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今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです!
担当さんと思えば初めてこんなに深い話をしました。(side ハヅキ)
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やっと気づいたこと。
人生は繰り返しなんかじゃない。
人も人生も「それっきり」で「かけがえがない」、「唯一無二」のもの。
死んでも「次があるや~」もないし、「今度はちゃんとしよう」もない。
人生は「ちゃんとする」ガイドラインなんてなくって、人は死ぬまで必死に‥その人なりに頑張って生きていかなければいけない。
やり残しを次の人生で補うことも出来ないし、「もういいや」ってリセットすることも出来ない。(← それは、まあ流石にあたしも出来ないのだが)
普通の人なら、それは常識で「気付く」とかの話じゃない。
あたしだから‥あたしたちだから、「今更」気付いた。
あたしたちってさ、やっぱり、普通の人間とは全然違うと思う。「普通なら当たり前に知ってること」だって知らなかったり、「普通とはちょっと違うところ」もあるかもしれない、だけど、そのことにすら気付かない。だから、普通の人間と一緒に生活して学ぶしかない。教えてもらう、じゃない。その身をもって知る、だ。失敗だっていっぱいあるだろう(だって、普通の人間じゃないんだからね)だけど、その都度落ち込んでられない。(転生を繰り返す)時間はあるけど、「無駄にしている」時間はないから。傷ついて立ち止まらない、誰かを恨まない、落ち込んで塞ぎ込まない。「だめだったか~! まあいっか! 次! 気持ち切り替えていこう! 」っていうポジティブな思考で前向きに頑張っていく‥。
逆に言えば「その程度」でいい。
神様が最終的に作りたいのは「完璧で正しい‥「ちゃんとした」人間」じゃなくて、ごく「普通」でだけど、丈夫な人間だから。
神様だってね、自分が一生懸命作った魂が自分の手で生涯を終えちゃうのはきっと見たくないと思う。(多分ね)
練習用の、繰り返しがきく魂。(だけど)たった一度しかない人生。
思えば今までの人生、繰り返して転生して来たけど、一度たりとも同じ人生なんてなかった。
(今更)ちょっともったいないことしてきちゃったかな、なんて。
生きてる全てが素晴らしくって、生きてることってホントに特別なこと。
だけど、
人は死ぬ。
そのことも、‥改めて実感した。
死ぬのが怖い、悲しいってことも‥。
「でも、オズワルドさんは死なないって約束してくれた」
ホントは無理だけど、無理だって普通に理解できるけど、
でも「ひとは」それを聞きたがる。「ずっと好きって言って」「変わらないよって言って」‥永遠を自分以外の誰かの口から聞かないと安心できない。
「そんなわけないって分かってるけど、聞きたい。聞かずにいられない。聞かないと‥安心できない」
夜、自分の部屋のデスクでそんなことを考えた。
女の子の部屋だっていうのに、装飾の少ないシンプルな部屋だ。
両親が(たった一人の娘の為に)用意してくれた可愛いソファーやローテーブルは邪魔だから物置に移動させた。大きなドレッサーもかさばるからシンプルなものに変えてもらった。そして出来たスペースに本棚を置いて、大きな作業机(ハヅキはディスクと呼んでいる)を置いた。
大きなスペースは魔法陣を書いた大型の紙を拡げるため。
作業用の椅子は爆発した際にすぐ逃げられるように背もたれがない丸椅子。驚くほど座り心地が悪のは寝てしまわないため。
アイデアを出すためにならいいけど、この机(と椅子)は驚くほど、考えごとには向いていない。
あと、あれだ。
ラブレターとかを書くのにも向いてないネ。
ゆったりした気持ちにならないし、あと‥「キャーカッコイイ! 」とか悶えたら椅子から転げ落ちこと確定だからね。
ロマンチックな気持ち、半減だよ。
ああいうのってサ、ゆったりフワフワした背もたれにもたれながら考えたいじゃない?
もうがむしゃらに仕事の為だけに生きていくわけじゃないから、「そういう椅子」の一つ導入してもいいかもネ。
それはまあ‥アレとしてもだ。考え事に向いてないってのは、大人としてよくないよね。
人生について、だとか、将来設計とか、結婚について‥とか。
仕事のこと以外にも悩むべきことはいっぱいあるんだ‥。
オズワルドさんは人生一回目ってか‥人生一回しか生きてないのに、あたしより色んなことを考えている。
自分の進路とか、死んだ時のこととか。
死やら、「永遠なんてない」っていう世界の真理。
人生は一度きり。
永遠なんてない。
人は死ぬ。
だけど‥
愛って素晴らしいし、何よりイケメンは素晴らしい。
ホント、オズワルドさんってイケメン~!! そんなイケメンがあたしの恋人とか‥最高!!
ベッドに飛び込んで、きゃ~って転げまわった。
今のあたしは傍から見たら、ホント馬鹿みたいだっただろう。
でも、すごく楽しかったから‥「まあいいじゃん? 許してよ」ってこころの中で担当さんに話し掛けた。
あとね。担当さん。
もう、大丈夫だよ。あたしはちゃんと元気に、楽しくやってるよ?
過去なんて、所詮過去で、あたしは今をちゃんと生きてるよ。
そんなことを一所懸命話し掛けていたら、そのまま寝てしまい‥
その夜、あたしは久しぶりに担当さんの夢を見た。
担当さんは、あたしを見て、泣きそうな顔で笑って、抱きしめてくれた。
ぎゅってあたしを抱きしめながら、ボロボロボロボロ涙を流し続けた。
この人って、涙もろい‥イイ奴だよな~。
なんか担当さんの涙でぐっしょりになりながらあたしは思った。
暫くして、落ち着いた(といっても、まだグスグス泣いてるけどね)担当さんと座って話した。(もちろん、夢の中で、だ)
担当さんは、
「最後の転生、転生先の準備してあげられなくてゴメンなあ‥。俺‥」
ってあたしに謝ってる。謝ってるっていうか‥傷ついてる。
「大丈夫だよ。ここは‥凄くいい世界だよ」
あたしが担当さんの頭をなぜると、担当さんが吃驚した顔をした。あ、びっくりしたらホントに、涙ってとまることあるんだ。
「何?? どうしたの?? ハヅキ」
何? そっちこそ何に驚いたの??
あたしが目を見開いて首を傾げると、
「いや‥ハヅキに撫ぜられたことに、ちょっとびっくりしちゃった」
って担当さんが苦笑いした。
ああそうね? こんなことしたこと、なかったもんね。驚いちゃったよネ?
「ねえ、担当さん。
あたしは、担当さんにとっては頼りない存在かもしれないけど、でも、担当さんが思う程‥弱弱しいわけじゃないと思う。
担当さんはあたしに対して負い目を感じているのはなぜだろう? 多分、きっと担当さんが思ってるほどあたしは落ち込んでないこととかあると思う。
‥今日はそんな話をしませんか? 」
お茶でも飲みながら。って言ったら、目の前にテーブルとシンプルなティーセットが現れた。
流石夢って感じだ。
「まず‥クリスのこと」
「クリスさん? ああ、今回思い出した。アレはないな、って思ったけど、別にそれ程気にならなかったよ。別に結婚詐欺にあったわけでもないし」
「詐欺一歩手前や! あんのやろう。ハヅキの心を弄びやがって」
ぷんすか怒りながら担当さんが目の前のお茶を飲んで、マドレーヌを二つも三つも口に放り込んだ。
‥のどに詰まりますよ。
あたしは苦笑いだ。
「次の人生は‥あれは運営側が悪い! 俺はハヅキの好きな顔で、ハヅキが一番美人って言われる世界にハヅキを転生させてあげたいって思ってたのに! 」
確かに、「あたしの好きな顔」にしてくれていた。だけど、運営の手違いで、その顔が「その世界」では醜い判定をされている世界に転生させらた。
「そうだったんですね? でもなんで‥? 」
何であたしを甘やかしてくれようって思ったんですか?
「今まで「自分の顔が綺麗だから」って思いあがった性格にならないように、あえて美人と評価されるような顔にはしてこなかった。それは理解してるよね? 」
担当さんがマドレーヌをお茶で流し込みながらあたしを見た。‥案の定喉に詰まったみたいだ。(だけど‥その顔であたしを見ないで、笑っちゃうから‥)あたしはこっそり‥笑いを飲み込むために、お茶を飲んだ。
「はい。
あと、「人の痛みを知る人間になって欲しい」みたいな想いが込められてたんでしたっけ? 」
あたしが聞くと担当さんがうなづいて
「でも、それがききすぎて‥君の自己評価が下がり過ぎたんだ。
だから‥クリスにあんな扱いされても君は怒らなかった。怒るべき時だったのに。その時‥俺は‥君に少しは自信を持ってもらいたいって思ったんだ。そのために、君が綺麗って言われる世界に生まれてもらいたかった。‥なのに」
でも、あたしのことを綺麗という世界には生まれなかった。そして、更にあたしは傷付く結果になった。
「確かにあの時、あたしは傷付きましたね。
だけど‥「醜い」扱いされたからってことじゃないですね。あたしはもうその扱いには慣れてますから」
「慣れるな! 」
「そうじゃなく‥あたしの好きな顔になれたのに、なのに、醜い扱いされたことにショックを受けたんです。今までもあの顔が醜い判定されてる国はあったけど‥実際に自分があの顔になって‥醜いって扱いをされたときは‥更に落ち込みましたね」
今までの比じゃなかった。
ええ!? 皆正気!? この顔だよ!? 目、おかしいの?! ああ、‥美醜感覚が違うのか‥。
そうか~それは仕方がないね。
そう思い込んだ。
そして、騎士さんに‥あの瀕死の騎士さんに会った。あの人はいい人だった。あたしを見て、一目で「醜い! 」って思っただろうってことはすぐ分かった。だけど、あたしが落ち込んだのは‥騎士さんが「醜い! 」って思ってしまったことに対して罪悪感を感じたらしいってことだ。
‥この、顔も心も美しい人にそんな気持ちを持たせてしまってすみません。
そして、その「醜い! 」って思われてしまったらしいあたしの顔はあたしの最も大好きな顔っていうね‥?
そのことについても担当さんに話した。
もうさ、全部言っちゃったほうがいいかなって。あたしが転生を続けて来た時の証しだもんね。
全部知ってもらいたい。
「ごめんな‥ハヅキ。そやから‥俺は‥最後はちゃんと‥ハヅキの願い通りの世界に転生させてあげたかったのに! 神様が間違って、「この顔(今のハヅキの顔)」がハヅキの理想とする顔やって思っちゃったみたいでな‥
でもな
その世界は間違いなく、ハヅキの顔がその世界で一番の美人って言われる世界や。
ハヅキ的に言わせたら「テンション上がらん」かもしれへんけど‥最高の美女生活を送ってくれたらなって‥思う。
俺は‥ちょっとでも、ハヅキに自信持ってもらいたいんや‥」
担当さん。一生懸命謝りながら一生懸命頼んでる。
‥なんかおかしいの。
でも、
ありがとう担当さん。
あたしを、間違いなく一番大事に思ってくれる人。
「ありがと。‥うん、‥頑張ってみる」
そう微笑んだ瞬間、目が覚めた。
‥どう頑張ればいいか分からんが、これからは、あたしなりに「自分を卑下しすぎることなく」生きようと思う。
人生は繰り返しなんかじゃない。
人も人生も「それっきり」で「かけがえがない」、「唯一無二」のもの。
死んでも「次があるや~」もないし、「今度はちゃんとしよう」もない。
人生は「ちゃんとする」ガイドラインなんてなくって、人は死ぬまで必死に‥その人なりに頑張って生きていかなければいけない。
やり残しを次の人生で補うことも出来ないし、「もういいや」ってリセットすることも出来ない。(← それは、まあ流石にあたしも出来ないのだが)
普通の人なら、それは常識で「気付く」とかの話じゃない。
あたしだから‥あたしたちだから、「今更」気付いた。
あたしたちってさ、やっぱり、普通の人間とは全然違うと思う。「普通なら当たり前に知ってること」だって知らなかったり、「普通とはちょっと違うところ」もあるかもしれない、だけど、そのことにすら気付かない。だから、普通の人間と一緒に生活して学ぶしかない。教えてもらう、じゃない。その身をもって知る、だ。失敗だっていっぱいあるだろう(だって、普通の人間じゃないんだからね)だけど、その都度落ち込んでられない。(転生を繰り返す)時間はあるけど、「無駄にしている」時間はないから。傷ついて立ち止まらない、誰かを恨まない、落ち込んで塞ぎ込まない。「だめだったか~! まあいっか! 次! 気持ち切り替えていこう! 」っていうポジティブな思考で前向きに頑張っていく‥。
逆に言えば「その程度」でいい。
神様が最終的に作りたいのは「完璧で正しい‥「ちゃんとした」人間」じゃなくて、ごく「普通」でだけど、丈夫な人間だから。
神様だってね、自分が一生懸命作った魂が自分の手で生涯を終えちゃうのはきっと見たくないと思う。(多分ね)
練習用の、繰り返しがきく魂。(だけど)たった一度しかない人生。
思えば今までの人生、繰り返して転生して来たけど、一度たりとも同じ人生なんてなかった。
(今更)ちょっともったいないことしてきちゃったかな、なんて。
生きてる全てが素晴らしくって、生きてることってホントに特別なこと。
だけど、
人は死ぬ。
そのことも、‥改めて実感した。
死ぬのが怖い、悲しいってことも‥。
「でも、オズワルドさんは死なないって約束してくれた」
ホントは無理だけど、無理だって普通に理解できるけど、
でも「ひとは」それを聞きたがる。「ずっと好きって言って」「変わらないよって言って」‥永遠を自分以外の誰かの口から聞かないと安心できない。
「そんなわけないって分かってるけど、聞きたい。聞かずにいられない。聞かないと‥安心できない」
夜、自分の部屋のデスクでそんなことを考えた。
女の子の部屋だっていうのに、装飾の少ないシンプルな部屋だ。
両親が(たった一人の娘の為に)用意してくれた可愛いソファーやローテーブルは邪魔だから物置に移動させた。大きなドレッサーもかさばるからシンプルなものに変えてもらった。そして出来たスペースに本棚を置いて、大きな作業机(ハヅキはディスクと呼んでいる)を置いた。
大きなスペースは魔法陣を書いた大型の紙を拡げるため。
作業用の椅子は爆発した際にすぐ逃げられるように背もたれがない丸椅子。驚くほど座り心地が悪のは寝てしまわないため。
アイデアを出すためにならいいけど、この机(と椅子)は驚くほど、考えごとには向いていない。
あと、あれだ。
ラブレターとかを書くのにも向いてないネ。
ゆったりした気持ちにならないし、あと‥「キャーカッコイイ! 」とか悶えたら椅子から転げ落ちこと確定だからね。
ロマンチックな気持ち、半減だよ。
ああいうのってサ、ゆったりフワフワした背もたれにもたれながら考えたいじゃない?
もうがむしゃらに仕事の為だけに生きていくわけじゃないから、「そういう椅子」の一つ導入してもいいかもネ。
それはまあ‥アレとしてもだ。考え事に向いてないってのは、大人としてよくないよね。
人生について、だとか、将来設計とか、結婚について‥とか。
仕事のこと以外にも悩むべきことはいっぱいあるんだ‥。
オズワルドさんは人生一回目ってか‥人生一回しか生きてないのに、あたしより色んなことを考えている。
自分の進路とか、死んだ時のこととか。
死やら、「永遠なんてない」っていう世界の真理。
人生は一度きり。
永遠なんてない。
人は死ぬ。
だけど‥
愛って素晴らしいし、何よりイケメンは素晴らしい。
ホント、オズワルドさんってイケメン~!! そんなイケメンがあたしの恋人とか‥最高!!
ベッドに飛び込んで、きゃ~って転げまわった。
今のあたしは傍から見たら、ホント馬鹿みたいだっただろう。
でも、すごく楽しかったから‥「まあいいじゃん? 許してよ」ってこころの中で担当さんに話し掛けた。
あとね。担当さん。
もう、大丈夫だよ。あたしはちゃんと元気に、楽しくやってるよ?
過去なんて、所詮過去で、あたしは今をちゃんと生きてるよ。
そんなことを一所懸命話し掛けていたら、そのまま寝てしまい‥
その夜、あたしは久しぶりに担当さんの夢を見た。
担当さんは、あたしを見て、泣きそうな顔で笑って、抱きしめてくれた。
ぎゅってあたしを抱きしめながら、ボロボロボロボロ涙を流し続けた。
この人って、涙もろい‥イイ奴だよな~。
なんか担当さんの涙でぐっしょりになりながらあたしは思った。
暫くして、落ち着いた(といっても、まだグスグス泣いてるけどね)担当さんと座って話した。(もちろん、夢の中で、だ)
担当さんは、
「最後の転生、転生先の準備してあげられなくてゴメンなあ‥。俺‥」
ってあたしに謝ってる。謝ってるっていうか‥傷ついてる。
「大丈夫だよ。ここは‥凄くいい世界だよ」
あたしが担当さんの頭をなぜると、担当さんが吃驚した顔をした。あ、びっくりしたらホントに、涙ってとまることあるんだ。
「何?? どうしたの?? ハヅキ」
何? そっちこそ何に驚いたの??
あたしが目を見開いて首を傾げると、
「いや‥ハヅキに撫ぜられたことに、ちょっとびっくりしちゃった」
って担当さんが苦笑いした。
ああそうね? こんなことしたこと、なかったもんね。驚いちゃったよネ?
「ねえ、担当さん。
あたしは、担当さんにとっては頼りない存在かもしれないけど、でも、担当さんが思う程‥弱弱しいわけじゃないと思う。
担当さんはあたしに対して負い目を感じているのはなぜだろう? 多分、きっと担当さんが思ってるほどあたしは落ち込んでないこととかあると思う。
‥今日はそんな話をしませんか? 」
お茶でも飲みながら。って言ったら、目の前にテーブルとシンプルなティーセットが現れた。
流石夢って感じだ。
「まず‥クリスのこと」
「クリスさん? ああ、今回思い出した。アレはないな、って思ったけど、別にそれ程気にならなかったよ。別に結婚詐欺にあったわけでもないし」
「詐欺一歩手前や! あんのやろう。ハヅキの心を弄びやがって」
ぷんすか怒りながら担当さんが目の前のお茶を飲んで、マドレーヌを二つも三つも口に放り込んだ。
‥のどに詰まりますよ。
あたしは苦笑いだ。
「次の人生は‥あれは運営側が悪い! 俺はハヅキの好きな顔で、ハヅキが一番美人って言われる世界にハヅキを転生させてあげたいって思ってたのに! 」
確かに、「あたしの好きな顔」にしてくれていた。だけど、運営の手違いで、その顔が「その世界」では醜い判定をされている世界に転生させらた。
「そうだったんですね? でもなんで‥? 」
何であたしを甘やかしてくれようって思ったんですか?
「今まで「自分の顔が綺麗だから」って思いあがった性格にならないように、あえて美人と評価されるような顔にはしてこなかった。それは理解してるよね? 」
担当さんがマドレーヌをお茶で流し込みながらあたしを見た。‥案の定喉に詰まったみたいだ。(だけど‥その顔であたしを見ないで、笑っちゃうから‥)あたしはこっそり‥笑いを飲み込むために、お茶を飲んだ。
「はい。
あと、「人の痛みを知る人間になって欲しい」みたいな想いが込められてたんでしたっけ? 」
あたしが聞くと担当さんがうなづいて
「でも、それがききすぎて‥君の自己評価が下がり過ぎたんだ。
だから‥クリスにあんな扱いされても君は怒らなかった。怒るべき時だったのに。その時‥俺は‥君に少しは自信を持ってもらいたいって思ったんだ。そのために、君が綺麗って言われる世界に生まれてもらいたかった。‥なのに」
でも、あたしのことを綺麗という世界には生まれなかった。そして、更にあたしは傷付く結果になった。
「確かにあの時、あたしは傷付きましたね。
だけど‥「醜い」扱いされたからってことじゃないですね。あたしはもうその扱いには慣れてますから」
「慣れるな! 」
「そうじゃなく‥あたしの好きな顔になれたのに、なのに、醜い扱いされたことにショックを受けたんです。今までもあの顔が醜い判定されてる国はあったけど‥実際に自分があの顔になって‥醜いって扱いをされたときは‥更に落ち込みましたね」
今までの比じゃなかった。
ええ!? 皆正気!? この顔だよ!? 目、おかしいの?! ああ、‥美醜感覚が違うのか‥。
そうか~それは仕方がないね。
そう思い込んだ。
そして、騎士さんに‥あの瀕死の騎士さんに会った。あの人はいい人だった。あたしを見て、一目で「醜い! 」って思っただろうってことはすぐ分かった。だけど、あたしが落ち込んだのは‥騎士さんが「醜い! 」って思ってしまったことに対して罪悪感を感じたらしいってことだ。
‥この、顔も心も美しい人にそんな気持ちを持たせてしまってすみません。
そして、その「醜い! 」って思われてしまったらしいあたしの顔はあたしの最も大好きな顔っていうね‥?
そのことについても担当さんに話した。
もうさ、全部言っちゃったほうがいいかなって。あたしが転生を続けて来た時の証しだもんね。
全部知ってもらいたい。
「ごめんな‥ハヅキ。そやから‥俺は‥最後はちゃんと‥ハヅキの願い通りの世界に転生させてあげたかったのに! 神様が間違って、「この顔(今のハヅキの顔)」がハヅキの理想とする顔やって思っちゃったみたいでな‥
でもな
その世界は間違いなく、ハヅキの顔がその世界で一番の美人って言われる世界や。
ハヅキ的に言わせたら「テンション上がらん」かもしれへんけど‥最高の美女生活を送ってくれたらなって‥思う。
俺は‥ちょっとでも、ハヅキに自信持ってもらいたいんや‥」
担当さん。一生懸命謝りながら一生懸命頼んでる。
‥なんかおかしいの。
でも、
ありがとう担当さん。
あたしを、間違いなく一番大事に思ってくれる人。
「ありがと。‥うん、‥頑張ってみる」
そう微笑んだ瞬間、目が覚めた。
‥どう頑張ればいいか分からんが、これからは、あたしなりに「自分を卑下しすぎることなく」生きようと思う。
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