今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです! 

文月

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今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです! 

ハヅキ教会に行く。

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 ランスさんにだっこしてもらって、やってきました! 教会!
 今日は「見学させて欲しい」ってちゃんと事前に伝えておいたので、門前払いとかは心配ない。 
 だけど「金持ちの(貴族)の嬢ちゃんが社会見学に来ただけでしょ」「冷やかしでしょ」って感じにしか思われてないだろう。どうせ見習い神官さんみたいな若い人が一人いる位じゃない? って思ったら、ちょっとエライ感じの人も出迎えてくれた。フランドルさんがエライ感じの人に(きっとお金と思しき)袋を渡してるの見て納得。「子供の面倒見てあげるから寄付金よろしく」ってことなんだろう。教会だってお金、大事。
 エライ感じの人はニコニコと寄付金を横の若い神官に渡して
「神のご加護がありますように」
 って言った。あたしに。
 でも、あたしの目を見て言ったわけじゃないよ? 多分、あたしの方を向いてはいるけど、あたしに言ったというより騎士さんに「そう言ってたと伝えてくださいね」って感じで言ったって感じ。3歳の子供にはわかんないでしょ~って思ってるんだろう。‥まあ、気持ちはわかるけどね。
 ホントにあたしが子供だったら「子供扱いしないでよ」って思うのかもしれないが、あたしは普通の3歳児じゃない。寧ろ‥普通じゃ無さ過ぎて「普通ってどうだっけ」「子供らしさとは‥? 」って悩むくらい。
 子供の振りしながら、転生スキル有効活用して今世はあたし、幸せになります! 
 因みに☆ あの、エライ感じの人の笑顔が「何か嫌」って印象を受けたのは転生スキルって程のことではない。所謂子供なら誰でも持ってる「子供の勘」って奴だ。
 動物と子供に「愛想笑い」は通用しない。
 さて、教会見学ツアーの案内をしてくれるのは笑顔が怪しいエライ感じの人と、エライ感じの人に顎で使われてるんだろうな~って感じの気の弱い神官さん(中年)といかにも使いっパシリて感じの若い神官さん二人。若干服が違うから見習いさんなのかな? さっき、寄付金を教会内に持って入った若い神官さんも彼ら(見習いさん? )と同じ服装だった。
 エライ感じの神官さんの名前はヨハネさん。気の弱そうな中年さんはコールさん。若者二人はダンさんとリュックさんって言うらしい。
 ヨハネさんの説明で教会内に入る。あたしはランスさんにだっこされたままそれに続く。ヨハネさんはフランドルさんに教会内を説明している。あたしはそれを聞いて「ふんふん」って頷くって感じ。感じ悪いよな~「どうせ分からんだろう」って思ってもあたしに向けて説明して欲しよ。
 ここじゃない教会に行くか!?
 って真剣に考え始めた時、コールさんが
「お嬢様はどうして教会に? 」
 ってあたしに目線を合わせて聞いてくれた。
 子供に話し掛けるから優しい口調だけど、子供だからって馬鹿にした感じじゃなく、丁寧に。その誠実な表情は‥ぐっとくる。
 顔は平凡だけど、「ホントにイイ人」ってのはこう言う人のことを言うんだろう。
 あたしも成長したな。(うんうん)
 でも、恋愛対象化と言われるとそうでもないんだよな。友人にしたいならこんなタイプって感じかな~。(ごめんなさい!! )いや、でも「気の合う友人」タイプの夫って楽よ? ‥そんな気がする。よく覚えてないけど。(一回目の結婚がこんな感じだったけど、勿論ハヅキは覚えてない)
 あたしはコールさんの目を見て、
「私に聖魔法の属性があるって言われたの。だから将来、治療師になって怪我をした人とかを助けたいの。だから、今から出来ることをしたいなって」
 って言った。
 あんまり子供らしくないいい方したらヤバいけど、子供らしく喋るのを意識しすぎたら相手に言いたいこと伝えられなくて意味ないじゃん? って感じで迷った末に「このライン」。大概子供らしくないけど、「お金がある貴族の子供って小さい頃から家庭教師ついてるからだろう」って思ってもらったらいい。(※ だとしても、3歳児にこれは無理)
 あ、でもちょっと舌ったらずになっちゃうのは3歳らしいかな! 
 コールさん感激て感じ。確かに「こんなに小さいのに志がしっかりしてる‥」って‥泣かせるよね。
 うんうん。
 天使か‥ってそれは言い過ぎですよ。(※ 「天使」発言は、ハヅキの顔のせいなのは言わずもがなだけど、例の如くハヅキは気付いていない)
 おや。聞いてなかったはずのダンさんとリュックさんも感激して‥涙流してる?? いや、そこまでじゃないだろう。
「貴女は天使様だ。僕たちは貴女にどこまでもついて行きます」 
 ダンさんが涙目であたしの手を握って言う
 ??
 いや、一緒に働きましょう? ついて来られてもこまるよ?
 あたしはダンさんのその熱量(?)に思わず苦笑いしてしまったが、感激してる人に「ヤメテよ‥」って言うのも何か? って気を遣ってたら、あたしの隣にいたフランドルさんが慌ててダンさんの手を叩いた。(いや、いくら年下だからって神官さんを叩いたらいけんでしょ‥。見習いだからギリオッケー的な?? )
 すみません。フランドルさんはあたしの護衛騎士さんだから‥。
 でも、手を握られるくらいならいいじゃないかな??
 だけどそこは「危害を与える気があろうとなかろうと、護衛対象者(つまりあたし)に触れる者は全て排除する(byランス)」あ、これはフランドルさんの独断じゃなくて、護衛騎士三人の総意なのね? ランスさんはあたしをだっこしてるからできなかっただけで、手が空いてたらこの役目はランスさんだったと‥。フランドルさんよりガタイがイイランスさんが叩いたらもっと痛かっただろうから良しとしよう‥。かな?? ‥ホント過保護だな~って思うけど、あたしにもしも何かあると雇用主であるお父様に申し訳が立たない、とかあるんだろう。
 あたしは黙って守られとくことにします。
 でも、大丈夫ですか? ってダンさんに聞くと、涙目で何度も頷かれた。(やっぱり痛かったんだね‥とハヅキは思っているが、勿論違う。くどいようだが、美幼女ハヅキに心配されて感激のあまり涙が‥ってやつなんだ)
「ハヅキ様はやさしいな! 」
 ランスさんがあたしを抱っこしたまま「うんうん」と頷いた。‥なんで、ランスさんも涙目?? 「優しい」のハードル低すぎん?? 今まで雇用面で酷い目にあってきたの??
 (くどいようですが)勿論違う。ダン、リュック、ランス、フランドルさんのこころの中は‥
 うう‥美幼女‥尊い!
 なんだ。
 そんなこと知る由もないハヅキは
 感激して泣くオッサン&おにーさん。怖いです。‥ほら、ヨハネさんの冷めた目‥。「何やってるんだ君たちは‥」って顔だよ。‥って感じで、ドン引きだ。
 さて、そうこうしてる間に礼拝所に。
 何人もの信者が祈りをささげている。その次は集会所? 貧しい人がご飯を食べている場所があって、怪我をしている人が治療を受けている場所もある。
 思ってた以上に広い教会だ。
 こうして貴族から寄付を巻き上げて潤ってるのか? ってゲスな考えをしちゃったけど集会所で出されている食事は教会が無料で配布しているものらしい。
 パンとシンプルなスープだけの質素な食事。食事をしている人は、老人や怪我をしている人の様だ。子供が一人で食べているのを見た時には胸が締め付けられる思いがした。
「ここでは孤児を預かっているのですか? 」
 あたしが聞きたかったことをもう一人の護衛さんが聞いてくれた。もう一人の護衛さんはひょろっとした「騎士? 」って感じの人。どうやら魔法騎士らしい彼は、杖を持ってローブを着たいかにも~なスタイルだ。攻撃魔法には呪いの類も含まれており、魔法騎士は顔や名前が敵に知られない方がいい‥らしく、魔法騎士である彼は今もローブを被ったままだが、声の様子から案外若そうだってことがわかった。
 名前が分からないとちょっと不便だけど、「名前を知られるとよくない」なら聞かない一択だ。だから、今後彼のことは「魔法騎士さん」と呼ぶことにしよう。
 あとで聞いたんだけど、彼も孤児院で育ったらしい。だけど、学校(平民が通う安価な学校)で魔法を学び、血のにじむほどの努力をして魔法騎士の試験に合格して我が家に来てくれたらしい。
 ヨハネさんが首を振る。
「そこまで人手がないのです。
 食事を作っているのもここの神官です。
 食事は朝と夕方の二回提供され、神官も一緒に食べます。
 食事を作っているのは見習いの神官で、食事の後片付けや掃除、洗濯も彼らが担当します。勿論礼拝も、修行もします。
 朝の礼拝は治療をしている治療師の仕事で、彼らはそのあと治療の仕事をします。
 高位の神官の主な仕事は、信者の悩みを聞くことと洗礼、魔法属性判定です」
 ‥うん、凄く忙しそう。
 『エライさん』は何もしてなさそうって思ってスミマセン。
 でも、分かった。ここがいいとこだってことは分かったよ‥! 
 ここであたしは働くよ!!
 あたしはぴょんとランスさんの腕から飛び降りて、床に跪くと
「どうか、私をここで働かせてください!! 」
 って土下座したのだった。
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