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第二章
第五十二話 リア充めっ
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振り返れば、いつの間にか、セインさんが私の背後に立っていた。
女性用の更衣室やシャワールームから化粧ルームに至るまでの道程は、確かに開けた空間になっている。聞けば、シャワールームから一番近い化粧ルームは満員とのことだったので、少し離れた方へ向かうことになっていたのだが、そちらが不人気な理由が良く分かる。
お、お化粧、まだ、してないのに……。
男女関係なく通れる場所であるため、すっぴん状態を見られてしまう可能性があるのだ。
「セイン、さん……」
さすがに、乙女心としては恥ずかしさが勝る。そう思ってうつむけば、どうやらセインさんを勘違いさせてしまったらしく……。
「リコさん? ……お前達、リコさんに何をしたのですか?」
「「「「ひっ!」」」」
こんな小物にどうこうされるはずがないのに、セインさんは怒ってくれる。
それが怒る、程度ではなく、殺気を放つレベルのものだとは思わず、私は誤解を解こうとセインさんの服の裾をつんつんと引っ張る。
「何も、なかった、です。セインさん、来てくれて、ありがとう、ございます」
「本当に? 怪我も何もないのですか?」
「は、い。大、丈夫、です。ただ……」
「ただ?」
「「「「っ!」」」」
セインさんの目が据わったことも知らず、私は乙女心を晒す。
「その……まだ、すっぴん、で……恥ずかしい、です」
「…………っ」
「…………? セイン、さん?」
懸命に、理由を話したにもかかわらず返事がない。それを不審に思って顔を上げれば、なぜか両手で顔を覆っているセインさんが居た。
「えっと……?」
「すみません、精神が軟弱だったので、精神統一をしているところです」
「……精神、統一……?」
なぜ、そんなことになっているのか、心当たりが全く無い。しかし、彼女達は違ったらしく……。
「う、うわぁぁぁあっ! リア充爆発しろーっ!」
「甘酸っぱい通り越してるのよーっ!」
「砂糖! 糖分しかないっ!」
「お似合いのバカップルめーっ!!」
なぜか、涙目で、奇妙なことを叫びながら尻尾を巻いて逃げていく。
結局、あの人達は何をしたかったのかな??
良くは分からなかったが、ひとまずセインさんと二人っきりになって……ポスッと頭の上に何かが載せられる。
「その、リコさんに似合うだろうな、と思って、帽子を買っていました。これなら、隠せますよね」
つばの広い麦わら帽子。ピンクのリボンが巻き付けてあり、合間合間に小さな造花が縫い付けられているそれは、大人っぽくも可愛らしいもの。
その時点ではそんな細かいところまでは分からなかったものの、セインさんからのプレゼントというだけで気分が上昇する。
「あ、りがとう。セイン、さん」
「はい。では、化粧ルーム、に向かっていたのでしょうか? 途中まで護衛をさせていただいても?」
「ふふっ、よろしく、お願い、します」
差し出された手をそっと握って、私は今度こそ、化粧ルームへと向かった。
女性用の更衣室やシャワールームから化粧ルームに至るまでの道程は、確かに開けた空間になっている。聞けば、シャワールームから一番近い化粧ルームは満員とのことだったので、少し離れた方へ向かうことになっていたのだが、そちらが不人気な理由が良く分かる。
お、お化粧、まだ、してないのに……。
男女関係なく通れる場所であるため、すっぴん状態を見られてしまう可能性があるのだ。
「セイン、さん……」
さすがに、乙女心としては恥ずかしさが勝る。そう思ってうつむけば、どうやらセインさんを勘違いさせてしまったらしく……。
「リコさん? ……お前達、リコさんに何をしたのですか?」
「「「「ひっ!」」」」
こんな小物にどうこうされるはずがないのに、セインさんは怒ってくれる。
それが怒る、程度ではなく、殺気を放つレベルのものだとは思わず、私は誤解を解こうとセインさんの服の裾をつんつんと引っ張る。
「何も、なかった、です。セインさん、来てくれて、ありがとう、ございます」
「本当に? 怪我も何もないのですか?」
「は、い。大、丈夫、です。ただ……」
「ただ?」
「「「「っ!」」」」
セインさんの目が据わったことも知らず、私は乙女心を晒す。
「その……まだ、すっぴん、で……恥ずかしい、です」
「…………っ」
「…………? セイン、さん?」
懸命に、理由を話したにもかかわらず返事がない。それを不審に思って顔を上げれば、なぜか両手で顔を覆っているセインさんが居た。
「えっと……?」
「すみません、精神が軟弱だったので、精神統一をしているところです」
「……精神、統一……?」
なぜ、そんなことになっているのか、心当たりが全く無い。しかし、彼女達は違ったらしく……。
「う、うわぁぁぁあっ! リア充爆発しろーっ!」
「甘酸っぱい通り越してるのよーっ!」
「砂糖! 糖分しかないっ!」
「お似合いのバカップルめーっ!!」
なぜか、涙目で、奇妙なことを叫びながら尻尾を巻いて逃げていく。
結局、あの人達は何をしたかったのかな??
良くは分からなかったが、ひとまずセインさんと二人っきりになって……ポスッと頭の上に何かが載せられる。
「その、リコさんに似合うだろうな、と思って、帽子を買っていました。これなら、隠せますよね」
つばの広い麦わら帽子。ピンクのリボンが巻き付けてあり、合間合間に小さな造花が縫い付けられているそれは、大人っぽくも可愛らしいもの。
その時点ではそんな細かいところまでは分からなかったものの、セインさんからのプレゼントというだけで気分が上昇する。
「あ、りがとう。セイン、さん」
「はい。では、化粧ルーム、に向かっていたのでしょうか? 途中まで護衛をさせていただいても?」
「ふふっ、よろしく、お願い、します」
差し出された手をそっと握って、私は今度こそ、化粧ルームへと向かった。
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