悪役令嬢の生産ライフ

星宮歌

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第二章 少女期 瘴気編

第三百一話 竜神様救出作戦!2(ローラン視点)

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 ユミリア様が説明する内容は、簡単に言えば、竜神様の精神世界に俺が潜り込んで、瘴気を神気に反転させること、らしい。神気と瘴気が精神由来の力であるならば、その精神に干渉することで、その力を反転させることは可能だというのが、ユミリア様の意見だった。


「いや、けどよ。それなら、竜神様が心を改めた段階で、元に戻ってもおかしくねぇんじゃないんですか?」

「それは違うよ。だって、その理論でいくなら、彼は、何度も瘴気に呑まれているし、神気を取り戻してもいるはずだから」

「それは、どういう……?」


 意味が理解できない俺に、ユミリア様は、丁寧に説明してくれる。ユミリア様が言うには、当然ながら、竜神様といえど心の揺れ動きはあるわけで、負の感情も正の感情も、何度も味わってきたはずだと。しかし、それでも、神気を纏うことに変わりはなかったことを考えれば、その性質の反転は、大きなきっかけが、感情がなければ起こり得ないのだと。


「ローランには、彼に強い感情を抱かせて、性質を反転させるように仕向けてもらうことになる」


 そう説明するユミリア様。そして、もちろんのこと、その危険性も説明してくれる。


「ローランは、今からこの人の精神世界に入り込んで、記憶の追体験をしてもらう。きっとそれは、自分を強く持っていなければ呑まれてしまうようなもの。だから、ローランは、目的を忘れることなく、自我を保ったまま、彼の心を動かさなくちゃならない」

「っ、呑まれてしまったら、ローランは、どうなるのですか……?」


 そう問う竜神様へユミリア様は冷たく一瞥すると、端的に答える。


「よくて廃人。悪ければ、そのまま死ぬよ」

「っ、ローラン、やはりこんなことは「やりますっ」ローラン!?」


 確かに危険かもしれない。しかし、それでも、俺は竜神様を失いたくないのだ。


「もちろん、こちらでもサポートはするよ? 脳を守る魔導機械に、栄養剤、気付け薬も用意してある。ローランが諦めなければ、必ず、元に戻ることはできるよ」


 そうして、ユミリア様は、頭に被る帽子のような、やはりコードというものが張り巡らされたものや、大きな瓶に紫の液体が入れられ、『気付け薬(危険)』と書かれたラベルが貼られたもの、同じく、黒い液体の入った『栄養剤(特濃・激マズ)』と書かれたものを目の前に出す。


(は、早まった……? い、いや、でも、竜神様を救うんだっ)


 薬瓶に貼られたラベルの文章や薬液の色に恐怖しながらも、俺は、覚悟を決めた。
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