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第一章 外れスキル
238.暴走馬車
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俺達は王都に向かうために準備を整えていた。他の冒険者達は先に帰り、俺達は馬車で戻るため片付けをしていたのだ。
「今回はガレインがいなかったらどうなっていたか……」
「そんなことないよ? みんなが居たから助けることができたし、セヴィオン兄さんの時なんてケントがいなかったら諦めていたよ」
「それでも諦めてないからすごいよ」
「気づいたらケントのペースに巻き込まれて人生が変わるもんな」
「私も今は外れスキルじゃないって胸を張って生きていけそうだよ」
前回、冒険者ギルドで怪我人を治療した時はまだ"弱い自分"という殻から出てこれなかったのだろう。
それが魔力不安定症の治療が成功したという偉業を成し遂げることによって自信に繋がった。
あの時のガレインは俺から見ても医師に感じたからな。
片付けを終えると待っていた馬車に近づいた。
「帰りもよろしく頼むな!」
俺はバトルホースに声をかけると頷いていた。
馬車に乗ろうと体の向きを変えようとするとどこか服が引っ張られているような気がした。
「ん?」
振り返るとそこには服の裾を噛みついたバトルホースがいた。
なぜか引っ張っているのだ。
「どうしたんだ?」
「ヒヒィン!」
バトルホースの声を訳すように胸ポケットにいるコロポが話しかけてきた。
「乗って欲しいと言っておるのじゃ」
「えっ? 今から馬車に乗るけど……」
「いや、バトルホースは自分の上に乗って欲しいと言っておるのじゃ」
流石に馬車を引っ張っているところの上に乗るのは難しいだろう。
どうしようか考えているとそんな様子を見ていた御者が声をかけてきた。
「よかったら馬車の操作方法を教えましょうか? その方がこの子も喜ぶと思うので」
こんな姿を見るのは御者も珍しいらしく、俺はついでに馬車の操作の仕方を教えてもらうことにした。
「では出発しましょうか」
荷物をまとめた俺達は王都に向けて出発した。
行きの時とは違い問題が解決した今はみんなが楽しそうに笑っていた。
「その先を右らしいぞ」
「ヒヒィーン!」
馬車の操作は思ったよりも簡単だった。
って言っても俺が声をかけるとその通りにバトルホースが動くのだ。
しかも楽しそうに走るから後ろの馬車からは必死に耐えている声が聞こえてくる。
次第に王都が見えてくるとさらにその勢いは増していた。
「おいおい、ゆっくり走ってくれよ!」
「ヒィヒヒヒ?」
「うぉーい!?」
何か勘違いしたのか、さらにバトルホースは速度を上げて走り出した。
「いやああああ!」
後ろからは叫び声が聞こえるが俺達は無事に王都に着いた。
今回も何事もなく依頼を終えることができた。正確に言えば命は何事もなく無事に終わったというところか。
実際は馬車に乗っていた子ども達は今にも吐き出しそうな真っ青な顔で馬車から降りてきた。
「今回はガレインがいなかったらどうなっていたか……」
「そんなことないよ? みんなが居たから助けることができたし、セヴィオン兄さんの時なんてケントがいなかったら諦めていたよ」
「それでも諦めてないからすごいよ」
「気づいたらケントのペースに巻き込まれて人生が変わるもんな」
「私も今は外れスキルじゃないって胸を張って生きていけそうだよ」
前回、冒険者ギルドで怪我人を治療した時はまだ"弱い自分"という殻から出てこれなかったのだろう。
それが魔力不安定症の治療が成功したという偉業を成し遂げることによって自信に繋がった。
あの時のガレインは俺から見ても医師に感じたからな。
片付けを終えると待っていた馬車に近づいた。
「帰りもよろしく頼むな!」
俺はバトルホースに声をかけると頷いていた。
馬車に乗ろうと体の向きを変えようとするとどこか服が引っ張られているような気がした。
「ん?」
振り返るとそこには服の裾を噛みついたバトルホースがいた。
なぜか引っ張っているのだ。
「どうしたんだ?」
「ヒヒィン!」
バトルホースの声を訳すように胸ポケットにいるコロポが話しかけてきた。
「乗って欲しいと言っておるのじゃ」
「えっ? 今から馬車に乗るけど……」
「いや、バトルホースは自分の上に乗って欲しいと言っておるのじゃ」
流石に馬車を引っ張っているところの上に乗るのは難しいだろう。
どうしようか考えているとそんな様子を見ていた御者が声をかけてきた。
「よかったら馬車の操作方法を教えましょうか? その方がこの子も喜ぶと思うので」
こんな姿を見るのは御者も珍しいらしく、俺はついでに馬車の操作の仕方を教えてもらうことにした。
「では出発しましょうか」
荷物をまとめた俺達は王都に向けて出発した。
行きの時とは違い問題が解決した今はみんなが楽しそうに笑っていた。
「その先を右らしいぞ」
「ヒヒィーン!」
馬車の操作は思ったよりも簡単だった。
って言っても俺が声をかけるとその通りにバトルホースが動くのだ。
しかも楽しそうに走るから後ろの馬車からは必死に耐えている声が聞こえてくる。
次第に王都が見えてくるとさらにその勢いは増していた。
「おいおい、ゆっくり走ってくれよ!」
「ヒィヒヒヒ?」
「うぉーい!?」
何か勘違いしたのか、さらにバトルホースは速度を上げて走り出した。
「いやああああ!」
後ろからは叫び声が聞こえるが俺達は無事に王都に着いた。
今回も何事もなく依頼を終えることができた。正確に言えば命は何事もなく無事に終わったというところか。
実際は馬車に乗っていた子ども達は今にも吐き出しそうな真っ青な顔で馬車から降りてきた。
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