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第二章 異質な神界
第百十三話 嫌がらせの日々10(ピンク頭視点)
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私達は、きっと、学習していなかった。嫌がらせが終わったなどという事実はどこにもないというのに、今、この瞬間は安全だと錯覚していたのだ。
聖の神が扉へと体を向けたところで、それは発覚した。
「っ、何? 引き止めるつもり?」
「え?」
私には、聖の神が勝手に立ち止まったように見えた。しかし、聖の神からするとそれは違うらしい。
「引き止めたって無駄だよ。俺は、ゲームの神を殺して、こんな馬鹿げたゲームから抜け出すんだから」
『違う』。そう言いかけたところで、私は気づいてしまった。
「……ねぇ、私を捕まえてるのって、あんたじゃない、よね?」
「は? 何言って……」
コイツと私が同じ状況かどうかなんて分からない。ただ、私は、足を動かそうとして動かないことに気づいただけなのだから……。
「……もしかして…………嫌がらせ……?」
ただ、私の様子に何かを感じたのか、コイツも同じ答えに辿り着いたようだった。しかし、気づいたところで遅い。私もコイツも、足を絡め取られて、全く身動きが取れないのだから。
「あ、はは……今度は、何をするっていうのよっ」
汚水を浴びせ、毒を盛り、悪評を広め、閉じ込める。字面だけを見れば、それは乙女ゲームに出てくる悪役令嬢がやりそうなことではあるものの、色々と規模が違う。というか、嫌がらせの域を明らかに超えたものばかりだ。
必死に叫んでみるものの、もう、私は自分で自覚できるくらい、恐怖で震えていた。この嫌がらせは、何というか、精神に直接来るものばかりなのだ。絶対に嫌だと泣き叫ぶ私の様子を楽しんでいるのかもしれないと思えるくらいに、やり口が悪質だ。
「えっ? ちょっ!? そこまで!? いや、俺も怖くなってきたんだけど!?」
ただ、まだ直接狙われたことがなかったコイツには、余裕があるらしい。不安そうにしながらも、そんなツッコミを入れられる辺り、まだ、この嫌がらせの恐怖を理解していないのだと分かる。
「あ、あぁ……」
もう、泣きたい。もう、ヒロインになってみたいだなんて思わないから、世界を破滅させようとも思わないから、どうか、許してほしい。そう、懇願したくなったところで……私は、天井からポトリ、と落ちてきた何かへと視線を吸い寄せられる。確実に災厄の前触れであろうそれの正体を、見たくもないのに見てしまう。
「……なぁんだ、虫の死骸じゃん」
『怖がって損した』などと笑うコイツは、これが序章でしかないことに気づいていない。
「……」
次に何が起こるのか予想できない私は、ただただ、震える体を抱き締めて、嫌がらせが終わることだけを願う。しかし……。
ポトリ、と、また一つ、虫の死骸が落ちてきた。
聖の神が扉へと体を向けたところで、それは発覚した。
「っ、何? 引き止めるつもり?」
「え?」
私には、聖の神が勝手に立ち止まったように見えた。しかし、聖の神からするとそれは違うらしい。
「引き止めたって無駄だよ。俺は、ゲームの神を殺して、こんな馬鹿げたゲームから抜け出すんだから」
『違う』。そう言いかけたところで、私は気づいてしまった。
「……ねぇ、私を捕まえてるのって、あんたじゃない、よね?」
「は? 何言って……」
コイツと私が同じ状況かどうかなんて分からない。ただ、私は、足を動かそうとして動かないことに気づいただけなのだから……。
「……もしかして…………嫌がらせ……?」
ただ、私の様子に何かを感じたのか、コイツも同じ答えに辿り着いたようだった。しかし、気づいたところで遅い。私もコイツも、足を絡め取られて、全く身動きが取れないのだから。
「あ、はは……今度は、何をするっていうのよっ」
汚水を浴びせ、毒を盛り、悪評を広め、閉じ込める。字面だけを見れば、それは乙女ゲームに出てくる悪役令嬢がやりそうなことではあるものの、色々と規模が違う。というか、嫌がらせの域を明らかに超えたものばかりだ。
必死に叫んでみるものの、もう、私は自分で自覚できるくらい、恐怖で震えていた。この嫌がらせは、何というか、精神に直接来るものばかりなのだ。絶対に嫌だと泣き叫ぶ私の様子を楽しんでいるのかもしれないと思えるくらいに、やり口が悪質だ。
「えっ? ちょっ!? そこまで!? いや、俺も怖くなってきたんだけど!?」
ただ、まだ直接狙われたことがなかったコイツには、余裕があるらしい。不安そうにしながらも、そんなツッコミを入れられる辺り、まだ、この嫌がらせの恐怖を理解していないのだと分かる。
「あ、あぁ……」
もう、泣きたい。もう、ヒロインになってみたいだなんて思わないから、世界を破滅させようとも思わないから、どうか、許してほしい。そう、懇願したくなったところで……私は、天井からポトリ、と落ちてきた何かへと視線を吸い寄せられる。確実に災厄の前触れであろうそれの正体を、見たくもないのに見てしまう。
「……なぁんだ、虫の死骸じゃん」
『怖がって損した』などと笑うコイツは、これが序章でしかないことに気づいていない。
「……」
次に何が起こるのか予想できない私は、ただただ、震える体を抱き締めて、嫌がらせが終わることだけを願う。しかし……。
ポトリ、と、また一つ、虫の死骸が落ちてきた。
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