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第一章 少年との出会い
14.聖男、少年の変化に耳を疑う
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「みにゃと、今すぐにお風呂に入るよ!」
クローゼットの前で待っていると、突然現れたルシアンは僕の手を掴む。
「急に来てお風呂!?」
「あぁ、ずっと楽しみにしていたんだよ!」
どこか大きくなったルシアンに驚きながらも、今月も来てくれたことに嬉しくなった。
我が子が成長する喜びってこんな感じなんだろうか。
急に成長するから頭の整理が追いつかないけどね。
「ほらほら、みにゃとも服を脱ぐ!」
気づいた頃にはルシアンに服を脱がされていた。
「あっ、ルシアンは傷――」
「もちろんないよ!」
堂々と胸を張る姿は変わっていない。
ただ、体の傷はほとんど昔のものになり、新しく傷ができないことにホッとする。
「みにゃと、もう入っていい?」
「熱くないからゆっくり入ってね」
ルシアンは小さく頷くと、湯船の縁に両手をかけ、そっと足を入れる。
その瞬間、ルシアンの顔がぱっと明るくなった。
「ちょ……」
――ザバーン!
ルシアンは勢いよく入ってきた。
たくさんのお湯が溢れ出て、浴室にお湯が溜まっていく。
少し会わない間にヤンチャに成長したようだ。
「やっと一緒に入れたね」
「まさかこんなに成長しているとは思わなかったけどね」
「これでもまだ小さい方だよ?」
どうやらルシアンはこの世界に来ている影響で、成長が遅れているらしい。
それでも立ったときに、ルシアンの頭は俺のあごの先まで伸びていた。
海外の子どもも早熟って聞くから、決しておかしくはないのだろう。
「こうして一緒に入るとちょっと窮屈だね」
「それがいいもん!」
一人暮らしの湯船は決して広くない。
二人で入ると、肩と肩が触れ合うほどの距離だ。
家のお風呂に一緒に入るのも、今回の滞在が最後かもしれない。
次からは銭湯に行かないとね。
「はぁー、疲れが取れるね」
「くくく、ルシアンこっちに来たばかりだよね?」
どことなく言葉がおじさんみたいでつい笑ってしまう。
「色々大変だったんだよ」
ルシアンは向こうに戻ってからのことを話し出した。
「上のクズたちはとりあえず媚び売ればどうにかなったんだけどね。問題は二番目の兄さんなんだよ」
「……クズ?」
「あぁ……」
僕と目が合うと気まずそうに視線を逸らす。
この間までそんな言葉遣いはしていなかったから、一年の間に何かあったのかな?
友達付き合いまでは制限できないしね……。
「上二人のお兄様は――」
「前は兄上って呼んでなかった……っけ?」
「もう、いじわる!」
そう言ってルシアンは僕にもたれてくる。
少しだけ体つきも良くなったのか、湯の中なのに思ったよりも重たく感じた。
「とりあえず上のクズはみにゃとが教えてもらった通りでどうにかなったんだ」
「精神看護で勉強した時のかな?」
「どっちとも認めてあげたら、それから調子に乗って面白いんだよ」
「……」
どこか可愛かったルシアンがいなくなったような気がする。
これが成長ってやつだろう。
こっちの世界では一カ月しか経ってないが、ルシアンは一年経ってるもんね。
違和感を覚えてもおかしくない。
ただ、これならお留守番させても問題ない気がする。
「ルシアン、実は明日からお仕事に行かないとダメになったんだ」
「……なんだって!?」
ルシアンは立ち上がって、僕を抱きしめてくる。
ジーッと見つめる姿は初めて出会った幼い時と変わらない。
「置いてくの?」
「くっ……」
露骨に言われると胸に来るものがある。
本当は置いていきたくないし、一緒に遊びたいんだけどね。
「僕も働かないといけないからさ。休んでばかりだと、色々言われちゃうしね」
「そんなやつ殺しちぇばいいのに……」
一瞬、胸の奥がざわついた。
今の言葉は聞き間違えだろうか。
チラッとルシアンの顔を見ると、いつものように笑っていた。
「みにゃと、頭洗って!」
そう言って、ルシアンは湯船から勢いよく飛び出した。
「あっ……ああ」
きっと長い間湯船に浸かって話を聞いていたから、のぼせたんだろう。
ルシアンがそんなことを言うはずないもんね。
僕はシャンプーを手に取り、ルシアンの頭を洗うと、いつものように気持ちよさそうな顔をしていた。
大きくなっても、手がかかるのは変わらないね。
クローゼットの前で待っていると、突然現れたルシアンは僕の手を掴む。
「急に来てお風呂!?」
「あぁ、ずっと楽しみにしていたんだよ!」
どこか大きくなったルシアンに驚きながらも、今月も来てくれたことに嬉しくなった。
我が子が成長する喜びってこんな感じなんだろうか。
急に成長するから頭の整理が追いつかないけどね。
「ほらほら、みにゃとも服を脱ぐ!」
気づいた頃にはルシアンに服を脱がされていた。
「あっ、ルシアンは傷――」
「もちろんないよ!」
堂々と胸を張る姿は変わっていない。
ただ、体の傷はほとんど昔のものになり、新しく傷ができないことにホッとする。
「みにゃと、もう入っていい?」
「熱くないからゆっくり入ってね」
ルシアンは小さく頷くと、湯船の縁に両手をかけ、そっと足を入れる。
その瞬間、ルシアンの顔がぱっと明るくなった。
「ちょ……」
――ザバーン!
ルシアンは勢いよく入ってきた。
たくさんのお湯が溢れ出て、浴室にお湯が溜まっていく。
少し会わない間にヤンチャに成長したようだ。
「やっと一緒に入れたね」
「まさかこんなに成長しているとは思わなかったけどね」
「これでもまだ小さい方だよ?」
どうやらルシアンはこの世界に来ている影響で、成長が遅れているらしい。
それでも立ったときに、ルシアンの頭は俺のあごの先まで伸びていた。
海外の子どもも早熟って聞くから、決しておかしくはないのだろう。
「こうして一緒に入るとちょっと窮屈だね」
「それがいいもん!」
一人暮らしの湯船は決して広くない。
二人で入ると、肩と肩が触れ合うほどの距離だ。
家のお風呂に一緒に入るのも、今回の滞在が最後かもしれない。
次からは銭湯に行かないとね。
「はぁー、疲れが取れるね」
「くくく、ルシアンこっちに来たばかりだよね?」
どことなく言葉がおじさんみたいでつい笑ってしまう。
「色々大変だったんだよ」
ルシアンは向こうに戻ってからのことを話し出した。
「上のクズたちはとりあえず媚び売ればどうにかなったんだけどね。問題は二番目の兄さんなんだよ」
「……クズ?」
「あぁ……」
僕と目が合うと気まずそうに視線を逸らす。
この間までそんな言葉遣いはしていなかったから、一年の間に何かあったのかな?
友達付き合いまでは制限できないしね……。
「上二人のお兄様は――」
「前は兄上って呼んでなかった……っけ?」
「もう、いじわる!」
そう言ってルシアンは僕にもたれてくる。
少しだけ体つきも良くなったのか、湯の中なのに思ったよりも重たく感じた。
「とりあえず上のクズはみにゃとが教えてもらった通りでどうにかなったんだ」
「精神看護で勉強した時のかな?」
「どっちとも認めてあげたら、それから調子に乗って面白いんだよ」
「……」
どこか可愛かったルシアンがいなくなったような気がする。
これが成長ってやつだろう。
こっちの世界では一カ月しか経ってないが、ルシアンは一年経ってるもんね。
違和感を覚えてもおかしくない。
ただ、これならお留守番させても問題ない気がする。
「ルシアン、実は明日からお仕事に行かないとダメになったんだ」
「……なんだって!?」
ルシアンは立ち上がって、僕を抱きしめてくる。
ジーッと見つめる姿は初めて出会った幼い時と変わらない。
「置いてくの?」
「くっ……」
露骨に言われると胸に来るものがある。
本当は置いていきたくないし、一緒に遊びたいんだけどね。
「僕も働かないといけないからさ。休んでばかりだと、色々言われちゃうしね」
「そんなやつ殺しちぇばいいのに……」
一瞬、胸の奥がざわついた。
今の言葉は聞き間違えだろうか。
チラッとルシアンの顔を見ると、いつものように笑っていた。
「みにゃと、頭洗って!」
そう言って、ルシアンは湯船から勢いよく飛び出した。
「あっ……ああ」
きっと長い間湯船に浸かって話を聞いていたから、のぼせたんだろう。
ルシアンがそんなことを言うはずないもんね。
僕はシャンプーを手に取り、ルシアンの頭を洗うと、いつものように気持ちよさそうな顔をしていた。
大きくなっても、手がかかるのは変わらないね。
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