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第二章 異質な神界
第百十二話 仲間割れ(ピンク頭視点)
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重い沈黙が、室内を満たす。しかし、それは仕方のないことだった。どう考えても、この世界に上位の神を簡単に追い詰めて殺せる存在が居るという結論に達してしまうのだから。そして、それがもしかしたら、あの悪役令嬢に関係のある神かもしれないとなると、もはや、ゲームどころではない。
「に、逃げる?」
「どこに逃げるって言うのよっ。私達は、ゲームで縛られてるのよ!?」
そう、私達は、自分達の有利な状況に進めるために行った、この世界の乙女ゲーム化によって、行動を縛られている。最初は、その縛りこそがゲームを楽しむためのエッセンスだったのに、なぜ、こんなことになったのか分からない。
「……なら、せめて悪役令嬢と話し合い、とか?」
「……今までさんざん、貶めておいて、今更話し合いに応じてくれるはずないじゃない。ここは、攻勢一択よっ」
そう、私達に和解という手段は取れない。とにかく、このゲームをヒロインのハッピーエンドで終わらせなければ、私達は全てを失う。破滅が目前だからと、安易に魂を賭けてしまった私達は、このゲームに失敗すれば、魂ごと消滅してしまうのだから……。
「攻勢って……俺達を甚振って殺せるような化け物を相手に? 無茶でしょ!?」
「無茶でもなんでも、やるしかないじゃない! そうでなきゃ、私達は終わりなのよ!?」
「終わりなのは、もう、確定だよっ! だったら、俺はせめて、自分でケリをつけるっ!」
「なっ、どういう意味よっ」
破滅が間近なのは、私だって分かっている。聖の神が怒る理由も、魂の消滅を避けたい気持ちも分かる。しかし、それですんなり納得できるわけもなく、気づけば、私は反論していた。
「決まってる。俺は、ゲームを司る神を殺して、ゲームを強制終了させる」
ゲームを司る神は、私達と同じ上位世界の神だ。つまりは、聖の神が一人で向かったところで、簡単に倒せるような相手ではない、ということ。それに……。
「強制終了って……そんなことをしたら、この世界が丸ごと吹き飛びかねないわよ!?」
ゲームを司る神によってゲーム化されたこの世界は、その神が死ぬことによって多大な影響を受ける。『丸ごと吹き飛ぶ』というのも、過去に似たような事例があるからこそ言えることであり、大げさでも何でもない。
「それでも、魂が消滅するよりはマシだよ」
そう言い捨てて、聖の神は、踵を返した。
「に、逃げる?」
「どこに逃げるって言うのよっ。私達は、ゲームで縛られてるのよ!?」
そう、私達は、自分達の有利な状況に進めるために行った、この世界の乙女ゲーム化によって、行動を縛られている。最初は、その縛りこそがゲームを楽しむためのエッセンスだったのに、なぜ、こんなことになったのか分からない。
「……なら、せめて悪役令嬢と話し合い、とか?」
「……今までさんざん、貶めておいて、今更話し合いに応じてくれるはずないじゃない。ここは、攻勢一択よっ」
そう、私達に和解という手段は取れない。とにかく、このゲームをヒロインのハッピーエンドで終わらせなければ、私達は全てを失う。破滅が目前だからと、安易に魂を賭けてしまった私達は、このゲームに失敗すれば、魂ごと消滅してしまうのだから……。
「攻勢って……俺達を甚振って殺せるような化け物を相手に? 無茶でしょ!?」
「無茶でもなんでも、やるしかないじゃない! そうでなきゃ、私達は終わりなのよ!?」
「終わりなのは、もう、確定だよっ! だったら、俺はせめて、自分でケリをつけるっ!」
「なっ、どういう意味よっ」
破滅が間近なのは、私だって分かっている。聖の神が怒る理由も、魂の消滅を避けたい気持ちも分かる。しかし、それですんなり納得できるわけもなく、気づけば、私は反論していた。
「決まってる。俺は、ゲームを司る神を殺して、ゲームを強制終了させる」
ゲームを司る神は、私達と同じ上位世界の神だ。つまりは、聖の神が一人で向かったところで、簡単に倒せるような相手ではない、ということ。それに……。
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「それでも、魂が消滅するよりはマシだよ」
そう言い捨てて、聖の神は、踵を返した。
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