天才小児外科医から溺愛されちゃいました

鳴宮鶉子

文字の大きさ
13 / 46

母子医療センターでの研修

しおりを挟む
大阪母子医療センターでの研修が始まった。
産婦人科の研修が先で、週に2回、夜の当直がある。
長期休暇のたびにNICU看護師のバイトに入っていたから顔見知りの看護師さんや若手医師がいて、よく医局やNICUで誕生した赤ちゃんの事で盛り上がる。

「倉沢さん、卵子凍結した?」

専攻医を終え医員として残った新生児専門医を目指している益岡綾音先生。

「……まだ、してないです」

「女医って婚期が遅れるから早いうちに始めた方がいいよ。私、始めたんだけどグレードがいい卵子を凍結したくて生活改善してホルモン剤飲んでるのにグレードがいい卵子が取れない!!」

「……」

益岡綾音先生は32歳。
実家が不妊治療も手がけてる産婦人科を経営しているのもあり、小児科医だけどこの分野について詳しい。

「そろそろ将来のために卵子凍結した方がいいよ」

卵子凍結は考えてはいても、卵子を採取するために産婦人科検診台でM字開脚するのが恥ずかしくてできない。
婦人科検診も受けた方がいいけど、あそこを他人に見られるのが嫌で逃げてる。

涼真先生に卵子凍結の提案をされ、真弓副院長がしてくれると申し出て下さったけど、恥ずかしいから断った。


「不妊治療で授かった子の方が先天性疾患あるよね。卵子と精子の質もあるけど、やっぱり身体から取り出して受精して戻すのは良くないのかな」

卵子はできてても排卵がうまくいかない。精子はあっても体外に放出できない。
手術してもどうしようもできないケースで妊娠ができなかったりする。

子供が欲しいから、体外受精と顕微受精をする。

卵子と精子の質のせいで、体外受精や顕微受精だからというわけではないと思われるけど、なんとも言えない。

妊娠したと言って外来を受診する妊婦の10人に1.5人が流産する。流産した原因を調べると、流産胎児の約70%に染色体異常(主に数の異常)が認められ、このことが原因で流産したと考えられる。

40歳でダウン症の児が生まれる確率は100人に1人くらいで、30歳だとダウン症の児が生まれる確率は1000人に1人くらい。

個人の産婦人科や総合病院では健康な赤ちゃんがたくさん産まれてる。
母子医療センターで働いているから先天性疾患のある赤ちゃんの出産と治療に携わっているから妊娠に対して不安に駆られるも、実際的には確率的に高くない。

「妊娠25週推定体重325g、21トリソミーで心臓の逆流が認められ心拍が弱くなってるからウチに救急搬送で緊急帝王切開からの心臓手術」

初期研修医だからオペには立ち会えない。
だけど、手術の録画ビデオを見せて貰える。

小さすぎるカテーテルによる心臓手術プラス外科的手術。

かなり難しい手術を瀬戸先生は的確に判断して短時間でこなし赤ちゃんの命を救う姿に感動し、過去に手がけた彼の手術の動画を片っ端に見て勉強する。

小児科医研修が始まった。
小児という括りで、循環器や血液腫瘍、呼吸器アレルギー、消化器内分泌などの科あり、初期研修医だから一般的な科を2週ごとにローテイトする研修プログラムが組まれていた。
新生児科は私が希望してたのもあり、最後の1ヶ月だけ入れた。

「倉沢先生、安達と仲良いんだ。なんか親同士が繋がりあるとかで、新生児専門医になれるよう指導してやってって連絡きた」

研修初日に瀬戸先生に声をかけられ、戸惑う。

「救命救急センターでオペ看で機械回ししてた経験あるんだよな。オペの第2執刀医は無理だけど、機械回しなら立ち合っていい」

「ありがとうございます!!」

まさかのオペ立ち合いに心が躍る。
そう毎日はオペは行われない。
NICUに入院している赤ちゃんの回診で1日が終わる。
瀬戸先生が指導医を務めて下さり、面倒臭そうだったけど私に細かく色々教えてくれた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。 ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。 そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。 彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。 「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! *全28話完結 *辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 *他誌にも掲載中です。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

甘い束縛

はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。 ※小説家なろうサイト様にも載せています。

処理中です...