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第一章 帰還と波乱
第三十一話 これからのこと
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ミーシャが慌てて説明しているのを横目に、私は、この宝飾店で足りないものに目をつけて、本当にそれが存在しないのか、店内を回る。
「どうしたの? ユレイラ?」
「うん、黒い宝石がないなって思って……」
ブラックダイヤモンドやらオニキスやらといった宝石は、私達が黒目黒髪だからと差別されていた頃でさえ存在していた。というか、わりと色々な衣装に合わせやすいのと、強いアクセントになる色だということで、それなりに需要はあったのだ。だから、どんな宝飾店に入ろうとも、それらの宝石が全く見当たらないというのはほぼあり得ない。
「確かに、そうだね」
「気のせいかもしれないけど、もしかしたら、ティアルーン国が何か影響してるのかもね」
そんな会話をイリアス様と行った後は、比較的平和に観光を済ませて、城へ帰ることとなった。
「ところで、お姉様達は、この先、どうなさるおつもりですか? 観光に来たのであれば、私、また監視役にされると思うので、色々心構えとか、覚悟とかが必要なんですけど……」
観光を終えた翌日、城に宿泊した私の元にやってきたミーシャの問いに、私は頭を悩ませる。
「うーん、最初はね? 生存報告をしようかなぁくらいの気持ちで来たんだけど、フィー達を見ていると、少しは人間のことを学ばせた方が良いかなぁと思い始めてね?」
そんな私の言葉に、ミーシャは嫌な予感がするとばかりに頬を引つらせる。
「フィー達を学園に通わせるのは「却下ですっ!!」……でも、後々関わることを考えたら必要だと思うよ?」
「後々? どういう、ことですか?」
咄嗟にといった様子で拒絶したミーシャだったものの、私の言葉で思い留まったらしい。
「そう、だね。とりあえず、イリアスとルクレチアの破壊装置に関しては、今のところ、発動することはないと思うの。ただね? フィーと、それとラルフ君は、ちょっと特殊な神で、どうしても人間との関わりが深くなるタイプの神なの」
そうして、私は、ミーシャにだけ、フィオナとラルフの神としての力を説明する。
「罪悪感を司る神に、純真の神……しかも、人間にそれを付与することが求められるって、分量を間違えたら、大変なことになりますよ!?」
フィオナは、イリアスの断罪を司る神としての性質に近いものを受け継いだらしく、罪悪感を司る神として生まれてきた。人間の感情や性質を司る神は、たいてい、それを人間に付与することで、成長していく。そのため、ラルフも、純真さを人間に付与する必要がある。ただ……。
「そう、大変なことになる。二人はまだ子供だから、力の加減が分からないってこともあるけど、今のうちに人間のことを学ばせておかないと、後々、成長のために力を行使するようになった時、人間界は混乱に陥るよ」
ちょっとの罪で罪悪感に押し潰される人間や、純真さが強過ぎて利用されるだけの人間が量産されたらどうなるか、という問題。少し考えるだけで、様々な問題が起こりそうだというのは誰にでも理解できるはずだ。何せ、こういった性質は、神であれば一つの世界に丸ごと付与、という形を取るのだから……。
「ち、ちなみに、お姉様から見て、フィオナちゃんやラルフ君が付与しなくちゃならなくなりそうな時期は……?」
「多分、五年以内じゃないかなぁと」
そう告げると、ミーシャはそのまま頭を抱えた。
「どうしたの? ユレイラ?」
「うん、黒い宝石がないなって思って……」
ブラックダイヤモンドやらオニキスやらといった宝石は、私達が黒目黒髪だからと差別されていた頃でさえ存在していた。というか、わりと色々な衣装に合わせやすいのと、強いアクセントになる色だということで、それなりに需要はあったのだ。だから、どんな宝飾店に入ろうとも、それらの宝石が全く見当たらないというのはほぼあり得ない。
「確かに、そうだね」
「気のせいかもしれないけど、もしかしたら、ティアルーン国が何か影響してるのかもね」
そんな会話をイリアス様と行った後は、比較的平和に観光を済ませて、城へ帰ることとなった。
「ところで、お姉様達は、この先、どうなさるおつもりですか? 観光に来たのであれば、私、また監視役にされると思うので、色々心構えとか、覚悟とかが必要なんですけど……」
観光を終えた翌日、城に宿泊した私の元にやってきたミーシャの問いに、私は頭を悩ませる。
「うーん、最初はね? 生存報告をしようかなぁくらいの気持ちで来たんだけど、フィー達を見ていると、少しは人間のことを学ばせた方が良いかなぁと思い始めてね?」
そんな私の言葉に、ミーシャは嫌な予感がするとばかりに頬を引つらせる。
「フィー達を学園に通わせるのは「却下ですっ!!」……でも、後々関わることを考えたら必要だと思うよ?」
「後々? どういう、ことですか?」
咄嗟にといった様子で拒絶したミーシャだったものの、私の言葉で思い留まったらしい。
「そう、だね。とりあえず、イリアスとルクレチアの破壊装置に関しては、今のところ、発動することはないと思うの。ただね? フィーと、それとラルフ君は、ちょっと特殊な神で、どうしても人間との関わりが深くなるタイプの神なの」
そうして、私は、ミーシャにだけ、フィオナとラルフの神としての力を説明する。
「罪悪感を司る神に、純真の神……しかも、人間にそれを付与することが求められるって、分量を間違えたら、大変なことになりますよ!?」
フィオナは、イリアスの断罪を司る神としての性質に近いものを受け継いだらしく、罪悪感を司る神として生まれてきた。人間の感情や性質を司る神は、たいてい、それを人間に付与することで、成長していく。そのため、ラルフも、純真さを人間に付与する必要がある。ただ……。
「そう、大変なことになる。二人はまだ子供だから、力の加減が分からないってこともあるけど、今のうちに人間のことを学ばせておかないと、後々、成長のために力を行使するようになった時、人間界は混乱に陥るよ」
ちょっとの罪で罪悪感に押し潰される人間や、純真さが強過ぎて利用されるだけの人間が量産されたらどうなるか、という問題。少し考えるだけで、様々な問題が起こりそうだというのは誰にでも理解できるはずだ。何せ、こういった性質は、神であれば一つの世界に丸ごと付与、という形を取るのだから……。
「ち、ちなみに、お姉様から見て、フィオナちゃんやラルフ君が付与しなくちゃならなくなりそうな時期は……?」
「多分、五年以内じゃないかなぁと」
そう告げると、ミーシャはそのまま頭を抱えた。
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