天才小児外科医から溺愛されちゃいました

鳴宮鶉子

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大阪にある母子医療センターでの勤務初日。
2ヶ月の夏休み期間、NICU看護師としてバイトに入る。
準夜勤で救命救急センターにも入るから日勤時間帯のみで、モニターや人工呼吸器、輸液ポンプなどの数多くの医療機器の使用方法の説明を受けてから、小さな赤ちゃんの呼吸器の管理や薬剤の管理と投与、母乳・ミルクを与えたりオムツを替えたりというお世話を行う。

「……小さい」

妊娠 22週で産まれた女の子。
278gと超低出生体で、あまりの小ささに目を見開く。

出生体重が小さい赤ちゃんは体のさまざまな機能が未熟なため、呼吸障害、心不全、消化管穿孔、 重症の感染症などが起こりやすく、救命が困難。

「お母さんが妊娠に気づいてなく、切迫早産してしまったケースだね。赤ちゃんの遺伝子検査したけど、染色体に関しては異常なかったって」

だけど、染色体異常はない事から管理に気をつければ無事に育つ。

まさかの妊娠からの出産。
私より若い20歳の女子大生がお母さんで、家族は命の誕生について受け入れられていない。
産後の処置をしている時に、彼女のご両親と交際相手が病院に駆けつけ、いまだに個室内で言い争いが繰り広げられてるらしい。

「さっき産まれてきた28週325gの男の子、大丈夫かな。18トリソミーがあって心室中隔欠損の肺血流増加で緊急帝王切開で出産。今、デバイス閉鎖術と肺血管床保護のための肺動脈絞扼術、動脈管結紮術してる。カテーテル手術だけど、難易度高いんだよね」

新生児小児科の後期研修医の益岡綾音先生が、iPadの電子カルテを私に見て、頭を抱える。

NICUに入院している赤ちゃんがこんなにも早く産まれて、体も小さいとは知らなかった。
出生体重が500g満たない子供が月に15~20人産まれてくるらしい。1000g満たない赤ちゃんは弱々しく、お世話するのが怖い。
気管に入らないよう鼻から管を通してミルクと薬を投与するも、かなり慎重になる。

「18トリソミーの男の子の手術、成功したって!!瀬戸先生、若いけどハーバードで場数踏んでるだけあって天才だよね」

内線電話で赤ちゃんのオペの成功の連絡が入った。

5分後に保育器に入った赤ちゃんがNICUにきて、担当の新生児専門医の先生が先輩看護師にあれこれと指示をする。
食道閉鎖と鎖肛の手術も行った事から、しばらくは母乳ではなく、点滴で栄養補給を行うとの事で、外科的治療でなんとか生きらいている状態だった。





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