天才小児外科医から溺愛されちゃいました

鳴宮鶉子

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「健康な子が産まれてくるにはどうしたらいいのかな。卵子と精子の質を高めて受精時のパフォーマンスを高めるが俺の見解。実際にそうだしな」

ハーバードメディカルスクール時代にマウスなどの動物実験でデータをとった2人が、私の初期研修終了祝を兼ねた食事会で熱く語る。

「ハイグレードな卵子と精子を受精させて産まれた子供って身体能力や知能指数が高くなる。人間もたぶんそう。子作りに関して本能に任せた動物的作るんじゃなくて、科学の力を使って優秀な子を作るの、有りだと思う」

救急要請がないからと涼真先生とワインを頂く。
私は口に含むぐらいしか飲んでないけど、涼真先生は1人でボトル4分の3空け、酔い潰れた。

「アメリカの富裕層、不妊治療と言って、それやって、ギフデットチャイルドを作ってるからな。20代の時にあらかじめ卵子と精子を凍結してる人もいたし。命の選択になるから倫理的にやってはいけない事だがな……」

ふと、思い出す。
京都大学医学部生殖医療分野の久保将生助教授と母の精子と卵子を体外受精させてできた凍結していたハイグレードな胚盤胞が私の始まり。

健康優良児で睡眠不足と食生活がかなり乱れてるのに風邪もひいた事がなく、身体能力も知能指数も高い。

見た目も母に似だけどパーツが整っていてスタイルも悪くない。


「俺も涼真も倉沢さんも体外受精で作られた存在。涼真がその証拠データを持ってる」

瀬戸先生のとんでもない発言に、固まる。
瀬戸先生は救急要請あるかもしれないからワインを飲んでない。

「私の父親は京都大学の久保将生助教授なんですか?」

「……久保将生か安達涼介、もしくは俺の親父、瀬戸優志。倉沢咲愛が将来のためにと卵子凍結したのを男3人が出来心で自分達のグレードが高い精子を入れて混ぜて媒精した。お互いの精子を競わせたみたいだ。せっかくできたハイグレードの胚盤胞だから遺伝子検査に出すとかせずに即凍結したから、誰が父親かはわからない」

母が私に父親について語らなかった理由がわかった。
交際していた相手と将来のために作った胚盤胞ならわかるけど、勝手に実験的に作られたなんて、ゾッとする。

「母と久保准教授、付き合ってたとかないですか?」

「わからない。久保将生とは俺の父も安達の両親も関わりを絶っていて、癖の強い人だったのは確かで、倉沢咲愛の卵子に精子媒精したのは彼だと安達が言ってたな。怒った咲愛さんが凍結した卵子と胚盤胞は全て別の保管先に移し、それからどうしたかはわからない。男の影がなかったのにシングルマザーになって倉沢さんを産んで育ててるから、あの胚盤胞を使って妊娠したとしか思えない。親が生殖医療研究をしていて研究できる施設があるとやらかしてしまうな」

酔い潰れた涼真先生を自宅マンションに連れて行くために呼んだタクシーが到着し、レストランバーを出た。
次の日仕事があるのとリスクある妊婦さんが救急搬送されてきて緊急帝王切開からの赤ちゃんの緊急手術になったらいけないから、瀬戸先生を引き止めてこれ以上話を続けられない。

今聞いた話が全てだと思うけど、この事実を受け入れるのがとてもつらく感じる。

友人が出来心で作った胚盤胞で妊娠して出産した母の気持ちも理解できなく、家に帰って母に会うのが嫌だった。



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