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第一章 外れスキル

271.ウホウホ

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 俺はぐったりとしているラルフに触れるとそのままスキルを発動させた。

 魔力をコントロールや制御ができるということは魔力を与えることができるのではないかと……。

 俺の手は次第に光るとそのままラルフに伝わって吸収された。

「これが魔力療法の本当の力ってことか」

「ラルフにはスキルが見えていたのか?」

「名前以外は読めていたよ。魔力も療法も良く見る文字だからな」

 どうやらラルフは名前以外のステータスは見えているらしい。

 そういえば俺がいつも画像投影で見せてもらうステータスは日本語表記されているからな。

 だからいつもラルフは自分で読まずに俺に渡していたんだと腑に落ちた。

 それでも一人で漢字を勉強していたと思うとラルフに脳筋と言ったのは申し訳ないと思った。

 だからあの時真剣に否定していたのだろう。

「それでどうやってあの魔法を防いだの?」

「あー、あれは――」

「わしの新しいスキルとケントのコラボレーションじゃ!」

「コラボ……レーション?」

 コロポの言葉にラルフは首を捻っていた。

「ああ、協力ってことだな」

「お主はまだまだケントのことを知らなすぎるのじゃ。わしとケントは仲良しこよしだからな」

「どこでそんな言葉を覚えたんだ?」

「出会った当初によく寝言で言っておったぞ? あの当社は泣いて帰りたいってよく言ってたのじゃ」

「……」

 どうやら俺は前世のことを思って泣いていたらしい。

 次第にラルフは魔力が回復されたのか立ち上がった。

「そういえばマルクスさんの腕は――」

 振り返るとそこには寝ている状態で手を上げているマルクスがいた。

「俺なら無事だぞ。腕が生えてびっくりしたぞ」

「えっ……? 本当に腕が生えてる」

「実は私も新しいスキルが使えるようになったんだ。全く使い方がわからなかったけど、今ここじゃないかと思ったら使えたよ」

 そう言っているガレインの顔はどこか疲れていた。

「俺の新鮮な魔力を食べさせてやるよ」

「そう言われるとなんか嫌だな……」

 俺はガレインにも触れて魔力を分け与えた。

「それでスキルってなんだったんだ?」

「私の新しいスキルは"再生医療"って名前だったかな」

「本当に規格外だな」

 再生医療ってもはや俺が知っている医療を超えている。

「ケントに言われたくないよ。あんな魔法に飛び込むやつなんてマルヴェイン兄さんぐらいだよ」

「あー、あのゴリラならやりそうだな」

「おい、ゴリラって俺のことか?」

 声がする方を見るとマルヴェインとハワードが駆けつけていた。

「ははは、散々寝ていたやつから聞こえた声は王子をゴリラと呼ぶ声か!」

「ちょ、ハワードさん!」

「ああ、ケントには後でお仕置きが必要だな」

 二人はニヤニヤして俺の方を見ていた。久しぶりに会った二人は俺のことを本当に心配していたのだろう。

「痛いですよー」

 俺の頭が禿げる勢いで撫でてきた。

「あいつらめ……私の力を奪って……」

 女は再び立ち上がり空中に浮くと魔法を展開した。

「お前全員消し炭にしてやる!」

「あとは俺達に任せておけばいいさ」

「そうそう、あとはゴリラがどうにかしてくれるって!」

「えっ!? 流石にあの人と俺だと相性悪いでしょ。当たったら魔力不安定症になるじゃないですか」

「一回なってるから大丈夫でしょ」

「はぁ……本当に鬼畜だな」

 俺はどこかでゴリラと飼育員のショーを見ているように感じた。


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