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第一章 外れスキル

239.凱旋

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 王都に帰るとそこで何かが行われるのか入り口に人が集まっていた。

 俺は近くにいた人に声をかけることにした。

「こんなに集まってどうしたんですか?」

「王子達が私達の住む王都を守ってくれたんです」

「えっ?」

「私達は王都に住んでるのに魔物が攻め込んで来ていることも知らなかったのよ。奥さんは知ってました?」

「私も知らなくて昨日王都から逃げる準備をしろって話が来たのに、今日になって凱旋の準備をしろって……」

「貴族も人使いが荒いわね。私達のお金もどこで使われているかもわからないわね」

 どうやら俺達が帰ってくることを王都の人達は事前に聞いていたらしい。

 帰り道に冒険者達と会わなかったがどうしたのだろうか。

 俺が馬車に戻りその事実を伝えるとみんなは笑っていた。

「憶測だけど馬車のスピードが速くて追い越したんじゃない?」

 ガレインが言うことは確かに一理ある。でも流石に同じ道を通っていたらどこかで会うはずだ。

「ひょっとして王都に戻った時の道を使ってないか?」

「王都に戻った道……?」

 確かに俺はバトルホースに乗って戻った道を通ってきた。

「みんなが戻ってきたぞー!」

 そんな中入り口の門が大きく開くと、マルヴェインとセヴィオンを中心に列を作って帰ってきた。

「おいおい、本当になったな」

「ははは、ガレインが言った通りだね」

「俺達近道で戻ってきたってことか……」

 ガレインが言った通りどうやら追い越して先に帰ってきたらしい。

 あの馬車の揺れはバトルホースが早かったのもあったが、単純に険しい道を通ってきたから揺れていただけだった。

「マルヴェイン様ありがとうございます!」

「セヴィオン様ー!」

「騎士様! 魔法士様!」

 みんなを迎え入れるためにできた人の道は歓喜の声で溢れていた。

 やはり王族の二人は人気があるのか声をかけられるのは基本マルヴェインとセヴィオンだった。

 冒険者ってあまり目立たないから騎士団と魔法士団の後ろをついてきているだけだ。

「あれ? お前達なんで先に戻ってるんだ?」

「あはは、おかえりなさい」

 俺達を見つけてマルヴェインが声をかけてきた。

 つい笑って誤魔化すしかできない。

「ケントが道を間違えたからみんなより早く着いちゃったみたい」

「ぷっははは、現場ではしっかりしてるのにな」

「あの時感動した子もまだまだ子どもだってことですね」

 二人は大きな声を出して笑っていた。どうやら元気になったようだ。

 そのまま騎士団と魔法士団は城に戻るように帰って行った。

「じゃあ私も一緒に帰るよ!」

「おう、しっかり休めよ」

 ガレインも二人に続くように追いかけていった。

「じゃあ、俺達も帰ろうか」

「そうだな」

 この時俺は忘れていた異世界病院にあの大きな存在をそのまま放置していたことを……。

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