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第二章
第六十七話 後悔2(ゼラフ視点)
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俺の父には、領地経営の才能がなかったらしい。
そのため、祖父は、領地経営の才能がある令嬢を父の婚約者としてあてがっていたのだ。しかし、その女は死に、領地経営のことなど何も分からない平民の母と結婚した。
さらに悪いことに、曾祖父の代は荒れていたらしく、祖父が家を継ぐ頃には、爵位返上の瀬戸際という状態だったらしい。それをどうにか祖父が持ち直し、父の代で公爵家としての威厳を取り戻す手筈だったのだ。
つまりは……父が母と結婚した以上、俺の代で持ち直さなければ、ドーマック家はなくなるというわけだ。
リコと婚約破棄をした直後は、父も母も俺を肯定してくれていた。父は『役に立たない黒豹など必要ない』と言うし、母は『傷物令嬢なんて、ゼラフの相手にするわけにはいかないわっ』と言っていた。
俺が幼い頃は、家計が逼迫していて、裕福で黒豹というステータスを持つリコと俺が婚約することで、援助を求めていたらしいが、今なら問題ないとのことで、その時の俺はそれを鵜呑みにして、運命の番を捕まえようと、そればかりを考えていた。
「なっ、居ないとはどういうことだ!!」
運命の番を捕まえるため、そして、リコを排除するためにも色々と動いていた俺は、あの店から番の存在が感じられなくなって、すぐに店へと怒鳴り込んだ。
あの魔族は、リコと同じように俺を邪魔しようとしているらしく、他の魔族に店を警護させているようで、今日まで、店に近づくことすらできなかった。そして今日、警護が居なくなったのは喜ばしいが、番の存在も感じ取れないという状況になっていたのだ。
「どういうこと、と申されましても、我々も貴方様の番の方がどなたか分かっておりませんし」
「だったら、今日居るはずなのに居ない人間がどこに居るのか吐け!」
どこか飄々とした様子で対応する店員に怒鳴れば、そいつは少し考える素振りを見せて、大袈裟なくらいに大きく手を打つ。
「あぁっ! そういえば、昨日退職した店員がおりますよ! 寿退職でしてね。いやぁ、めでたいことです! お相手は魔族の方で、彼女が片翼だとのことでした。ここ最近、この店を警護しながら、熱烈にアピールしておられまして、我々としても喜んでいるのですよ」
ニッコリと笑みを浮かべて告げられた内容に、俺は青ざめる。
この店を警護していた魔族、だと……?
その魔族は、俺のことを何か聞かされていたのか、俺が近づくだけで凄まじい殺気をぶつけてきていた。そして、俺はそんな魔族が恐ろしくて、ずっと店に近づけなかったのだ。
「な、なら、そいつは……」
「さぁ? 新婚旅行で世界中を旅するとは聞きましたが?」
俺は、ドーマック家の嫡男で、そう簡単に国外に行ける身分ではない。いや、そもそも、世界中を旅する相手をどうやって見つければ良いのか、全く見当もつかない。
そうして、項垂れながら帰った俺を待ち受けて居たのは、厳しい表情をした祖父と、騎士達だった。
そのため、祖父は、領地経営の才能がある令嬢を父の婚約者としてあてがっていたのだ。しかし、その女は死に、領地経営のことなど何も分からない平民の母と結婚した。
さらに悪いことに、曾祖父の代は荒れていたらしく、祖父が家を継ぐ頃には、爵位返上の瀬戸際という状態だったらしい。それをどうにか祖父が持ち直し、父の代で公爵家としての威厳を取り戻す手筈だったのだ。
つまりは……父が母と結婚した以上、俺の代で持ち直さなければ、ドーマック家はなくなるというわけだ。
リコと婚約破棄をした直後は、父も母も俺を肯定してくれていた。父は『役に立たない黒豹など必要ない』と言うし、母は『傷物令嬢なんて、ゼラフの相手にするわけにはいかないわっ』と言っていた。
俺が幼い頃は、家計が逼迫していて、裕福で黒豹というステータスを持つリコと俺が婚約することで、援助を求めていたらしいが、今なら問題ないとのことで、その時の俺はそれを鵜呑みにして、運命の番を捕まえようと、そればかりを考えていた。
「なっ、居ないとはどういうことだ!!」
運命の番を捕まえるため、そして、リコを排除するためにも色々と動いていた俺は、あの店から番の存在が感じられなくなって、すぐに店へと怒鳴り込んだ。
あの魔族は、リコと同じように俺を邪魔しようとしているらしく、他の魔族に店を警護させているようで、今日まで、店に近づくことすらできなかった。そして今日、警護が居なくなったのは喜ばしいが、番の存在も感じ取れないという状況になっていたのだ。
「どういうこと、と申されましても、我々も貴方様の番の方がどなたか分かっておりませんし」
「だったら、今日居るはずなのに居ない人間がどこに居るのか吐け!」
どこか飄々とした様子で対応する店員に怒鳴れば、そいつは少し考える素振りを見せて、大袈裟なくらいに大きく手を打つ。
「あぁっ! そういえば、昨日退職した店員がおりますよ! 寿退職でしてね。いやぁ、めでたいことです! お相手は魔族の方で、彼女が片翼だとのことでした。ここ最近、この店を警護しながら、熱烈にアピールしておられまして、我々としても喜んでいるのですよ」
ニッコリと笑みを浮かべて告げられた内容に、俺は青ざめる。
この店を警護していた魔族、だと……?
その魔族は、俺のことを何か聞かされていたのか、俺が近づくだけで凄まじい殺気をぶつけてきていた。そして、俺はそんな魔族が恐ろしくて、ずっと店に近づけなかったのだ。
「な、なら、そいつは……」
「さぁ? 新婚旅行で世界中を旅するとは聞きましたが?」
俺は、ドーマック家の嫡男で、そう簡単に国外に行ける身分ではない。いや、そもそも、世界中を旅する相手をどうやって見つければ良いのか、全く見当もつかない。
そうして、項垂れながら帰った俺を待ち受けて居たのは、厳しい表情をした祖父と、騎士達だった。
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