悪役令嬢の生産ライフ

星宮歌

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第二章 少女期 瘴気編

第二百二話 クリスタルロード攻略13(セイ視点)

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 殿下いじりも一段落して、僕達は、着実にクリスタルロードを攻略していた。ただし、階段はどちらの階段を選ぶのが正解なのか分からず、とりあえずは下に続く階段を選んでいる。


(まぁ、下の方が魔力が濃いから、合ってるとは思うんだけど……)


 僕の種族は、星妖精。伝説の、魔法のスペシャリストだ。魔石に魔力を込めずとも魔法を行使することが可能であり、浄化魔法などの特殊な魔法を除けば、ほぼ全ての魔法を使える。そのため、ユミリアが『サーチ』と言っていた探索の魔法だって使える。


「こっちの道が近いよ」

「分かった。行こう」


 つまりは、階段の場所を迷うことなく見つけることができる。ついでに……。


「あっ、魔物が大量発生するトラップもあるから、気をつけてねっ」

「分かった」


 トラップも、魔物の存在も、看破できてしまう。


(メリーさん達の反応は、もうちょっと下だね。でも、ミーシャの反応はまだない、と……)


 できることなら、ミーシャには上の安全な場所に居てもらえたらと思うものの、どこに飛ばされたか分からないため、油断はできない。


(あんまり下の層だと、ミーシャは危険だろうな……)


 恐らくは、僕達が最初に居た層より上ならば、ミーシャ一人でも生き抜けるくらいだと思えたが、今居る層や、さらにその下となると、生存率はどんどん下がっていく。


「ここ、何層くらいあるんだろう?」


 一時間ほどで、十層下った僕達だが、まだまだ底は見えない。かろうじて、三層目にボスらしき存在が居たため、そこが区切りの良い階層だろうとは思えたが、それ以上のことは分からない。


「さぁ? そもそも、こんな場所が存在するという事実を、僕も今日まで知らなかったからな。兄さんなら、何か文献の知識を引っ張ってこれたかもしれないが……」


 イルト殿下に尋ねるものの、やはり、この場所に関する情報は乏しい。


(そういえば、ユミリアが、世界最大のダンジョンは、千層まであるとか言ってた気がするな……)


 さすがに、そんな広大なダンジョンだとは思わないものの、一応は覚悟しておくべきなのかもしれない。

 かなりのペースで下へ、下へと下りていくと、ようやく、メリーさん達が居る階層に到着する。メリーさん達の方は、どの道が正解なのか導き出せる者が居ないので、僕達がハイペースで進めば追い付けたというわけだ。


「ここには、メリーさん達が居る。合流して、下に進もう」

「ミーシャ嬢は、一緒に居るか?」

「いや、残念ながら……まだ、僕の魔法に引っ掛からないよ」


 イルト殿下には、僕の魔法についてはしっかりと教えている。範囲は、だいたい上も下も十層ずつくらいが把握できる状態だ。


「……ミーシャ嬢が居れば、少しはこの状況への説明も聞けたかもしれないが……せめて、安全な場所に居ることを祈ろう」

「そう、だね」


 珍しく、ユミリアや兄王子以外に気遣いを見せたイルト殿下に、僕は少しだけ驚くものの、イルト殿下はそんな僕を気にすることなく、ナメクジ型の魔物を切り裂いて、さっさと歩き出す。


「次は?」

「右、だよ」


 魔物を屠り、とにかく、合流を目指す僕達は……数分歩き続けた結果、ようやく、メリーさん達と合流するのだった。
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