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第二章 異質な神界
第百九話 嫌がらせの日々8(ピンク頭視点)
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聖の神との打ち合わせは、当然、使われていない教室で行っている。転入生としてこの学校に入学することとなったソイツは、ため息を吐きながらどっかりと木製の椅子へ腰掛ける。
「とりあえず、悪役令嬢とやらをやれば元の流れに戻せるんだよね?」
「そうよ。多少のアクシデントはあったけど、攻略対象者として定めていた男神はまだ居るんだから、ソイツらを落とせば問題ないもの」
「……分かった。じゃあ、頑張ってみるよ」
放課後の打ち合わせ。それは、もうこれで解散という方向に進むはずで、私もコイツも、それを疑ってはいなかった。悪役令嬢は勝手に退散したのだから問題ないなど……今思えば、人間のゲームの感覚に縛られ過ぎていたとしか思えない。神同士の諍いが、ただその場に相手の神が居ないからというだけの理由でなくなるはずがないなんて、思い至りもしなかった。だから……。
「っ、停電?」
突如として教室を照らしていた明かりが消える。ただ、その程度であれば、周りが見えなくなるなんてことはない。これは、ただの演出に過ぎないということに、この時点では気づきもしなかった。
ガンッという外からの音とともに、教室の扉が折れる。
「「っ!?」」
何かが来る。それを察知して、私も聖の神も臨戦態勢に入る。戦いに属する神ではないとはいえ、私もコイツも、上位世界の神。簡単に負けるようなことはない……はずだった。
ポクポクポクポクと、何か耳慣れない、気の抜けるような音が、同じリズムで流れ始める。ヒュウヒュウと風の音が聞こえ出し、部屋の温度が徐々に下がっていく。
(氷漬けにするつもりでもなさそうだけど……)
「…………ねぇ、これ、何となく何だけど、何か分かったかも」
「っ、何よっ」
隣に立つ聖の神へと問い正せば、ソイツは、すぐに答えることなく口籠る。その様子に苛立って、私はソイツへと顔を向けて……随分と青ざめている様子に気づく。
「確か、さ……。ホラーっていうジャンルが、人間の世界にはあるんだよ、ね」
ホラーといえば、私はあまり興味を持てなかったジャンルだ。何やら、怖い話らしいが、怖いものを見たいという気持ちが分からない。
「だ、だから?」
「……つまりは、こういうのって、ホラーっぽい展開というか……もしかしたら、幽霊でも召喚されてるのかも……?」
「ゆ、幽霊くらいなら問題は「問題は、これが嫌がらせの延長かもしれないってことだよっ」なっ……」
思い出すのは、あまりにもエゲツない嫌がらせの記憶。そして、今回はホラーというジャンルに則った嫌がらせかもしれない。その事実に、私は心底震え上がった。
「とりあえず、悪役令嬢とやらをやれば元の流れに戻せるんだよね?」
「そうよ。多少のアクシデントはあったけど、攻略対象者として定めていた男神はまだ居るんだから、ソイツらを落とせば問題ないもの」
「……分かった。じゃあ、頑張ってみるよ」
放課後の打ち合わせ。それは、もうこれで解散という方向に進むはずで、私もコイツも、それを疑ってはいなかった。悪役令嬢は勝手に退散したのだから問題ないなど……今思えば、人間のゲームの感覚に縛られ過ぎていたとしか思えない。神同士の諍いが、ただその場に相手の神が居ないからというだけの理由でなくなるはずがないなんて、思い至りもしなかった。だから……。
「っ、停電?」
突如として教室を照らしていた明かりが消える。ただ、その程度であれば、周りが見えなくなるなんてことはない。これは、ただの演出に過ぎないということに、この時点では気づきもしなかった。
ガンッという外からの音とともに、教室の扉が折れる。
「「っ!?」」
何かが来る。それを察知して、私も聖の神も臨戦態勢に入る。戦いに属する神ではないとはいえ、私もコイツも、上位世界の神。簡単に負けるようなことはない……はずだった。
ポクポクポクポクと、何か耳慣れない、気の抜けるような音が、同じリズムで流れ始める。ヒュウヒュウと風の音が聞こえ出し、部屋の温度が徐々に下がっていく。
(氷漬けにするつもりでもなさそうだけど……)
「…………ねぇ、これ、何となく何だけど、何か分かったかも」
「っ、何よっ」
隣に立つ聖の神へと問い正せば、ソイツは、すぐに答えることなく口籠る。その様子に苛立って、私はソイツへと顔を向けて……随分と青ざめている様子に気づく。
「確か、さ……。ホラーっていうジャンルが、人間の世界にはあるんだよ、ね」
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「だ、だから?」
「……つまりは、こういうのって、ホラーっぽい展開というか……もしかしたら、幽霊でも召喚されてるのかも……?」
「ゆ、幽霊くらいなら問題は「問題は、これが嫌がらせの延長かもしれないってことだよっ」なっ……」
思い出すのは、あまりにもエゲツない嫌がらせの記憶。そして、今回はホラーというジャンルに則った嫌がらせかもしれない。その事実に、私は心底震え上がった。
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