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第二章 異質な神界
第百八話 逸らした目(ピンク頭視点)
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あの黒いスライムは、大したことのない攻撃魔法だけで、あっさりと消滅した。ただ、道具達は無残な姿のままで、それだけを見るのであれば嫌がらせを受けたと主張できるようなものだった。実際は、そんな状況とはかけ離れているわけだが……。
「くっ……これも、全部、全部っ、悪役令嬢のせいよっ!!」
嫌がらせの黒幕は悪役令嬢で間違いないと思っている私は、ひとまず、悪役令嬢のクラスへと乗り込むことにする。何だかんだで、今は授業時間。きっとそこに、悪役令嬢フィオナが存在するはずだと信じて、私は走る。そして……。
「は……? バカンスに行った……?」
「はい、フィオナさんは、レレアさんを誘ってバカンスに向かったそうです。まぁ、授業なんてあってないようなものですし、そういう申請をする生徒も多いので誰も気にしていませんが……」
授業中であるはずの教室に突入すれば、そこには教師は存在せず、ただ、生徒同士が楽しくおしゃべりをしている空間だった。
(た、確かに、学校の授業とかに関する細かい設定はしなかったけどっ。規則だって、厳密にしなかったけどっ!)
それでも、バカンスとはいったい何事だと思う私は間違っているのだろうか?
「か、帰るのは、いつになるかとかは……?」
「さぁ、もしかしたら、年単位で帰らないかもしれないとは聞いていますが……」
(年!? ちょっ、ゲームが終わるっ! というか、嫌がらせの犯人がとっくに逃亡してるってどういうこと!?)
これでは、悪役令嬢へ抗議することすらできない。ただ……。
「そ、そう。分かったわ」
これで嫌がらせは終わる。私は、愚かにもそう思ってしまった。学校に居ないのに嫌がらせを行う意味などないと。これ以上悪いことは起こらないのだと、そう、思い込んでしまった。それが間違いだと気づくのは、その日の放課後だった。
「そういうわけで、もう悪役令嬢が居ないのよ」
「えー、それって、ゲームとして大丈夫?」
「多分、ね。悪役令嬢は、ヒロインに嫌がらせをして、ヒロインの愛のための障害になるって役割だったから、居ないと攻略が難しくはなるけど、そこは代役を作ればいいし」
「……代役?」
嫌なことを聞いた、とでも言うかのような聖の神に、私はニッコリと笑ってみせる。
「当然、あんたが代役よ? 悪役令嬢さん?」
「待って!? 俺、男っ!!」
性転換の魔法くらい、こいつも知っているはずなので、その抗議は無視する。ただ、性転換の魔法は、一度使えば十年間くらいは元の性別に戻れないので、使いたくない神も居る。
「ちゃんと穴埋めしないと、破滅するのは私達なんだから」
「……でも、いずれは破滅なんだよねー」
それを言われると、確かにそうだとは思う。そもそもが、現実を直視したくなくて、世界を弄ぶ方向へ流れたのが私達なのだから……。
「……仕方ないでしょう。それでも、私達は、最期は面白おかしく暮らしたいって道を選んだんだから」
だから、引き返せはしない。上位世界では、私達の取り締まりどころではないだろうから、追われることもない。破滅までのカウントダウンを、私達は、ただ、目を逸らして見ないようにし続けていた。
「くっ……これも、全部、全部っ、悪役令嬢のせいよっ!!」
嫌がらせの黒幕は悪役令嬢で間違いないと思っている私は、ひとまず、悪役令嬢のクラスへと乗り込むことにする。何だかんだで、今は授業時間。きっとそこに、悪役令嬢フィオナが存在するはずだと信じて、私は走る。そして……。
「は……? バカンスに行った……?」
「はい、フィオナさんは、レレアさんを誘ってバカンスに向かったそうです。まぁ、授業なんてあってないようなものですし、そういう申請をする生徒も多いので誰も気にしていませんが……」
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(た、確かに、学校の授業とかに関する細かい設定はしなかったけどっ。規則だって、厳密にしなかったけどっ!)
それでも、バカンスとはいったい何事だと思う私は間違っているのだろうか?
「か、帰るのは、いつになるかとかは……?」
「さぁ、もしかしたら、年単位で帰らないかもしれないとは聞いていますが……」
(年!? ちょっ、ゲームが終わるっ! というか、嫌がらせの犯人がとっくに逃亡してるってどういうこと!?)
これでは、悪役令嬢へ抗議することすらできない。ただ……。
「そ、そう。分かったわ」
これで嫌がらせは終わる。私は、愚かにもそう思ってしまった。学校に居ないのに嫌がらせを行う意味などないと。これ以上悪いことは起こらないのだと、そう、思い込んでしまった。それが間違いだと気づくのは、その日の放課後だった。
「そういうわけで、もう悪役令嬢が居ないのよ」
「えー、それって、ゲームとして大丈夫?」
「多分、ね。悪役令嬢は、ヒロインに嫌がらせをして、ヒロインの愛のための障害になるって役割だったから、居ないと攻略が難しくはなるけど、そこは代役を作ればいいし」
「……代役?」
嫌なことを聞いた、とでも言うかのような聖の神に、私はニッコリと笑ってみせる。
「当然、あんたが代役よ? 悪役令嬢さん?」
「待って!? 俺、男っ!!」
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「……でも、いずれは破滅なんだよねー」
それを言われると、確かにそうだとは思う。そもそもが、現実を直視したくなくて、世界を弄ぶ方向へ流れたのが私達なのだから……。
「……仕方ないでしょう。それでも、私達は、最期は面白おかしく暮らしたいって道を選んだんだから」
だから、引き返せはしない。上位世界では、私達の取り締まりどころではないだろうから、追われることもない。破滅までのカウントダウンを、私達は、ただ、目を逸らして見ないようにし続けていた。
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