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第一章 帰還と波乱
第二十四話 不測の事態はやめてほしい(ミーシャ視点)
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「わぁっ、あの人、頭がおかしいですねっ!」
「あ、あっちもおかしいかな?」
「えぇ、確かにそうですねぇ」
突然だが、もし、この会話をフィオナちゃんやらラルフ君が指差した相手に聞かれていたらどうなっていただろうか、という思考を巡らせてみる。
「……言葉遣いが不味いって、こういうのもあるんだね」
「あ、はは……そう、ですね……」
幸いなことに、フィオナちゃん達は、この会話を私達以外に聞かれないよう、小声で話してくれている。ちゃんと約束をしておいた私、グッジョブっと、自分で自分を褒めておかなければ、何だか色々な危険性を目の当たりにして、泣きたくなりそうだった。
……ちなみに、フィオナちゃんが『頭がおかしい』と言った相手は、別に猟奇的な考えを持った犯罪者、とかではなく、ただ変わったファッションでモヒカンにしている男であり、ラルフ君が見ているのは、黄色いドリルヘアーな少女であって……。
「って、あれって、エルドン侯爵家のご令嬢!?」
お姉様が居ない三年の間に、あのタヌキ……じゃなかった、ハウエル・ル・エルドン侯爵は、事故で亡くなった遠縁の親戚の娘を引き取って育てることになったらしく、色々と四苦八苦しているらしい。一応、昔、お姉様の味方になってくれた男性貴族であり、後に、陛下にそこそこ信頼されていた方だということが判明した侯爵。派閥の調整役をそっと行っていた彼は、今、ラルフ君が指差した黄色いドリルヘアーな少女に翻弄されている。というのも……。
「確か、ハウエル侯爵に求婚しているご令嬢、だったっけ?」
そんなセイの言葉に、私はコクコクとうなずく。
ハウエル侯爵は、一度は結婚したものの、妻となった女性をとある事件で失ってしまっている。後継者となる子供も居ない状態で、後妻を娶ることもなく過ごしていた彼は、いい歳をしたおっさんなのだが、そのおっさんに、一回り以上年下なご令嬢が、しかも、遠縁の親戚の娘で、今は自分の養女という立場のご令嬢が求婚しているらしいのだ。もちろん、ロリコンの誹りは受けたくないであろうハウエル侯爵は、その求婚を断っているものの、彼女に諦める様子はないということは社交界でも有名な話だった。
そんな、ハウエル侯爵に求婚するご令嬢。リエナ・ル・エルドンは、明らかに貴族と分かる格好でションボリとした様子で歩いていた。しかも、護衛らしき姿もない。
このままでは、人攫いに遭いかねない、と思っていると、ちょうど差し掛かった路地の入り口から伸びた手に掴まれて、悲鳴をあげる間もなく、彼女が引きずり込まれるのを目撃してしまう。
「…………僕が行ってくるから、ミーシャは引率をお願い」
「私が行きたい、けど、そういうわけにはいかないよね……」
こんなことならば、不測の事態への対処要員として、近衛騎士でも連れてくるのだったと思いながら、私は、たった一人、孤独に危険物達の引率を引き受けることとなった。
「あ、あっちもおかしいかな?」
「えぇ、確かにそうですねぇ」
突然だが、もし、この会話をフィオナちゃんやらラルフ君が指差した相手に聞かれていたらどうなっていただろうか、という思考を巡らせてみる。
「……言葉遣いが不味いって、こういうのもあるんだね」
「あ、はは……そう、ですね……」
幸いなことに、フィオナちゃん達は、この会話を私達以外に聞かれないよう、小声で話してくれている。ちゃんと約束をしておいた私、グッジョブっと、自分で自分を褒めておかなければ、何だか色々な危険性を目の当たりにして、泣きたくなりそうだった。
……ちなみに、フィオナちゃんが『頭がおかしい』と言った相手は、別に猟奇的な考えを持った犯罪者、とかではなく、ただ変わったファッションでモヒカンにしている男であり、ラルフ君が見ているのは、黄色いドリルヘアーな少女であって……。
「って、あれって、エルドン侯爵家のご令嬢!?」
お姉様が居ない三年の間に、あのタヌキ……じゃなかった、ハウエル・ル・エルドン侯爵は、事故で亡くなった遠縁の親戚の娘を引き取って育てることになったらしく、色々と四苦八苦しているらしい。一応、昔、お姉様の味方になってくれた男性貴族であり、後に、陛下にそこそこ信頼されていた方だということが判明した侯爵。派閥の調整役をそっと行っていた彼は、今、ラルフ君が指差した黄色いドリルヘアーな少女に翻弄されている。というのも……。
「確か、ハウエル侯爵に求婚しているご令嬢、だったっけ?」
そんなセイの言葉に、私はコクコクとうなずく。
ハウエル侯爵は、一度は結婚したものの、妻となった女性をとある事件で失ってしまっている。後継者となる子供も居ない状態で、後妻を娶ることもなく過ごしていた彼は、いい歳をしたおっさんなのだが、そのおっさんに、一回り以上年下なご令嬢が、しかも、遠縁の親戚の娘で、今は自分の養女という立場のご令嬢が求婚しているらしいのだ。もちろん、ロリコンの誹りは受けたくないであろうハウエル侯爵は、その求婚を断っているものの、彼女に諦める様子はないということは社交界でも有名な話だった。
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「…………僕が行ってくるから、ミーシャは引率をお願い」
「私が行きたい、けど、そういうわけにはいかないよね……」
こんなことならば、不測の事態への対処要員として、近衛騎士でも連れてくるのだったと思いながら、私は、たった一人、孤独に危険物達の引率を引き受けることとなった。
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