天才小児外科医から溺愛されちゃいました

鳴宮鶉子

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科学的作られた人間 1

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「心愛さん、初期研修終了、お疲れ様」

3月31日、京都府立病院で臨床研修修了証を貰った後に安達病院に顔を出す。

「ウワッ、せ、瀬戸先生!!」

「……初期研修終了、お疲れ様」

瀬戸先生が安達病院にいて、涼真先生といたから驚く。
京都から新大阪は新幹線で15分。
新幹線が停まる駅側に病院があるから、たまに仕事を休んで遊びに来てるらしい。

初期研修が終了しても、明日から後期研修が始まる。
後期研修は大阪母子医療センターで受ける事にした。
産婦人科と小児科で悩み、産婦人科に進む事にした。
小児科専門医を取得してから産婦人科専門医を目指すダブルホルダーに進路を決めた。
専攻医を5年する事になる。

「心愛さん、最近、体外受精と顕微受精の妊娠率いいんだ。培養液の調合と媒精(培養液にひたしたシャーレの中の卵子に精子を加える事)のタイミングがいいのかも。

「卵子と精子に問題あったら元の子もないだろ。パフォーマンス上げて胚にできても健康な子に育つ気がしない」

iPadで完成した胚盤胞の動画を見て、瀬戸先生がため息をつく。

「そうはいってもうちの病院の3年間のデータ見ると体外受精と顕微受精で妊娠した子供のダウン症率、30代は0.02%、40代は0.3%と平均よりは低いぞ」

「そうかも知れないがうちの病院に転院もしくは緊急搬送されてくる妊婦の数、多く感じる。月に15~20人、6割が体外受精もしくは顕微受精でできた子供だった」

大阪母子医療センターで出産される方は妊娠11週以降にダウン症の疑いで紹介状を持って転院してくる患者さんで、不妊治療で授かった方が多かった。

「健康な子が産まれてくるにはどうしたらいいのかな。卵子と精子の質を高めて受精時のパフォーマンスを高めるが俺の見解。実際にそうだしな」

ハーバードメディカルスクール時代にマウスなどの動物実験でデータをとった2人が、私の初期研修終了祝を兼ねた食事会で熱く語る。

「ハイグレードな卵子と精子を受精させて産まれた子供って身体能力や知能指数が高くなる。人間もたぶんそう。子作りに関して本能に任せた動物的作るんじゃなくて、科学の力を使って優秀な子を作るの、有りだと思う」

救急要請がないからと涼真先生とワインを頂く。
私は口に含むぐらいしか飲んでないけど、涼真先生は1人でボトル4分の3空け、酔い潰れた。

「アメリカの富裕層、不妊治療と言って、それやって、ギフデットチャイルドを作ってるからな。20代の時にあらかじめ卵子と精子を凍結してる人もいたし。命の選択になるから倫理的にやってはいけない事だがな……」

ふと、思い出す。
京都大学医学部生殖医療分野の久保将生助教授と母の精子と卵子を体外受精させてできた凍結していたハイグレードな胚盤胞が私の始まり。

健康優良児で睡眠不足と食生活がかなり乱れてるのに風邪もひいた事がなく、身体能力も知能指数も高い。

見た目も母に似だけどパーツが整っていてスタイルも悪くない。


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