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第三章 少女期 女神編
第三百五十二話 攻め入る方法(メリー視点)
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「まずは、確認を。ユミリア達が見つけた場所は、神界ではない。これは、確実なんだね?」
お嬢様とローランが見つけた、恐ろしい場所。ユミリアお嬢様が手を離せない間に、そちらに関してはちゃんと調べている。
「えぇ。確実です。あの場所は……かつて、神々によって封じられた土地、でしょう」
「そこに、神界へ向かう入り口があるのは、確認できた?」
「はい。それは、しっかりと」
イルト殿下と竜神様が話している内容は、もちろん、ミーシャ様救出に繋げるための会話だ。示された条件を達成する以外で神界へ向かう手段。それは、存在しないものだと思われていたが、ユミリアお嬢様とローランが見つけた場所を示せば、竜神様は記憶の端で、その知識を引っ張り出すことに成功していた。
かつて、この世界がこの世界として成り立つ前に存在していた、とても高度な文明を誇る世界。とても、濃厚な魔力を宿す世界。その世界は、神々へ反逆し、封じられてしまったのだという。
歴史書にも記されていない、とても、とても、古い記憶。竜神様自身も、知識はあれど、その時代に生きていたわけではないため、詳しいことは知らないらしい。
『反逆者』と呼ばれる存在。『混ざりもの』は『反逆者』の魂を持つという影の言葉。それらを統合すれば、自ずと、神々の方針は理解できる。神々に逆らうモノは、弾圧して、その存在を消す。それが、神々の基本理念。ただし、反逆の理由に関しては、まだ分かっていないことの方が多かった。
「入り口は、塞がれてはいましたが、無理矢理こじ開けることは可能です。ただ、あの場所で、ある程度の時間を過ごす必要はありますが」
「それを、僕達が成し遂げられる可能性は?」
「……正直に言えば、無理です。今のままでは」
「可能性があるのは、あんたとそこに転がってる二人。それと、ユミリア様と、今は居ないけど、ローランかしら? あぁっ、あのミルラスって破廉恥な女と、魔王も上手くすればイケるわね」
ユミリアお嬢様でさえ、逃げ出すような危険地帯。それに対抗できるかもしれない存在は、どうやら、予想以上に多い。
イルト殿下、セイ、コウ、ローラン、ミルラス、魔王。全てが、お嬢様の大切な存在だ。
(私に、もっと力があれば……)
人外と、獣つきという特別な力を宿す面々。その中で、S級冒険者といえど、人間の枠から外れることのできなかった私の名前が挙がることはない。
「でもね、それは、時間をかけて鍛えたらの話。ミーシャとかいう人間を助けるのに、そんなに時間はかけられないでしょう?」
神界と人間界の時間の流れ方は違う。しかし、それでも、ミーシャ様がいつまでも無事である保障などない。エイリーンの顔はギャグでしかないが、言っている内容は正論だ。
「諦められないのは分かるけど、どう考えても無茶だとしか思えないわ。今回は、運がなかったと思えないの?」
「ユミリアの大切な友人だ。助けられなければ、ユミリアが悲しむと分かっていて、手を打たないのはあり得ない」
「……私も、無謀だと思います。神界へ行くことのできない私達は、あなた方を助けることもできません。それに、私は、ローランにも、ユミリア様にも、死んでほしくなどありませんっ」
二人の神は、神界へ攻め入ることに関して消極的だ。実際、私も、このままで良いのか迷っていた。ユミリアお嬢様とミーシャ様のどちらかしか助けられないのであれば、私は、迷わずユミリアお嬢様の手を取る。だからこそ、ミーシャ様のために危険にさらされるユミリアお嬢様を前に、どうするのが正しいのか、迷ってしまう。
「……ユミリアには、ここに残っていてもらおうと思ってる」
そう、答えたイルト殿下は、視線を落として、腕の中に居るユミリアお嬢様を、愛しくて堪らないという目で、優しく、見つめていた。
お嬢様とローランが見つけた、恐ろしい場所。ユミリアお嬢様が手を離せない間に、そちらに関してはちゃんと調べている。
「えぇ。確実です。あの場所は……かつて、神々によって封じられた土地、でしょう」
「そこに、神界へ向かう入り口があるのは、確認できた?」
「はい。それは、しっかりと」
イルト殿下と竜神様が話している内容は、もちろん、ミーシャ様救出に繋げるための会話だ。示された条件を達成する以外で神界へ向かう手段。それは、存在しないものだと思われていたが、ユミリアお嬢様とローランが見つけた場所を示せば、竜神様は記憶の端で、その知識を引っ張り出すことに成功していた。
かつて、この世界がこの世界として成り立つ前に存在していた、とても高度な文明を誇る世界。とても、濃厚な魔力を宿す世界。その世界は、神々へ反逆し、封じられてしまったのだという。
歴史書にも記されていない、とても、とても、古い記憶。竜神様自身も、知識はあれど、その時代に生きていたわけではないため、詳しいことは知らないらしい。
『反逆者』と呼ばれる存在。『混ざりもの』は『反逆者』の魂を持つという影の言葉。それらを統合すれば、自ずと、神々の方針は理解できる。神々に逆らうモノは、弾圧して、その存在を消す。それが、神々の基本理念。ただし、反逆の理由に関しては、まだ分かっていないことの方が多かった。
「入り口は、塞がれてはいましたが、無理矢理こじ開けることは可能です。ただ、あの場所で、ある程度の時間を過ごす必要はありますが」
「それを、僕達が成し遂げられる可能性は?」
「……正直に言えば、無理です。今のままでは」
「可能性があるのは、あんたとそこに転がってる二人。それと、ユミリア様と、今は居ないけど、ローランかしら? あぁっ、あのミルラスって破廉恥な女と、魔王も上手くすればイケるわね」
ユミリアお嬢様でさえ、逃げ出すような危険地帯。それに対抗できるかもしれない存在は、どうやら、予想以上に多い。
イルト殿下、セイ、コウ、ローラン、ミルラス、魔王。全てが、お嬢様の大切な存在だ。
(私に、もっと力があれば……)
人外と、獣つきという特別な力を宿す面々。その中で、S級冒険者といえど、人間の枠から外れることのできなかった私の名前が挙がることはない。
「でもね、それは、時間をかけて鍛えたらの話。ミーシャとかいう人間を助けるのに、そんなに時間はかけられないでしょう?」
神界と人間界の時間の流れ方は違う。しかし、それでも、ミーシャ様がいつまでも無事である保障などない。エイリーンの顔はギャグでしかないが、言っている内容は正論だ。
「諦められないのは分かるけど、どう考えても無茶だとしか思えないわ。今回は、運がなかったと思えないの?」
「ユミリアの大切な友人だ。助けられなければ、ユミリアが悲しむと分かっていて、手を打たないのはあり得ない」
「……私も、無謀だと思います。神界へ行くことのできない私達は、あなた方を助けることもできません。それに、私は、ローランにも、ユミリア様にも、死んでほしくなどありませんっ」
二人の神は、神界へ攻め入ることに関して消極的だ。実際、私も、このままで良いのか迷っていた。ユミリアお嬢様とミーシャ様のどちらかしか助けられないのであれば、私は、迷わずユミリアお嬢様の手を取る。だからこそ、ミーシャ様のために危険にさらされるユミリアお嬢様を前に、どうするのが正しいのか、迷ってしまう。
「……ユミリアには、ここに残っていてもらおうと思ってる」
そう、答えたイルト殿下は、視線を落として、腕の中に居るユミリアお嬢様を、愛しくて堪らないという目で、優しく、見つめていた。
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