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第一章 幼少期編
第九十四話 お説教2
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「それと、情報を得る手段を確立しなさい」
「情報、ですか?」
「そうだ」
貴族としての在り方を諭された後に出てきたその言葉に、私は素早く思考を巡らせる。
(現代社会は情報社会と呼ばれるほど、様々な情報があった。でも、この世界では、自ら動かなきゃ情報は入ってこない。……何をするにしても、情報は重要ってことかな?)
「その様子だと、どういう意味かは分かったようだな」
「はい、お父様。情報は、大切なものを守るためにも、敵を貶めるためにも必要、ということですね?」
「そうだ。此度の件は、流石に王家が隠していた作戦だったため、意味はあまりなかったかもしれないが、情報を持つかどうかだけでも、その場で有利に事を運ぶことができる。新鮮な情報は、貴族が生き残るためには最も必要とされるものだ」
(新鮮な情報があれば、イルト様を守れるだろうか?)
お父様の話は、とても良く理解できた。だからこそ、私はその力をさっさと得て、イルト王子のために役立てたいと思ってしまう。
(そのためには……)
「分かりました。お父様。では、私は早急に情報を得て、選別する手段を確立し、王妃様をお救いしてみせます」
「そうそう……って、ちょっと待て、ユミリア? なぜ、そこでそんな大層な話になる!?」
「王妃様はイルト様にとって大切な方。そして、私はイルト様を守りたい。となれば、王妃様を助けるのは当然のことかと?」
「いやっ、それは騎士に任せておくべきことで、ユミリアが行うべきことでは「それに、利点は十分ありますっ」利点?」
慌てるお父様を前に、私はニッコリと笑ってみせる。
「はい、私が王妃様をお救いすることで、私は本格的に『王家の守り人』とやらに認められるでしょう。そして、それだけの功績を出した私を表立って批判する力のある貴族が、いったいどれだけ居ることか。イルト様の婚約者としても、ここで認めてもらえれば、貴族達は余計に手出しができなくなる。あぁ、その前に、イルト様の地位向上もしておかないといけないですねっ。早速、あの作戦を実行する環境を整えないとっ」
ポカーンと口を開けるお父様を前に、セイ達は背後で頭を抱えている。
元々、私自身の頭が悪いということはない。ただ、五歳という年齢に引きずられて行動していたに過ぎない。無意識に思考をセーブし、恋する乙女の力を出し続けていた状態だったのだ。しかし、お父様の貴族としての自覚を促す言葉で、その枷は外れた。今ならば、大人と対等に渡り合えるほどの思考能力を発揮することは可能だ。
「ユ、ユミリアちゃん? それは、さすがに無謀というものでは……? ユミリアちゃんが怪我をするのは、絶対に嫌ですわよっ!」
ショックが大きかったのか、今まで口を挟まないようにしていたお継母様が、そんな心配を口にする。恐らくは、先ほどから話したそうにしていたのは、これに近いことだったのだろう。
心配を如実に現したお継母様の瞳を、私は一直線に見返す。
「心配ご無用ですよ。私とて、一人で立ち向かうような愚行はいたしません。しっかりと、策を弄しますので。納得がいかなければ、策の説明だっていたします」
そう話せば、しばらく私を見つめ続けていたお継母様は視線を逸らし、ため息を吐く。
「この強引なところは、ガイアス様に似たのかしら?」
「……否定できない」
仕方ないとばかりに笑うお継母様に、お父様は眉を寄せて困った子を見るような表情で眺めてくる。
「……分かった。では、何か行動に移す時は、必ず私に報告をすることを約束してほしい」
「もちろん、約束します」
悩んだ末に、勝手に行動されるよりは、事前に行動内容を知っていられた方が良いと判断したお父様によって、私は、そんな約束を取りつける。
これが後に、お父様に甚大なダメージをもたらす約束となるのだが、この時は、まだ誰も、そんなことは知らなかった。
「情報、ですか?」
「そうだ」
貴族としての在り方を諭された後に出てきたその言葉に、私は素早く思考を巡らせる。
(現代社会は情報社会と呼ばれるほど、様々な情報があった。でも、この世界では、自ら動かなきゃ情報は入ってこない。……何をするにしても、情報は重要ってことかな?)
「その様子だと、どういう意味かは分かったようだな」
「はい、お父様。情報は、大切なものを守るためにも、敵を貶めるためにも必要、ということですね?」
「そうだ。此度の件は、流石に王家が隠していた作戦だったため、意味はあまりなかったかもしれないが、情報を持つかどうかだけでも、その場で有利に事を運ぶことができる。新鮮な情報は、貴族が生き残るためには最も必要とされるものだ」
(新鮮な情報があれば、イルト様を守れるだろうか?)
お父様の話は、とても良く理解できた。だからこそ、私はその力をさっさと得て、イルト王子のために役立てたいと思ってしまう。
(そのためには……)
「分かりました。お父様。では、私は早急に情報を得て、選別する手段を確立し、王妃様をお救いしてみせます」
「そうそう……って、ちょっと待て、ユミリア? なぜ、そこでそんな大層な話になる!?」
「王妃様はイルト様にとって大切な方。そして、私はイルト様を守りたい。となれば、王妃様を助けるのは当然のことかと?」
「いやっ、それは騎士に任せておくべきことで、ユミリアが行うべきことでは「それに、利点は十分ありますっ」利点?」
慌てるお父様を前に、私はニッコリと笑ってみせる。
「はい、私が王妃様をお救いすることで、私は本格的に『王家の守り人』とやらに認められるでしょう。そして、それだけの功績を出した私を表立って批判する力のある貴族が、いったいどれだけ居ることか。イルト様の婚約者としても、ここで認めてもらえれば、貴族達は余計に手出しができなくなる。あぁ、その前に、イルト様の地位向上もしておかないといけないですねっ。早速、あの作戦を実行する環境を整えないとっ」
ポカーンと口を開けるお父様を前に、セイ達は背後で頭を抱えている。
元々、私自身の頭が悪いということはない。ただ、五歳という年齢に引きずられて行動していたに過ぎない。無意識に思考をセーブし、恋する乙女の力を出し続けていた状態だったのだ。しかし、お父様の貴族としての自覚を促す言葉で、その枷は外れた。今ならば、大人と対等に渡り合えるほどの思考能力を発揮することは可能だ。
「ユ、ユミリアちゃん? それは、さすがに無謀というものでは……? ユミリアちゃんが怪我をするのは、絶対に嫌ですわよっ!」
ショックが大きかったのか、今まで口を挟まないようにしていたお継母様が、そんな心配を口にする。恐らくは、先ほどから話したそうにしていたのは、これに近いことだったのだろう。
心配を如実に現したお継母様の瞳を、私は一直線に見返す。
「心配ご無用ですよ。私とて、一人で立ち向かうような愚行はいたしません。しっかりと、策を弄しますので。納得がいかなければ、策の説明だっていたします」
そう話せば、しばらく私を見つめ続けていたお継母様は視線を逸らし、ため息を吐く。
「この強引なところは、ガイアス様に似たのかしら?」
「……否定できない」
仕方ないとばかりに笑うお継母様に、お父様は眉を寄せて困った子を見るような表情で眺めてくる。
「……分かった。では、何か行動に移す時は、必ず私に報告をすることを約束してほしい」
「もちろん、約束します」
悩んだ末に、勝手に行動されるよりは、事前に行動内容を知っていられた方が良いと判断したお父様によって、私は、そんな約束を取りつける。
これが後に、お父様に甚大なダメージをもたらす約束となるのだが、この時は、まだ誰も、そんなことは知らなかった。
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