今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです! 

文月

文字の大きさ
25 / 88
今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです! 

将来の計画の前に、色んな人と知り合うのです。

しおりを挟む
 当初の予定では、学校に行く前に教会で「将来治療師になる為の基礎」を作っておくことだったけど、今のこの状況だったら「じゃあ今すぐ」とは言い出しにくい。言い出しにくいだけだ。あの時は勢いに任せて「子供怖い」とか言ってしまったが、今ちょっと落ち着くと「実はそれ程は‥」って感じだ。あるでしょ? 雰囲気に流されて‥それこそ涙まで流して語り合ったけど一晩経てば「昨日のアレ‥何だったんだろ」って奴。ああいうの。正直「あそこ迄言わんでもよかったわ‥」「下手こいたな~」とは思うけど、今となっては仕方がない。やってしまったことを悔やんでも仕方がないんだ。‥それに、何か周りとの距離が近くなった気がするから良しとしよう。
 皆があたしのこと心配してくれて一緒に怒って泣いてくれた‥あの時のあの雰囲気は悪くなかった。(悪くないとか言っちゃった。‥正直めちゃ嬉しかった) 
 だからあのことを悔んだりはしない。
 嘘を言ったわけでもないしね。嘘で皆を巻き込んでたんだったら‥そりゃ今頃「どうしよ‥今更「あれは嘘ぴょ~ん☆」とか言えない‥」ってなってただろうけど、まあ‥嘘でもない。
 嘘は言ってないけど‥ちょっと大袈裟になったかな~と思ってるだけ。(ううむ‥)
 別に効率重視、「予定が狂ったらどうしても嫌! 」って性格ではない。それって我が儘でしょう? だって、予定ってのは大概「自分の都合」で立てるもので、それを実行に移すとなったら多くの確率で「他人の都合」が加わることになる。そうなれば、自分の希望通りにいかないのなんて当たり前だ。それをさ「予定通りいかないなんて嫌だ! 」なんて、‥ねえ? ただの自分勝手なガキの言い分じゃない。
 今回の場合だったら、「あたしの予定」が「学校に行く前に教会で修行」なんだけど、今回のことで「まだ時期尚早」ってなった。何故なら‥その実現の為には「教会の人たちの都合」だってあるし、それ以前にあたしは未成年ってか幼児だから「両親の承諾を取る必要」がある。あたしにとっては「あたしはただの幼児じゃない」んだけど周りから見たらあたしはりっぱな「ただの幼児」なんだ。力もない。小さい。ひょいっと上から抱えられたら速攻誘拐できちゃう「お手軽金蔓」。なら護衛がいる、ってなるのは過保護とかじゃなく、当たり前。そういう物理的に用意しなきゃならんものもある。つまり‥「あたしの家の人たちの都合」も考慮しなければいけない。
 あたしのことだからあたしのしたい様に出来るわけじゃないんだ。(当たり前にね)
 予定の実現が難しいならば、他の方法を考えればいい。
 諦める、じゃなくて、他の方法を考える。(まあ、諦められる程のことだったら、諦めて他のことを考えてもいいんだけどね)
 交渉相手を説得するなり納得してもらえるように実力を磨くなり‥「くそ! なんで反対されるんだ! 」って怒ったり悔んだりする前にすることはいっぱいあるってわけだ。
 簡単に諦めない。腐らない。人にあたらない。
 あたしは長く転生生活をする上でそんな性格になれた。初めはもっと、(覚えてないけど)普通に我が儘だった気がするけどね。
 経験がなければやっぱどうすればいいか分からなくて焦るのは仕方がない。あたしみたいに何度も人生を経験してきたからこそ「人生なんてそういうもん。上手いこと行くことなんてまあないわ。山あり谷ありが当たり前。焦ってても仕方がない。そういう時は猶更自分で何とかしなくちゃならないし、案外何とかなる。こういう時、何よりも大事なことは、「こういう時程ドンと構えて、まずは落ち着く」ってことだよ」ってやっと思えるようになった。
 まあ‥人生経験が豊富って言っても「その程度」なんだ。 
 「豊富な経験」で「こんな時どうする」って名案がすぐに浮かぶってレベルにはまだ至ってない。
 まあ、その時その時で「似た状況」ではあっても、実際には全く同じ出来事ってのはないわけで。「こんなときにはこう」って決めつけない方がいい、のかもしれない。

 今は少し落ち着こうと思う。

 
 お父様の言ってたみたいに、友だちとの遊びを通じて距離の取り方を学んだりすることは確かに大切。どんなことを言ったら喧嘩になる‥とか、どんなことを言ったら喜ぶか、とか実際に目の前に人がいないと学べないこともある。あとは思いやりの心? 自分より小さい子の世話をするとか、友だちとの遊びを通じて座学じゃ学べないことを学ぶ。
 長い転生経験って言って‥思えば同年代の子供(二人以上)と幼少期に遊んだって経験、あんまりないかもしれん。
 生活の為小さい頃から働いてたり、幼馴染にべったりだったり‥そういえばそんな気もする‥。
 遊びから学ぶ。それだって立派な人生経験。大事。
 それはあたしだけのことじゃなくて、あたしと遊ぶ相手にもいえる。
 あたしみたいな「イレギュラー‥ローブを被った訳アリの子供、プラス普通の子供とちょっと違う高位貴族(逆らったらヤバい親付き)‥そんな特殊な人間」と遊ぶことで「人間って、色んな人がいるなあ」って知ることが出来る(と、思う。多分)それはその子たちにとってとてもいいことだと思う。(それはホントにそう思う)
 ローブを被っているあたしのこと初めは訝しそうに見る子供もいるけど(子供は正直だからね! )すぐに慣れて、あとはシンプル「人間としての付き合い」になっていく。そういうのは子供ならではの柔軟性だって思う。(嘘、親に「そうするように」って言われてるんだ。だけど、分かってても出来るかどうかは別問題でしょ? 子供ってね「それが出来る」確率が割と高いんだ。‥ちなみに「どうしても出来ない子供」はお父様によって脱落させられて、気が付けば「あたしのお友達」から消えていた‥)(まあ‥それはそれとして‥)
 同じような人間とばっかり居ても仕方がないからね。
 そうやっていろんな子と遊んでいたら、人間ってのは一人としてホント同じ人間はいないって分かる。
 子供なのに「将来の為に身分の高い人と知り合いになっておかなきゃ」とか出世欲? が逞しかったり、メイドさんの妹とかなら「将来あたしもお姉ちゃんみたいにメイドさんになるんだ」って将来のビジョンがしっかりしてたり、「まだ小さいのに子供の面倒を見るのが上手だな」って思ってたら、下に小さな妹や弟が居たり‥とかね。
 こりゃあたしも負けてられないわ。
 ここで「色んな人を見て」将来「誰にでも優しい治療師さん」になるぞ! って俄然やる気がわいて来た。
 そうやって奮闘するあたしをあたしの愛すべき家族や使用人の人たちは微笑ましい顔で見守ってくれていた。
 ‥ホント、家族ってあったかいね。(※ 穏やかに見える彼らの表情だが、実際には「ハヅキ可愛い!! 」「顔も可愛いけど、性格までいいって何!? 天使なの!? 」ってこころの中は大騒ぎだ)

 そうやって、気が付けばあたしたちは学校(初等科)に行く年になっていた。

 三つ年上のエイミー(伯爵令嬢)は既に初等科に通っていて、学校の様子を教えてくれる。出世欲逞しいワトソンはあたしの一つ上で、あの時(「将来の為に‥」とか言ってた頃)のことが嘘みたいに「クールな子供」になっている。顔も‥あたしには分からんが「かっこいい」って皆の人気だ‥と、ワトソンと同じ年の地味な子爵令息トーマスが教えてくれた。(が、トーマスはイイ奴だから、良い様に言ってるだけかもしれん)あたしは丸顔で一重瞼で目が細い(しかもちょっとたれ目なんだ)ワトソンより、細面でちょっと吊り目がちのクリっとした目をしたトーマスの方が好みだ。(別に好きってわけではない。どっちゃかというと‥ってだけだ。トーマスはほっそりしすぎてあたしの好みには合わない。もっと、「ワンパク&ワイルド」なタイプが好き。‥だけど、貴族にはあんまりいないのよね~)
 皆のあたしに対する評価?
 いや、皆あたしの顔しらんから。
 顔見たら「地味」って言っちゃうの我慢するのに必死になるんだろうな~。
 あああと何(前世で)言われてきたっけ‥わからん。そうだ。それは幸い覚えてない。覚えてて、思い出して、悲しいおもいしたり、嫌な思いするだけのことを忘れさせてくれている「神様の配慮」には感謝だ。
 「そういわれそう」って予想より、「そういわれた」って記憶はずっともっとキツイから。
 あたしは絶対誰に対してもそんな‥嫌なことを言う人間にはならないようにしたい。
 治療師になる。
 治療師になって、身体だけでなく、こころも癒せるような‥そんな人間になりたい。
 その為に、あたしは学校に行く。
 あたしは決意を新たにして学校に向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

十八歳で必ず死ぬ令嬢ですが、今日もまた目を覚ましました【完結】

藤原遊
恋愛
十八歳で、私はいつも死ぬ。 そしてなぜか、また目を覚ましてしまう。 記憶を抱えたまま、幼い頃に――。 どれほど愛されても、どれほど誰かを愛しても、 結末は変わらない。 何度生きても、十八歳のその日が、私の最後になる。 それでも私は今日も微笑む。 過去を知るのは、私だけ。 もう一度、大切な人たちと過ごすために。 もう一度、恋をするために。 「どうせ死ぬのなら、あなたにまた、恋をしたいの」 十一度目の人生。 これは、記憶を繰り返す令嬢が紡ぐ、優しくて、少しだけ残酷な物語。

セーブポイントに設定された幸薄令嬢は、英雄騎士様にいつの間にか執着されています。

待鳥園子
恋愛
オブライエン侯爵令嬢レティシアは城中にある洋服箪笥の中で、悲しみに暮れて隠れるように泣いていた。 箪笥の扉をいきなり開けたのは、冒険者のパーティの三人。彼らはレティシアが自分たちの『セーブポイント』に設定されているため、自分たちがSSランクへ昇級するまでは夜に一度会いに行きたいと頼む。 落ち込むしかない状況の気晴らしにと、戸惑いながらも彼らの要望を受け入れることにしたレティシアは、やがて三人の中の一人で心優しい聖騎士イーサンに惹かれるようになる。 侯爵家の血を繋ぐためには冒険者の彼とは結婚出来ないために遠ざけて諦めようとすると、イーサンはレティシアへの執着心を剥き出しにするようになって!? 幼い頃から幸が薄い人生を歩んできた貴族令嬢が、スパダリ過ぎる聖騎士に溺愛されて幸せになる話。 ※完結まで毎日投稿です。

【完結】ここって天国?いいえBLの世界に転生しました

三園 七詩
恋愛
麻衣子はBL大好きの腐りかけのオタク、ある日道路を渡っていた綺麗な猫が車に引かれそうになっているのを助けるために命を落とした。 助けたその猫はなんと神様で麻衣子を望む異世界へと転生してくれると言う…チートでも溺愛でも悪役令嬢でも望むままに…しかし麻衣子にはどれもピンと来ない…どうせならBLの世界でじっくりと生でそれを拝みたい… 神様はそんな麻衣子の願いを叶えてBLの世界へと転生させてくれた! しかもその世界は生前、麻衣子が買ったばかりのゲームの世界にそっくりだった! 攻略対象の兄と弟を持ち、王子の婚約者のマリーとして生まれ変わった。 ゲームの世界なら王子と兄、弟やヒロイン(男)がイチャイチャするはずなのになんかおかしい… 知らず知らずのうちに攻略対象達を虜にしていくマリーだがこの世界はBLと疑わないマリーはそんな思いは露知らず… 注)BLとありますが、BL展開はほぼありません。

没落令嬢の子育て記。12世紀ドイツに似た異世界で、拾った子犬がイケメン精霊犬になりまして

ねこまんまる
恋愛
私が転生してしまったのは、ユリウス歴1150年。 赤髭王フリードリヒ1世が在位する、12世紀中世ドイツに酷似した異世界だった。 この世界の中欧は、神聖ローマ帝国の皇帝権とローマ教皇の宗教的権威が激しくぶつかり合う、戦乱のただなかにある。   ボヘミア王国(※現在のチェコあたり)の辺境で、小領主に仕える下級騎士の娘として静かに生きていた16歳の私だったが―― 父は皇帝派と教皇派の争いに巻き込まれ、帰らぬ人となった。   こうして私は、領地も保護者も失った「居場所のない没落令嬢」へと転落する。 行き場をなくした私は、帝国の北東の果て、 森と丘陵が連なる寒冷地帯――シレジア地方へ向かい、ボヘミア系とドイツ系移民が入り混じる貧しい開拓村で、新しい生活をはじめることになった。   ところが、村へ到着したその日。 道ばたに置かれた木箱の中で震えていた、四匹の子犬と出会う。 「……かわいいけど、どうしよう。 私だって、明日をどう生きるかも分からないのに……」 没落令嬢の私には、金も身分もない。 けれど放ってはおけず、子犬たちを抱き上げた。 飢えた体を温め、必死に育てているうちに―― ある朝、彼らは犬耳の生えた少年たちに変わっていた。 どうやら彼らは、この異世界に古くから伝わる “森の精霊犬”の子どもだったらしい。 無邪気で、人懐っこくて、やたらと私に甘えてくる。 それなのに――。 反抗期がまったく来ない。 命がけで守った“子犬たち”は、すくすく育ち、戦闘能力が高い、耳もふわふわなイケメンに成長した。 そして、ますます慕い方が激しくなるばかり。 ……いや、育ての親としてはうれしいけど、そろそろ距離感というものを覚えてください。 (※年代、国、地名、物などは史実どうりですが、登場人物は実在してません。 魔法やモンスターなど、史実にはないものもあります)

せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません

嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。 人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。 転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。 せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。 少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。

異世界で悪役令嬢として生きる事になったけど、前世の記憶を持ったまま、自分らしく過ごして良いらしい

千晶もーこ
恋愛
あの世に行ったら、番人とうずくまる少女に出会った。少女は辛い人生を歩んできて、魂が疲弊していた。それを知った番人は私に言った。 「あの子が繰り返している人生を、あなたの人生に変えてください。」 「………はぁああああ?辛そうな人生と分かってて生きろと?それも、繰り返すかもしれないのに?」 でも、お願いされたら断れない性分の私…。 異世界で自分が悪役令嬢だと知らずに過ごす私と、それによって変わっていく周りの人達の物語。そして、その物語の後の話。 ※この話は、小説家になろう様へも掲載しています

悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?

榎夜
恋愛
私は『花の王子様』という乙女ゲームに転生した しかも、悪役令嬢に。 いや、私の推しってさ、隠しキャラなのよね。 だから勝手にイチャついてて欲しいんだけど...... ※題名変えました。なんか話と合ってないよねってずっと思ってて

【完結】恋につける薬は、なし

ちよのまつこ
恋愛
異世界の田舎の村に転移して五年、十八歳のエマは王都へ行くことに。 着いた王都は春の大祭前、庶民も参加できる城の催しでの出来事がきっかけで出会った青年貴族にエマはいきなり嫌悪を向けられ…

処理中です...