悪役令嬢の生産ライフ

星宮歌

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第三章 少女期 女神編

第三百六十三話 説明と混乱(イルト視点)

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 闇の使者とは、正確にはどんな種族なのか、よく分かっていない。ただ、とても有名なのが、見たら死ぬという都市伝説的な噂だ。それだけ、闇の使者と呼ばれるものは危険な存在として、語り継がれていた。曰く、その姿は影のように暗い。曰く、人の形に似ている。曰く、幼子くらいの身長しかないなど……。

 黒髪で、影に潜むことができて、人の幼子の形……どれもこれも、実は、ネシスに当てはまっていた。


「闇の使者?」

「正確には……闇人やみびと

「あぁっ! って、それは、私達の世界の種族だよね?」

「ユミリアお嬢様?」


 ユミリアの発言に混乱するメリーを見て、ひとまずは、説明を優先することにする。
 あの世界が、神であった僕とユミリアが作り上げたものであるという説明はもちろんのこと、そもそも、僕達が神であったことから話さなければならないため、大変ではあったが、今は、必要なことだ。
 許容範囲を超えて、放心するメリー達へ、僕は、ネシスについても説明する。


「ネシスは闇人。僕達が作った世界で、闇に呑まれた存在を糧に生きるものとして生み出した存在だ。その形は自由自在で、時には、堕ちた神をも処理できる存在として作った」


 そう言って、チラリと竜神様を見れば、ブルッと震える。
 今のネシスは、確かに、神を倒すだけの力はないだろう。しかし、本来の力を取り戻せば、闇の者に対しては天敵となり得る存在。神として、そうした存在を前に、恐ろしく思うのは当然のことだった。


「ぼく、アリアナ様から、一番、役立てそうな立場……もらった」

「先輩なら、そうすることも可能、ですね」


 ユミリアの言葉通り、それくらいなら、あの女神にも何とかできただろう。ただ、それなりの無理を通してではありそうだが。
 ユミリアも、それには気づいているようで、厳しい表情を浮かべている。


「……分かりました! とにかく、お嬢様は女神をも超える! ということですね!」

「あんた、思考を放棄したわね?」

「エイリーン、仕方ないと思いますよ? そう言うあなただって、さっきから、ユミリア様方へ視線を向けていないではないですか?」

「仕方ないでしょうっ! 無理なもんは無理よっ!」

「ユミリア様もイルト殿下も神……俺は、ユミリア様を主としてるから……天使、になった覚えはねぇぞ??」


 色々と平静を失った面々が、表面上だけでも元通りになったのは、それから、一時間以上後のことだった。
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