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第二章 少女期 瘴気編
第百六十二話 メリーの感謝
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とにもかくにも、やるべきことは明確だ。犯人を探し出して、メリーとユーリックを狙った目的を聞き出した後、しかるべき機関で裁いてもらう。しかし、そう意気込む私に、ローランが待ったをかける。
「ユミリア様、ここは、俺達に任せてくれ。元はといえば、俺達の詰めが甘かったことが原因なんだ」
そんなことはないと反論しかけた私は、ローランの真剣な瞳を前に、言葉を詰まらせる。
「頼む。俺達に、挽回のチャンスをくれっ」
「……分かっ「待って、ユミリア」イルト様?」
ローランに許可を与えようとしたところで、イルト様から止められる。その瞬間、ローランはイルト様へ困惑の視線を向けるが、恐らく、それは私も同じだ。
「ユミリア。本当に、彼らが犯人を取り逃がしていたと思うの?」
そのイルト様の疑問を皮切りに、今まで黙って聞いていた三人組とミーシャが反応する。
「確かに、妙ですね。彼らの実力は相当なものです。生半可な人間は逃げることなんて不可能だと思われますし」
「ローランさんが取り逃がすはずねぇだろっ」
「……ユミリア様、僕も、同じ考えです」
「お姉様、まずは、魔王が関係していないか、調べた方が良いのでは?」
それぞれの主張に、私はその疑念に納得していた。確かに、いくら何でも、ローラン達が簡単に敵を見逃すとは思えない。もし、それをしてしまったと言うのであれば、それは、ローラン達をも上回る力を持つ者が背後に控えているという可能性もある。
「いや、けど、あの頃にはまだ魔王なんて……」
「いいえ、十分に考えられます」
現在に至るまで、私達は幾度も、魔王が原因と思われる事態に直面してきていた。そして、それらを総合して考えるに……魔王の狙いは、私であるとの結論が出た。
「もし、私に前世の記憶がなければ、メリーを失った私は、確実に追い詰められたはずです。それこそ、命を失うかもしれないくらいに」
そう話せば、ローランだけでなく、疑念を抱いていた面々が全員、息を呑む。今、この場にいるメンバーには、私が前世の記憶持ちであることを話している。そして……。
「……もしかして、ゲームのユミリアが幼少の頃に失った乳母って、メリーさんのことだったりしますか?」
ミーシャも、私と同じ、前世の記憶持ちだった。
「そう。だから、私はこの世界に生まれて、すぐに万能薬を作ることを決意したの」
「ユミリア、お嬢様……?」
初耳だと言わんばかりに驚くメリー。本来ならば死んでいたのだと聞かされれば、きっとショックを受けるだろうと思って、今まで黙ってはいたが、もう言わないわけにはいかなかった。
「私が生まれて初めて定めた目標は、メリーの命を救うこと。その過程で、セイ、鋼、ローランと出会って、友達になったりもして……どうにか、万能薬の材料を揃えることに成功したの」
改めて、あの頃のことを話せば、メリーは青い瞳を潤ませる。
「ユミリアお嬢様、私は……」
「メリー? 私は、私がやりたいことをやっていただけなの。だから、謝るのはなしよ?」
謝りそうな気配を察して釘を刺せば、メリーは一度、口を閉ざす。そして……フワリと、私は、メリーに抱き締められる。
「ありがとう、ございます。ユミリアお嬢様。この恩は、一生をかけてお返ししますね?」
やたらと重い決意を話すメリーに、私はすぐ、一生なんてかけなくて良いとは言ったものの、メリーはニコニコと微笑むだけで、全く聞いてくれている様子はない。
「ユミリア。その話は、後でじっくりと聞かせてもらいたいな」
「は、はい……」
そして、そんなメリーを無視した、どこか怖い雰囲気のイルト様の言葉に、私は、訳も分からず承諾した。
「ユミリア様、ここは、俺達に任せてくれ。元はといえば、俺達の詰めが甘かったことが原因なんだ」
そんなことはないと反論しかけた私は、ローランの真剣な瞳を前に、言葉を詰まらせる。
「頼む。俺達に、挽回のチャンスをくれっ」
「……分かっ「待って、ユミリア」イルト様?」
ローランに許可を与えようとしたところで、イルト様から止められる。その瞬間、ローランはイルト様へ困惑の視線を向けるが、恐らく、それは私も同じだ。
「ユミリア。本当に、彼らが犯人を取り逃がしていたと思うの?」
そのイルト様の疑問を皮切りに、今まで黙って聞いていた三人組とミーシャが反応する。
「確かに、妙ですね。彼らの実力は相当なものです。生半可な人間は逃げることなんて不可能だと思われますし」
「ローランさんが取り逃がすはずねぇだろっ」
「……ユミリア様、僕も、同じ考えです」
「お姉様、まずは、魔王が関係していないか、調べた方が良いのでは?」
それぞれの主張に、私はその疑念に納得していた。確かに、いくら何でも、ローラン達が簡単に敵を見逃すとは思えない。もし、それをしてしまったと言うのであれば、それは、ローラン達をも上回る力を持つ者が背後に控えているという可能性もある。
「いや、けど、あの頃にはまだ魔王なんて……」
「いいえ、十分に考えられます」
現在に至るまで、私達は幾度も、魔王が原因と思われる事態に直面してきていた。そして、それらを総合して考えるに……魔王の狙いは、私であるとの結論が出た。
「もし、私に前世の記憶がなければ、メリーを失った私は、確実に追い詰められたはずです。それこそ、命を失うかもしれないくらいに」
そう話せば、ローランだけでなく、疑念を抱いていた面々が全員、息を呑む。今、この場にいるメンバーには、私が前世の記憶持ちであることを話している。そして……。
「……もしかして、ゲームのユミリアが幼少の頃に失った乳母って、メリーさんのことだったりしますか?」
ミーシャも、私と同じ、前世の記憶持ちだった。
「そう。だから、私はこの世界に生まれて、すぐに万能薬を作ることを決意したの」
「ユミリア、お嬢様……?」
初耳だと言わんばかりに驚くメリー。本来ならば死んでいたのだと聞かされれば、きっとショックを受けるだろうと思って、今まで黙ってはいたが、もう言わないわけにはいかなかった。
「私が生まれて初めて定めた目標は、メリーの命を救うこと。その過程で、セイ、鋼、ローランと出会って、友達になったりもして……どうにか、万能薬の材料を揃えることに成功したの」
改めて、あの頃のことを話せば、メリーは青い瞳を潤ませる。
「ユミリアお嬢様、私は……」
「メリー? 私は、私がやりたいことをやっていただけなの。だから、謝るのはなしよ?」
謝りそうな気配を察して釘を刺せば、メリーは一度、口を閉ざす。そして……フワリと、私は、メリーに抱き締められる。
「ありがとう、ございます。ユミリアお嬢様。この恩は、一生をかけてお返ししますね?」
やたらと重い決意を話すメリーに、私はすぐ、一生なんてかけなくて良いとは言ったものの、メリーはニコニコと微笑むだけで、全く聞いてくれている様子はない。
「ユミリア。その話は、後でじっくりと聞かせてもらいたいな」
「は、はい……」
そして、そんなメリーを無視した、どこか怖い雰囲気のイルト様の言葉に、私は、訳も分からず承諾した。
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