなたにおすすめの小説

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす

黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」 公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。 忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。 「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」 冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。 彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。 一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。 これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

処理中です...