悪役令嬢の神様ライフ

星宮歌

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第二章 異質な神界

第百話 着々と準備を

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 嫌がらせとして思い浮かぶのは、泥水をかけたり、突き飛ばしたり、画鋲を仕込んだり、閉じ込めたり、私物をメチャクチャにしたりなどでしょうか。そういったものを並べ立てた結果、私達の結論はこうでした。


「やはり、生温い、ですよね?」


 レレアの言葉に、私も大きく賛同する。何せ、相手は私達よりも上位の神。もしかしたら、回復能力が私達以上に早かったり、痛みを感じなかったりするかもしれないのです。ですから、私達は、それらを各々で多少アレンジすることにいたしました。


「泥水じゃなくて、腐敗の神謹製のヘドロをかけるのはどうでしょう?」

「突き飛ばすのは、威力を高めるよりも、突き飛ばした先に何を置くかが重要ですよねっ」

「画鋲……どんな効果を持たせるのが面白いでしょうか?」


 そんな風に、キャッキャと楽しくお喋りをしていると、私はようやく、これが女友達とのお喋りというものなのかと実感してきます。


「あっ、そういえば、暴漢に襲わせる、なんていうのも、定番ですよね?」


 様々な計画を立てて、終盤のところで、私達は少しだけ、暴漢役を誰にするか悩み……背後で必死に何も聞いてないフリをしている二人へと目を向けます。


「ロードさん、エイリーンさん、暴漢役、引き受けてくださいませんか?」


 ちゃんと、どういう風に襲うのか、というところは話し合い済みです。だから、後は二人が了承してくれるのを待つだけなのですが……。


「あ、え、えぇっと、ですね……その、計画は本気で……?」

「はい、もちろんです」

「……ワタシ、それはもう、嫌がらせの域を超えてると思うわ」

「そんなことはありませんよ? だって、殺すつもりは欠片も・・・ないのですから」


 むしろ、ジックリジワジワと苦しめることが目的……ではなくて、相手に目的を吐かせることが目的なのだから、簡単に殺すはずがありません。


「二人とも、多分、了承しておかないと、さらに大変になるよ」


 何だか引き受けてくれそうにない様子を見て、どこかの神を操ってみようかと考え始めた頃に、ラルフがそう、二人に告げます。


「分かりました。お引き受けします」

「わ、分かったわよっ。引き受けるわっ」


 どうやら、ラルフは可愛い上に天才のようです。あっという間に二人を説得してみせたその姿に、私は嬉しくなってしまいます。


「では、その日が近くなったら、また詳しい打ち合わせをしましょう」


 そうして、私達は、嫌がらせのために、準備を始めました。
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