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第二章 少女期 瘴気編
第二百十二話 失踪を知って(ハイル視点)
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ユミリア嬢が行方をくらませたという事実を知ったのは、ユミリア嬢が失踪した二日後だった。
「ユミリア嬢が!? どういうことだ!!」
「ハイル、ここは抑えなさい。もちろん、説明はしていただけるのでしょう?」
二日後の現在、俺とティト、ディランの三人は、城の一室に呼ばれて、アルト殿下から説明を受けていた。俺もティトもディランも、ユミリア嬢には多大な恩がある。その中でも、家族の命を救ってもらったディランなどはユミリア嬢の失踪を聞いて言葉を発することもできないほどに青ざめている。
「もちろん、説明はする。その上で、ユミリア嬢に関する情報操作に手を貸してほしい」
「なっ、待てよ! そんなことより、ユミリア嬢の捜索が優先じゃないのかよっ!!」
椅子から勢い良く立ち上がり、椅子が倒れる大きな音が響いたところで、俺はアルト殿下を睨む。何があったのかは知らないが、ユミリア嬢を見つけることが何よりも先だろうと声を荒げるが、アルト殿下の表情は変わらない。
「もちろん、捜索はしている。だが、相手はあのユミリア嬢だ。自分の意思で姿を消した以上、ユミリア嬢が姿を消した原因に変化が起こらない限り、彼女が戻ってくる可能性は薄い。だから、ユミリア嬢が戻ってきた時、妙な噂を流されて居心地が悪くなるなんて事態を避けたい」
「っ、それはっ、けどっ」
「……ハイル。殿下の言うことはもっともです。まずは、話を聞きましょう」
そんな落ち着いたティトの声に反論しようとそちらへ視線を向けたところで、俺は、ティトが今までに見たことがないくらいの無表情で感情を圧し殺している様子を見て、口にしかけた言葉を呑み込む。
「ありがとう。ティト」
「いいえ、これも全ては、ユミリア様のためです」
倒れた椅子を戻して席に着けば、アルト殿下は、その日、何が起こったのかを教えてくれた。
「原因は……ユミリア嬢が、居なくならなきゃいけなかった原因は、分かっているんですか?」
話を聞きながら終始青ざめていたディランの問いかけに、アルト殿下は『残念ながら』と首を横に振る。
「……原因究明と対策、そして、情報操作が我々の役割ですか?」
「原因究明と対策は、こちらでも行うが、もし、少しでも手がかりがあるのであれば、共有したい。情報操作の方は、現在、アルテナ公爵夫人の協力を仰いで、夫人が病に倒れ、ユミリア嬢がお見舞いに向かっているということにしている。今日には、その情報が出回るはずだ」
「なるほど、では、その情報をコントロールするのが我々の役目ですね?」
「そうだ」
ティトが中心になって、アルト殿下と話をするのを聞きながら、俺はどうしてもユミリア嬢のことが心配でしかたなかった。規格外の力を持っているとはいえ、ユミリア嬢は女性だ。逃げた先で、何かのトラブルに巻き込まれないとも限らない。そして、万が一、男がユミリア嬢に手を出そうものなら……。
(う、うぉおっ、イルト殿下が、滅茶苦茶こえぇっ!!)
心配は心配でも、なぜかイルト殿下の方へ思考をシフトさせてしまった俺は、震え上がる。
「では、具体的な話を詰めていきましょう」
ユミリア嬢の捜索となれば、俺の体力が続く限り、捜索し続けるつもりではあったものの、どうやら今回は、ティトの領分だと判断して、俺は、ティトの指示に従うことにした。
「ユミリア嬢が!? どういうことだ!!」
「ハイル、ここは抑えなさい。もちろん、説明はしていただけるのでしょう?」
二日後の現在、俺とティト、ディランの三人は、城の一室に呼ばれて、アルト殿下から説明を受けていた。俺もティトもディランも、ユミリア嬢には多大な恩がある。その中でも、家族の命を救ってもらったディランなどはユミリア嬢の失踪を聞いて言葉を発することもできないほどに青ざめている。
「もちろん、説明はする。その上で、ユミリア嬢に関する情報操作に手を貸してほしい」
「なっ、待てよ! そんなことより、ユミリア嬢の捜索が優先じゃないのかよっ!!」
椅子から勢い良く立ち上がり、椅子が倒れる大きな音が響いたところで、俺はアルト殿下を睨む。何があったのかは知らないが、ユミリア嬢を見つけることが何よりも先だろうと声を荒げるが、アルト殿下の表情は変わらない。
「もちろん、捜索はしている。だが、相手はあのユミリア嬢だ。自分の意思で姿を消した以上、ユミリア嬢が姿を消した原因に変化が起こらない限り、彼女が戻ってくる可能性は薄い。だから、ユミリア嬢が戻ってきた時、妙な噂を流されて居心地が悪くなるなんて事態を避けたい」
「っ、それはっ、けどっ」
「……ハイル。殿下の言うことはもっともです。まずは、話を聞きましょう」
そんな落ち着いたティトの声に反論しようとそちらへ視線を向けたところで、俺は、ティトが今までに見たことがないくらいの無表情で感情を圧し殺している様子を見て、口にしかけた言葉を呑み込む。
「ありがとう。ティト」
「いいえ、これも全ては、ユミリア様のためです」
倒れた椅子を戻して席に着けば、アルト殿下は、その日、何が起こったのかを教えてくれた。
「原因は……ユミリア嬢が、居なくならなきゃいけなかった原因は、分かっているんですか?」
話を聞きながら終始青ざめていたディランの問いかけに、アルト殿下は『残念ながら』と首を横に振る。
「……原因究明と対策、そして、情報操作が我々の役割ですか?」
「原因究明と対策は、こちらでも行うが、もし、少しでも手がかりがあるのであれば、共有したい。情報操作の方は、現在、アルテナ公爵夫人の協力を仰いで、夫人が病に倒れ、ユミリア嬢がお見舞いに向かっているということにしている。今日には、その情報が出回るはずだ」
「なるほど、では、その情報をコントロールするのが我々の役目ですね?」
「そうだ」
ティトが中心になって、アルト殿下と話をするのを聞きながら、俺はどうしてもユミリア嬢のことが心配でしかたなかった。規格外の力を持っているとはいえ、ユミリア嬢は女性だ。逃げた先で、何かのトラブルに巻き込まれないとも限らない。そして、万が一、男がユミリア嬢に手を出そうものなら……。
(う、うぉおっ、イルト殿下が、滅茶苦茶こえぇっ!!)
心配は心配でも、なぜかイルト殿下の方へ思考をシフトさせてしまった俺は、震え上がる。
「では、具体的な話を詰めていきましょう」
ユミリア嬢の捜索となれば、俺の体力が続く限り、捜索し続けるつもりではあったものの、どうやら今回は、ティトの領分だと判断して、俺は、ティトの指示に従うことにした。
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