悪役令嬢の神様ライフ

星宮歌

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第二章 異質な神界

第百二十二話 それぞれの道

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「それは、私が足手まといということですか? それとも……」

「正直に申し上げると、足手まといです」


 私は、隠すことなく本音を告げます。するとやはり、レレアはショックを受けたような表情を浮かべます。だから、私はさっさと続きを話すことにしました。


「ですので、レレアには特に私から望むことはありません。もちろん、この世界が混乱している状況はそれとは関係なしに存在するので、そちらはどうにかしなければならないかもしれませんが、ね?」

「この世界の状況、ですか……」

「えぇ、だって、今のままであれば、私がここに戻ってきた時に、この世界そのものがないかもしれませんし、そうなっては寂しいですよね」


 実際、この世界はあのピンク頭達のせいで滅茶苦茶に荒らされています。これを立て直して元に戻すのは、例え神といえどそれなりの時間を要することとなります。


「……前から思っていましたが、フィーちゃん達はきっと、別の世界からきたのですよね」

「えぇ、そうですね。この世界に来た時には驚きましたが、とりあえずは根本を除くことに成功したのです。……次に来た時、私がどう思うかはレレア達次第ですね」


 笑みを浮かべてレレアに告げると、レレアは私と同じ笑みを浮かべます。おそらくは、『不敵な笑み』と呼ばれるそれを。


「あら、フィオナはこの世界の本当の素晴らしさを知らないようですね。では、フィオナが戻るまでに、何が何でも立て直してみせますよ」

「ふふふっ、期待していますよ。レレア」

「ちょっ、ちょっと待てよ! 何で、何でっ、そんな、世界の滅亡が回避される前提で話せるんだ!」


 ようやくレレアとの仲直り(?)が果たされたところで邪魔をしてくるデクノボウ。ですが、彼の懸念も理解できます。なので……。


「それはもちろん、実際に回避するからです。そもそも、神と呼ばれる存在がそう簡単に諦めて良いと思うのですか? 神として、世界を預かる責任を持つ私達が諦めれば、何もかもが失われます。ならば、私達は、最善を尽くして、全力を振り絞って、世界を脅かす元凶を追い詰めなければならない。そういうものでしょう?」


 当然、ラルフを守るという意識が強いのも確かでしたが、きっと、デクノボウはこう言った方が理解できるでしょう。現に、彼は今度こそ完全に沈黙しました。正論を前に、反論することはできないのでしょう。


「では、レレア。しばしお別れです。解決したら、ラルフと結婚して、そちらへ向かいますので、少し遅くなるかもしれません」

「いえ、その時は私も結婚式に呼んでくださいよっ!?」

「嫌です。格好いいラルフを見て良いのは私だけです」

「いや、私はフィーちゃんを見たいんですけども!?」

「ちゃんと写真は撮りますので、ご心配なく。何なら、ここでウェディングドレス姿になっても「いえ、分かりました。私も、彼を敵に回したくはないので、新婚旅行にこちらへ来てください」はい、では、そうさせていただきますね」


 レレアが妙なことを言ってはいましたが、とりあえず、ラルフの格好いい姿を見せないことに成功して、私は最後の挨拶をすることにします。


「では、レレア。私は行きますね」

「はい。私も、この世界を頑張って立て直します」


 お互いに、互いを心配するような失礼な言葉はかけません。ただただ、相手ができることを信じて、突き進むのみです。


「っ、待って、くれ! 俺もっ、俺もっ、連れてってくれ!」


 ただ、そんな私を引き留めるデクノボウが存在するなどとは、思ってもみませんでした。
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