悪役令嬢の生産ライフ

星宮歌

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第三章 少女期 女神編

第三百十八話 提案

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「ユミリア?」


 珍しくも、苛立った様子で私の名前を呼ぶセイ。しかし、それでも、私は同じことを言う。


「ダメだよ。セイ。だって……」


 『一人だけ抜け駆けなんて、許さない』。にっこりと、そう告げれば、セイは一瞬、虚を突かれたような表情を浮かべ、次の瞬間には、困ったような表情を浮かべる。


「えっと……」

「候補は、私、セイ、鋼、ローラン、メリーで、お願い。さぁ、私達は、どこまで条件を満たせてる?」


 言葉を発すると同時に、私は、この場に居ないその面々に、こちらへ来るよう連絡をしておく。そうすれば、ものの数秒で、ローラン以外のメンバーが揃った。


「ユミリアお嬢様。ローランはまだ、起き上がれないようでしたので、引きずって参りました」


 ……訂正。ローランも、一応この場に居た。ただし、ロープで縛られ、グッタリした状態で引きずられて、扉の端で真っ青になっている。


「ローランちゃん!? ちょっと、あんたっ、何してくれひぃっ!?」


 ローランの扱いに抗議をしかけた山の神。ただし、その山の神は、メリーの顔を見た瞬間、一歩退く。


「??」

「何でもございませんよ。そんなことよりも、どのようなご用件でしょうか?」


 メリーの顔を改めて見るものの、特におかしな様子はない。山の神は何を見たんだと思いながらも、私は、軽く事情を説明する。そして……。


「私から見れば、魔力という面で基準に達しているのは、そこの侍女以外。種族という面では、ユミリアと侍女以外、そして、精霊王や妖精王の承認という面では、侍女のみか達成しているという状態ですね」


 最後の判定以外は、概ね予想通り。


「メリー、いつの間に、精霊王や妖精王に会ってたの?」

「精霊王と妖精王……あぁ、アレですね? そういえば、冒険者時代に、接触した記憶はありますね」


 『狂乱のメリー』と呼ばれた彼女が、精霊やら妖精に関わっていてという事実自体が妙な気もするが、竜神様の見立ては正しいらしく、メリーが否定をすることはない。


「みゅう……なら、メリーを案内人にして、精霊王と妖精王のところに押しかける?」

「えっ? いや、待って? そんなに簡単に精霊王や妖精王と会えるわけないからね?」

「大丈夫。私は、ちょーっとだけ、お願いするだけだから」

「あ、あの、ユミリア? ぼく、それは、すごく、その……問題があると……いや、えっと、別に、メリーさんが悪いわけじゃないんだけど、その……」

「大丈夫。何がなんでも、全員でミーシャを助けられるように工夫くらいするから」


 問題など、何一つない。この時は、本気でそう思って、精霊王や妖精王に会うつもりだった。
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