月兎

宮成 亜枇

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 獲物を狙うかのような視線が刺さる。このままでは一真を苦しめる、傷つけるとわかっているのに、縛り付けられたいと思うのは、発情期の症状なのか。
 ゾクゾクするものを感じながら、朔夜は何とかしてこの状況を回避しようと必死だった。
 身をよじっても、暴れても逃げることはできない。それどころか、食らいつくように尖りを舐められ、抵抗ができなくなる。
「やっ。はぁ、ん……」
 漏れる声は艶を含み、自分のものではないように耳に届く。それだけで不快になるのに、身体はもっともっとと、次を求めてしまう。
「や、めてっ。かずま……っ」
 抗議の声を何度も発しても、彼には届かない。お互いまだ子供だと思っていたのに、いったいどこでこんなことを覚えたのか。それとも、これがアルファとしての本能なのか。
 理性を失った一真は、朔夜の白くなめらかな肌に紅い花を刻んでいく。
 気づけば、一真に衣類のすべてを剥がされて、一真自身も裸体をさらけ出していた。
「うあっ、ああっ!」
 突如、反り返ったものを扱かれ、朔夜の理性も擦り切れそうになる。この歳になればさすがに自慰をしたことはあるが、それ以上の快感に、何も考えられなくなる。
 その姿を見て、にたぁ……、と微笑んだ一真は、朔夜の足を強引に割り、双丘に隠された孔に、指を差し込んだ。
「あっ、いや……っ」
 訪れた不快感に身体をよじる。それでも構わず、一真の指は奥に進み。
「ひゃっ、ああんっ!!」
 これまでにない衝撃に、のけぞり声を上げた。それを聞き、気をよくした一真はぐちゃぐちゃとかき混ぜる。そのたびにあがる甘い声が、ますます一真を狂わせる。
 少年のものとは思えない欲望は、腹に着くほどに反り返り、雫をこぼす。
「痛っ!」
 襲いかかった激痛に、朔夜は顔をしかめた。それがどういうことか気づいたのは、数秒後。
「ヤダっ! お願い一真っ、抜いてっ!!」
 恐怖と、罪悪感で懸命に叫んだが、
「あふっ、ん、んっ!!」
 叫びは、舌を絡ませることで塞がれてしまう。次第に、
「んっ、ふっ……、うんっ」
 痛みが快楽に変わり、反り返りも刺激され、朔夜もとうとう何も考えることができなくなった。何度もピストンを繰り返されることにより、快感が次々と与えられる。一真の背に両腕を回し、密着するような体制で二人、同じ波に浚われる。
 やがて。
「んぅ、んんーっ!!」
 ビクン、と朔夜の身体がしなり、白濁が飛ぶ、と、同時に内部に温かいものが注がれる。一度目は長く、次は、勢いをつけて奥に叩きつけるように。
「は、あん……っ」
 そう、小さく呟いたかと思うと、朔夜の身体から一気に力が抜けた。

 それもそうだ。元々の不調に昨日は熱までだしていたのだ。
 体力は、とうに限界を超えていた。
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