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第一章 帰還と波乱
第四話 親の心、子知らず
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(帰ってきたばかりで、これはまずかったかな?)
私の名前はユレイラ。ユレイラ・リー・アルフィア。この世界でもの作りの神の一柱として存在している。ただ、その前はユミリア・リ・アルテナの器に入っており、さらにその前は、田中雪という名で、日本人として暮らしていた。
神であるユレイラは一度、邪神に殺され、記憶を失って田中雪として転生し、その田中雪は通り魔に刺されてユミリア・リ・アルテナの器に入り込んだ。そうして、神であった頃の恋人であったイリアス・ラー・リライクの魂を持つイルト・ラ・リーリスと出会い、恋をして、数々の苦難を乗り越えた末に、また神に戻ったという状態だ。ちなみに、ユミリアは公爵令嬢であり、イルトはリーリス国の第二王子だったりする。
そんな私達は、色々あって、世界の滅亡を防ぐために、別の異世界に少し前まで居た。どれだけ時間がかかるかは不明で、実際、私達の方では六十年以上の時が経っていたりするのだが……どうやら、こちらではまだ三年しか経っていないらしかった。
「お、お姉様、さすがに殺してはいない、ですよね?」
テロリスト達は、完全に制圧した。ハバネロ入りの痴漢撃退スプレーと、イリアスの断罪の力によって呼び出した怨霊で。
「大丈夫だよ。ちゃんと加減した……と思うから」
正直、最近までずっと神々を相手にしていたため、少し自信はなかったものの、多分、一般的な痴漢撃退スプレーでハバネロは間違っていない……と思うのだ。そして、イルトが呼び出した怨霊だって、すぐに罪人を殺すことはない、はずだ。
「……お姉様、本当に、大丈夫ですか?」
「……多分?」
すでに、痙攣すらせずにグッタリしているテロリスト達を見ると、それなりに不安は覚えるが、一応、生命反応はあるから大丈夫なはずだった。
「…………イルト……?」
と、そこで、呆然とした様子の側妃様……スーリャ・ラ・リーリス様が、イリアスに声をかける。彼女は、イリアスの……いや、イルトの生みの親だ。
「……今の僕は、イリアスです」
「そう……無事、だったのですね」
そっと視線を外したイリアスに対して、スーリャ様は本当に、心から安心したように涙を流す。
「っ!? なっ……」
「イリアス、多分、向き合う時が来たんだと思うよ」
スーリャ様の涙は、イリアスにとって予想外だったのだろう。何せ、イリアスは、スーリャ様から怒鳴られてばかりだったのだろうから。それでも……きっと、今のイリアスには、スーリャ様を理解するだけの力があるはずだった。
「ごめんなさい。ごめんなさい。イルト……。私は、ああすることでしか、あなたを守れなかった。本当は、ずっと、ずっと……」
『愛していました。私の、愛しい息子……』。その声は、わざわざ抑えている読心術を解放せずとも聞こえてしまうほどに強い想いで、珍しくイリアスが固まっている姿に、私は思わず笑ってしまう。そして、イリアスが読心術を解放したのを見て、これで、すれ違いはなくなるだろうと安心して……。
「ミーシャ。とりあえず、このテロリスト達は陛下のところかアルト様のところに持っていけば良いのかな?」
「へっ? あ、はい。恐らくは……?」
私は私で、不届き者達の処分に回ることとする。
「それじゃあイリアス。親子水入らずで頑張って」
「っ……ユレイラっ」
すでに、スーリャ様の想いが流れ込んできているであろうイリアスは、顔を真っ赤にして助けを求めるも、それは野暮というものだと弁えて、退散することにした。
「さっ、ミーシャ。楽しく拷問したら、楽しくお茶でも飲みましょう」
「…………拷問って……」
何か言いたげなミーシャを無視して、私はそのままテロリスト達を風で浮かせ、近くに居た陛下のところへ転移したのだった。
私の名前はユレイラ。ユレイラ・リー・アルフィア。この世界でもの作りの神の一柱として存在している。ただ、その前はユミリア・リ・アルテナの器に入っており、さらにその前は、田中雪という名で、日本人として暮らしていた。
神であるユレイラは一度、邪神に殺され、記憶を失って田中雪として転生し、その田中雪は通り魔に刺されてユミリア・リ・アルテナの器に入り込んだ。そうして、神であった頃の恋人であったイリアス・ラー・リライクの魂を持つイルト・ラ・リーリスと出会い、恋をして、数々の苦難を乗り越えた末に、また神に戻ったという状態だ。ちなみに、ユミリアは公爵令嬢であり、イルトはリーリス国の第二王子だったりする。
そんな私達は、色々あって、世界の滅亡を防ぐために、別の異世界に少し前まで居た。どれだけ時間がかかるかは不明で、実際、私達の方では六十年以上の時が経っていたりするのだが……どうやら、こちらではまだ三年しか経っていないらしかった。
「お、お姉様、さすがに殺してはいない、ですよね?」
テロリスト達は、完全に制圧した。ハバネロ入りの痴漢撃退スプレーと、イリアスの断罪の力によって呼び出した怨霊で。
「大丈夫だよ。ちゃんと加減した……と思うから」
正直、最近までずっと神々を相手にしていたため、少し自信はなかったものの、多分、一般的な痴漢撃退スプレーでハバネロは間違っていない……と思うのだ。そして、イルトが呼び出した怨霊だって、すぐに罪人を殺すことはない、はずだ。
「……お姉様、本当に、大丈夫ですか?」
「……多分?」
すでに、痙攣すらせずにグッタリしているテロリスト達を見ると、それなりに不安は覚えるが、一応、生命反応はあるから大丈夫なはずだった。
「…………イルト……?」
と、そこで、呆然とした様子の側妃様……スーリャ・ラ・リーリス様が、イリアスに声をかける。彼女は、イリアスの……いや、イルトの生みの親だ。
「……今の僕は、イリアスです」
「そう……無事、だったのですね」
そっと視線を外したイリアスに対して、スーリャ様は本当に、心から安心したように涙を流す。
「っ!? なっ……」
「イリアス、多分、向き合う時が来たんだと思うよ」
スーリャ様の涙は、イリアスにとって予想外だったのだろう。何せ、イリアスは、スーリャ様から怒鳴られてばかりだったのだろうから。それでも……きっと、今のイリアスには、スーリャ様を理解するだけの力があるはずだった。
「ごめんなさい。ごめんなさい。イルト……。私は、ああすることでしか、あなたを守れなかった。本当は、ずっと、ずっと……」
『愛していました。私の、愛しい息子……』。その声は、わざわざ抑えている読心術を解放せずとも聞こえてしまうほどに強い想いで、珍しくイリアスが固まっている姿に、私は思わず笑ってしまう。そして、イリアスが読心術を解放したのを見て、これで、すれ違いはなくなるだろうと安心して……。
「ミーシャ。とりあえず、このテロリスト達は陛下のところかアルト様のところに持っていけば良いのかな?」
「へっ? あ、はい。恐らくは……?」
私は私で、不届き者達の処分に回ることとする。
「それじゃあイリアス。親子水入らずで頑張って」
「っ……ユレイラっ」
すでに、スーリャ様の想いが流れ込んできているであろうイリアスは、顔を真っ赤にして助けを求めるも、それは野暮というものだと弁えて、退散することにした。
「さっ、ミーシャ。楽しく拷問したら、楽しくお茶でも飲みましょう」
「…………拷問って……」
何か言いたげなミーシャを無視して、私はそのままテロリスト達を風で浮かせ、近くに居た陛下のところへ転移したのだった。
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