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今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです!
ウエディング革命を起こすんです。
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ハヅキは「真っ白なウエディングドレスがいい! 」って言ってた。「どういうデザインになるのか当日のお楽しみにしておいて! 」とも。すごくうれしそうな顔で。あと、ベールはハヅキの母さんのお手製だとも言ってたっけ。「あたし直伝のレース編み。お母さんハマっちゃってあたしのベールを作り終えた後も色んなもの作ってた」って笑うハヅキはホントに嬉しそうで、ロアル&ロウ、独身男コンビにはちょっと眩し過ぎたみたい。ちょっと目に涙を浮かべて
「ハヅキ‥おめでとう幸せになれよ」
とだけ言った。後は言葉にならなかったみたい。
二人とも「あ~あ、振られちゃったな」は「冗談交じりにも」言えなかった。
‥冗談にするには、ちょっとマジすぎたから。
二人はその後しこたまお酒を飲んで、翌日教会の治療師に蔑まれながら「二日酔い治療」を受けていた。
「あ~あ、治療師がなっさけないの‥」
って情けない声で言ったロウの肩をロアルが黙って叩いた。
当日、
式場はハヅキの勤務先。
衣装についてはヨハネにも報告済みだ。
時間軸としては、結婚式一週間前、『ハヅキがドレスについてロアル&ロウに報告して、幸せオーラ振りまいた』後、『ロアル&ロウの二人がやけ酒を飲む』前っていう時間位。
「白い装束ですか」
ハヅキから「我儘を聞いてください」って前置きの後に報告を受けたヨハネはちょっと眉を寄せた。
というのも、この国の結婚式のウエディングドレスとして白というのは珍しいらしい。だけど、別に(宗教的や習慣的に)ダメってこともないからハヅキの希望が通ったのだ。
「宗教的にダメってことはないけど‥いいわけでもないよな。気分的に」
同じ部屋にいた、教会ナンバーツー・ダンが首を傾げた。
「白って‥死に装束のイメージがあるのは確かだよな‥」
あくまで「この国の話」だ。世界の常識とかじゃない。
この国では、「死んだ魂が、真っ白になって‥今までのしがらみやなんかを忘れて‥幸せな来世に生まれ変われますように」って意味で、ご遺体に真っ白な衣装(柄なし)を着せる風習があるのだ。棺桶に入れる花も白onlyだ。今はそこまで厳しくなくなったけど、昔は白い花の花びらだけをいれたらしい。
つまり、白=死に装束ってイメージがつよい、と。
「でも、貴族のご令嬢のデヴュタントは白いドレスを着ますよ」
貴族のロアルがふふっと笑うと、ロウが「そうなの? 」と首を傾げた。庶民のロウにはデヴュタントとか関係ないから関心もなさそうだ。
ロアルは貴族だからそういうのを知ってはいるが、別に詳しいわけではない。女の子の服だってまじまじみたことすらない。挨拶して、ちょっと知り合いと話して帰るくらいだ。
だから、ロアルは今も独身。
因みに、貴族のご令嬢のデビュタントのドレスは同じ白でも「装飾たっぷり」「レースだのフリルだのたっぷり」だ。アクセサリーの色の指定はないが、皆「白に合わせて」とダイアモンドをたっぷり使用する。真珠は「ちょっと地味かも‥」ってデビュタントの若者は好んで使わない傾向だったけど、この度美人と有名なご令嬢が桃色のパールを上品に装飾に利用して流行したらしい。
所謂インフルエンサーって奴だね。
「でもあれは‥死に装束っぽくはなかったなそういえば」
「そりゃね」
苦笑いハヅキ。
もっとも、勉強ばっかりしてたハヅキも貴族らしい社交なんかしてこなかったし、同じく貴族であるオズワルドも一切してこなかった(と、以前聞いたことがある)。
騎士だし‥それは関係なく、人の嫌悪の目にさらされるのは、嫌じゃない? ってことだろう。
「ここから始まりなんだ、って意味です」
「始まり‥ねえ」
苦笑いしてコールが言った。コールも最後まで「白は‥やめた方がいいんじゃない? 」って反対した一人だった。
「知り合いばかりですから‥悪い様には言わないでしょう。事前に「本人の意思で」と伝えておきましょう。じゃないと「結婚はいわば、人生の墓場です」って言ってると思われてもいけない」
と、冗談なのか本気なのか分からない口調で言った。
‥冗談なんだよね??
「特に、「二人は本当に愛し合っている恋愛結婚です」ということは先に伝えておいた方がいいな。ハヅキさんの知り合いでオズワルドの顔を知らない人たちも来るかもしれない。オズワルドの顔を見て、「この人と結婚するなんて死んだようなもの(だから白い服着てるんだね‥)」みたいに見られたら困るからな」
って結構真顔で言ったのは、オズワルドの悪友・カイト
「もう、洒落にならない冗談はやめたげて」
同じくオズワルドの友人・ランドルフが苦笑いする。
この二人、カイトの方が口も悪いんだけど、ランドルフの方が「クセモノ」だ。ニコニコと、いつも人のいい笑顔を浮かべているけど、なかなかどうして、強かなところもある。(甘いマスクに寄ってくるオネーサンも「来るもの拒まず」だぞ! だけど「面倒ごと」はサラッと回避してるところとか‥侮れない)
口ではこんなこと言ってるけど、二人はこの結婚をこころから喜んでいる。
『でも‥確かにそれはそうかも‥』
ハヅキの同僚・ロウは皆苦笑いした。
「無難な色にしてたらこんな苦労はなかったよな。全くハヅキの奴‥いつもは服に興味なんてないのに」
皆と一緒ってのがやっぱり一番無難だし、「安心」「安全」なんだ。それなのにわざわざ面倒臭いことして‥。
ロウは結構こういう「事なかれ主義」なところがある。
『平凡、無難が人生生きる上で一番安心安全なのよ。結局ね。平民は余計にね』
がロウの信条だ。そういうのはロウの日頃の行動全部に見て取れて、ハヅキはちょっと不満だった。(勿論何も言わないけどね。‥だって、言えないでしょ? )
だけど、ホント不満なんだ。
それは、そしてロウだけのことじゃない。この国の人たち、みんな多かれ少なかれ「そういうところ」がある。
『それが良くないのよネ』
ハヅキは心の中でコッソリため息をついた。
あたしは‥そんな世の中にちょっと反抗したい! (ホントにほんのちょっとだが! )
皆に見向きもされてこなかった白いドレスに脚光を!!
そして、ハヅキは自らの「何故か手に覚え込んでいる」裁縫テクを総動員して、刺繍&レースたっぷりの上品な白いドレスを作り上げたのだった。
デビュタントのドレスとは違う「可愛らしくない」そして、勿論死に装束とは全く違う大人っぽい上品な真っ白なドレス。それを結婚式という人生の最も「晴れやかで」「喜ばしい」場面で着る。まさに革命である。
勿論この世の中にはまだないものだ。そして、誰も作ってくれないから(説明する自信がないし、自分でやった方が早いからね)、自分で創る。
凄いよ!! 何故か手がするする動く! あたし‥もしかして天才!?
型紙からして「シロウトの仕事じゃない」って感じで、皆「いつの間にハヅキ様はそんな知識を‥? どこでその技術を? 」って驚いてたみたい。まあ‥ハヅキ自身も「え?? 何でだろ?? なんとなく?? 」って感じで分かってなかったんだけどね。
因みに、「当日のお楽しみ」にしたかったから、ハヅキの工房(笑)に出入りしたのは職人さんだけ。知り合い身内は「ごめんなさい。ご遠慮ください」ってお断りした。
人数と日数が足りないし、何より「プランはハヅキの頭の中にしかない」状態だから大変だった。普通なら採寸の後、「ふわっとした希望を言って」職人さんがデザイン画を描いてくれて→その中から選ぶって感じだけど、今回はそれが出来ない。職人さんにハヅキがデザイン画(残念ながらハヅキは絵心が無いので、職人さんが聞き取りながらデザイン画を描いてくれた。→ハヅキが「そうそうこれ」ってなった後で通常の話合い。だけど、見たことないデザインだから、何回か試作して→型紙を作って、布を裁断して、仮縫い、本縫い。仕上げのレースや刺繍の指示もハヅキがした。このレースも刺繡もまた「こんな斬新な刺繍! 」って驚かれたわけなんだけど、その辺りは言ってたらキリがないからここでは割愛する。
出来上がったこの世で一つだけ、唯一無二の「ハヅキオリジナルドレス」。
首元、ウエスト周り、胸元はシンプルに。だけど、スカート部分のひざ下あたりからはふわりとボリューミーに。パニエでドレスを膨らまさずに、たっぷりの布でボリュームを出す。所謂マーメードラインみたいな感じ。(勿論、ハヅキたちはその名前を知らないんだけど)この世界のドレスといったら「プリンセスライン」みたいな下半身がボリューミーで華やかで「可愛い」タイプが多かったから、これは随分斬新なタイプともいえる。
目指すは、「可愛くなり過ぎない」シンプルで洗礼された大人のライン。
だけど、シルエットをシンプルに仕上げた分、地味になり過ぎないように刺繍と宝石で装飾してエレガンスにそして華やかに仕上げたい。だけど、やり過ぎてもっさりするのは避けたい。
ああだこうだと議論しながら、ハヅキたちはもう憑りつかれたようにドレスを作った。勿論本職(治療師)だって疎かにしないで、だ。(で、案の定無理がたたってまた倒れて母親に激怒される)激怒したけど‥「まあ‥気持はわかるから」って苦笑いされた。(勿論一日ガッツリ部屋に監禁されたが)
そして、なんといっても「ハヅキ様の美貌! この美貌無くしてこのドレスは着こなせません‥」と職人たちはうっとりとした顔をしてハヅキを絶賛していた。
「勿論オズワルドさんもお揃いで。ええ~もう、カッコイイしかなくない!? オズワルドさんが素敵過ぎて皆オズワルドさんに釘付けになっちゃって‥それは嬉しいけど、ライバルが増えるのは嫌だなあ‥」
‥とこれは、オズワルドの顔を知ってる(※ 採寸の時に見た)職人さんたちはちょっと同意できなかったらしく(だけど勿論お嬢様のお相手に「ええ!? 」とか言えるわけもなく)苦笑いで胡麻化して、黙々と仕事を進めた。
出来上がったドレス&スーツ(フロックコートタイプにした)にハヅキはウットリだ。家の皆も見たがったけど、まだ内緒だ。
一生に一度のウエディング。そして‥
ウエディング革命をするぞ! (← 意識改革の第一歩)
ハヅキは心の中で大きく頷いた。
親戚たちにあたしたちが如何に幸せかを知ってもらって安心してもらう。そして‥彼らの意識改革を。
白いシンプルな服=死に装束
獣人=野蛮
そんな偏見が少しでも変わってくれればいい。
マッチョに対する偏見もなくなるといいな!
「思い込みで良さを見ない振りするのはもうやめてしまえばいい」
そんなことを思った。
「ハヅキ‥おめでとう幸せになれよ」
とだけ言った。後は言葉にならなかったみたい。
二人とも「あ~あ、振られちゃったな」は「冗談交じりにも」言えなかった。
‥冗談にするには、ちょっとマジすぎたから。
二人はその後しこたまお酒を飲んで、翌日教会の治療師に蔑まれながら「二日酔い治療」を受けていた。
「あ~あ、治療師がなっさけないの‥」
って情けない声で言ったロウの肩をロアルが黙って叩いた。
当日、
式場はハヅキの勤務先。
衣装についてはヨハネにも報告済みだ。
時間軸としては、結婚式一週間前、『ハヅキがドレスについてロアル&ロウに報告して、幸せオーラ振りまいた』後、『ロアル&ロウの二人がやけ酒を飲む』前っていう時間位。
「白い装束ですか」
ハヅキから「我儘を聞いてください」って前置きの後に報告を受けたヨハネはちょっと眉を寄せた。
というのも、この国の結婚式のウエディングドレスとして白というのは珍しいらしい。だけど、別に(宗教的や習慣的に)ダメってこともないからハヅキの希望が通ったのだ。
「宗教的にダメってことはないけど‥いいわけでもないよな。気分的に」
同じ部屋にいた、教会ナンバーツー・ダンが首を傾げた。
「白って‥死に装束のイメージがあるのは確かだよな‥」
あくまで「この国の話」だ。世界の常識とかじゃない。
この国では、「死んだ魂が、真っ白になって‥今までのしがらみやなんかを忘れて‥幸せな来世に生まれ変われますように」って意味で、ご遺体に真っ白な衣装(柄なし)を着せる風習があるのだ。棺桶に入れる花も白onlyだ。今はそこまで厳しくなくなったけど、昔は白い花の花びらだけをいれたらしい。
つまり、白=死に装束ってイメージがつよい、と。
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ロアルは貴族だからそういうのを知ってはいるが、別に詳しいわけではない。女の子の服だってまじまじみたことすらない。挨拶して、ちょっと知り合いと話して帰るくらいだ。
だから、ロアルは今も独身。
因みに、貴族のご令嬢のデビュタントのドレスは同じ白でも「装飾たっぷり」「レースだのフリルだのたっぷり」だ。アクセサリーの色の指定はないが、皆「白に合わせて」とダイアモンドをたっぷり使用する。真珠は「ちょっと地味かも‥」ってデビュタントの若者は好んで使わない傾向だったけど、この度美人と有名なご令嬢が桃色のパールを上品に装飾に利用して流行したらしい。
所謂インフルエンサーって奴だね。
「でもあれは‥死に装束っぽくはなかったなそういえば」
「そりゃね」
苦笑いハヅキ。
もっとも、勉強ばっかりしてたハヅキも貴族らしい社交なんかしてこなかったし、同じく貴族であるオズワルドも一切してこなかった(と、以前聞いたことがある)。
騎士だし‥それは関係なく、人の嫌悪の目にさらされるのは、嫌じゃない? ってことだろう。
「ここから始まりなんだ、って意味です」
「始まり‥ねえ」
苦笑いしてコールが言った。コールも最後まで「白は‥やめた方がいいんじゃない? 」って反対した一人だった。
「知り合いばかりですから‥悪い様には言わないでしょう。事前に「本人の意思で」と伝えておきましょう。じゃないと「結婚はいわば、人生の墓場です」って言ってると思われてもいけない」
と、冗談なのか本気なのか分からない口調で言った。
‥冗談なんだよね??
「特に、「二人は本当に愛し合っている恋愛結婚です」ということは先に伝えておいた方がいいな。ハヅキさんの知り合いでオズワルドの顔を知らない人たちも来るかもしれない。オズワルドの顔を見て、「この人と結婚するなんて死んだようなもの(だから白い服着てるんだね‥)」みたいに見られたら困るからな」
って結構真顔で言ったのは、オズワルドの悪友・カイト
「もう、洒落にならない冗談はやめたげて」
同じくオズワルドの友人・ランドルフが苦笑いする。
この二人、カイトの方が口も悪いんだけど、ランドルフの方が「クセモノ」だ。ニコニコと、いつも人のいい笑顔を浮かべているけど、なかなかどうして、強かなところもある。(甘いマスクに寄ってくるオネーサンも「来るもの拒まず」だぞ! だけど「面倒ごと」はサラッと回避してるところとか‥侮れない)
口ではこんなこと言ってるけど、二人はこの結婚をこころから喜んでいる。
『でも‥確かにそれはそうかも‥』
ハヅキの同僚・ロウは皆苦笑いした。
「無難な色にしてたらこんな苦労はなかったよな。全くハヅキの奴‥いつもは服に興味なんてないのに」
皆と一緒ってのがやっぱり一番無難だし、「安心」「安全」なんだ。それなのにわざわざ面倒臭いことして‥。
ロウは結構こういう「事なかれ主義」なところがある。
『平凡、無難が人生生きる上で一番安心安全なのよ。結局ね。平民は余計にね』
がロウの信条だ。そういうのはロウの日頃の行動全部に見て取れて、ハヅキはちょっと不満だった。(勿論何も言わないけどね。‥だって、言えないでしょ? )
だけど、ホント不満なんだ。
それは、そしてロウだけのことじゃない。この国の人たち、みんな多かれ少なかれ「そういうところ」がある。
『それが良くないのよネ』
ハヅキは心の中でコッソリため息をついた。
あたしは‥そんな世の中にちょっと反抗したい! (ホントにほんのちょっとだが! )
皆に見向きもされてこなかった白いドレスに脚光を!!
そして、ハヅキは自らの「何故か手に覚え込んでいる」裁縫テクを総動員して、刺繍&レースたっぷりの上品な白いドレスを作り上げたのだった。
デビュタントのドレスとは違う「可愛らしくない」そして、勿論死に装束とは全く違う大人っぽい上品な真っ白なドレス。それを結婚式という人生の最も「晴れやかで」「喜ばしい」場面で着る。まさに革命である。
勿論この世の中にはまだないものだ。そして、誰も作ってくれないから(説明する自信がないし、自分でやった方が早いからね)、自分で創る。
凄いよ!! 何故か手がするする動く! あたし‥もしかして天才!?
型紙からして「シロウトの仕事じゃない」って感じで、皆「いつの間にハヅキ様はそんな知識を‥? どこでその技術を? 」って驚いてたみたい。まあ‥ハヅキ自身も「え?? 何でだろ?? なんとなく?? 」って感じで分かってなかったんだけどね。
因みに、「当日のお楽しみ」にしたかったから、ハヅキの工房(笑)に出入りしたのは職人さんだけ。知り合い身内は「ごめんなさい。ご遠慮ください」ってお断りした。
人数と日数が足りないし、何より「プランはハヅキの頭の中にしかない」状態だから大変だった。普通なら採寸の後、「ふわっとした希望を言って」職人さんがデザイン画を描いてくれて→その中から選ぶって感じだけど、今回はそれが出来ない。職人さんにハヅキがデザイン画(残念ながらハヅキは絵心が無いので、職人さんが聞き取りながらデザイン画を描いてくれた。→ハヅキが「そうそうこれ」ってなった後で通常の話合い。だけど、見たことないデザインだから、何回か試作して→型紙を作って、布を裁断して、仮縫い、本縫い。仕上げのレースや刺繍の指示もハヅキがした。このレースも刺繡もまた「こんな斬新な刺繍! 」って驚かれたわけなんだけど、その辺りは言ってたらキリがないからここでは割愛する。
出来上がったこの世で一つだけ、唯一無二の「ハヅキオリジナルドレス」。
首元、ウエスト周り、胸元はシンプルに。だけど、スカート部分のひざ下あたりからはふわりとボリューミーに。パニエでドレスを膨らまさずに、たっぷりの布でボリュームを出す。所謂マーメードラインみたいな感じ。(勿論、ハヅキたちはその名前を知らないんだけど)この世界のドレスといったら「プリンセスライン」みたいな下半身がボリューミーで華やかで「可愛い」タイプが多かったから、これは随分斬新なタイプともいえる。
目指すは、「可愛くなり過ぎない」シンプルで洗礼された大人のライン。
だけど、シルエットをシンプルに仕上げた分、地味になり過ぎないように刺繍と宝石で装飾してエレガンスにそして華やかに仕上げたい。だけど、やり過ぎてもっさりするのは避けたい。
ああだこうだと議論しながら、ハヅキたちはもう憑りつかれたようにドレスを作った。勿論本職(治療師)だって疎かにしないで、だ。(で、案の定無理がたたってまた倒れて母親に激怒される)激怒したけど‥「まあ‥気持はわかるから」って苦笑いされた。(勿論一日ガッツリ部屋に監禁されたが)
そして、なんといっても「ハヅキ様の美貌! この美貌無くしてこのドレスは着こなせません‥」と職人たちはうっとりとした顔をしてハヅキを絶賛していた。
「勿論オズワルドさんもお揃いで。ええ~もう、カッコイイしかなくない!? オズワルドさんが素敵過ぎて皆オズワルドさんに釘付けになっちゃって‥それは嬉しいけど、ライバルが増えるのは嫌だなあ‥」
‥とこれは、オズワルドの顔を知ってる(※ 採寸の時に見た)職人さんたちはちょっと同意できなかったらしく(だけど勿論お嬢様のお相手に「ええ!? 」とか言えるわけもなく)苦笑いで胡麻化して、黙々と仕事を進めた。
出来上がったドレス&スーツ(フロックコートタイプにした)にハヅキはウットリだ。家の皆も見たがったけど、まだ内緒だ。
一生に一度のウエディング。そして‥
ウエディング革命をするぞ! (← 意識改革の第一歩)
ハヅキは心の中で大きく頷いた。
親戚たちにあたしたちが如何に幸せかを知ってもらって安心してもらう。そして‥彼らの意識改革を。
白いシンプルな服=死に装束
獣人=野蛮
そんな偏見が少しでも変わってくれればいい。
マッチョに対する偏見もなくなるといいな!
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そんなことを思った。
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