突然婚〜凄腕ドクターに献上されちゃいました

医師としての経歴は優秀

「サプライズで結婚か。おめでとう！！」

「ーーおめでたくない！！」

　月曜日の朝、眠ってる狼を起こさないようベッドから抜け出し、シャワーを浴びてから家を出た。
　藤宮総合病院から徒歩5分圏内にある二条駅側の築7年の2LDKレジデンスが夫婦の新居。
　JRに乗り込み、やってきたのは後期研修でお世話になっている国立京都大学病院。

「緊急避妊薬必要？」

「必要」

  親友の松岡舞花ちゃんに外来診療前に診察して貰い、処方箋を出して貰う。

「排卵日検査薬で陽性出たんでしょ？5年半ぶりでかなり燃えたと思うから、授かってるんじゃない」

「…………」

「お願いだから、私にアウスはさせないでよ」

「……できた時は産む。舞花ちゃん、処方箋だしてくれてありがとう！！」

   大学院医学研究科で初期診療・救急医学コースの後期研修を受けている私は大学病院内の救急部で専攻医をしてる。

「マズっ！！カンファレンスが始まる。じゃっ！！」

　初期診療・救急医学コースは多彩な分野での研修・専門医取得が可能なのが魅力的で、覚える事がたくさんあり大変だけど、充実した日々を送ってる。

＊＊＊＊

「……なんで、雅輝がここにいるの！！」

「俺、ここの准教授で病棟医長に任命されたから」

「ーーへっ？藤宮総合病院で勤務するんじゃないの！！」

「俺、アメリカのメディカルスクールを卒業してボローシップが終わったばかりのペーペーだぞっ！！7年半、みっちり向こうでオペの執刀件数とか稼いできて、NEJN、Lancen、JAMO、BMLに論文が何度か掲載されたから、専門医の資格はそれなりにあるが、もう数年修行しないとな」

   アメリカのメディカルスクールを卒業し、帰国後したら相応のポストにつけると言われてる。

　父が雅樹の事を褒め称え、私をのしつけて嫁に出したぐらいだから、アメリカでかなり成果を挙げてきたのだろう。

　助教、講師を通り越して准教授という事にはたまげた。

　ハーバードメディカルスクールを卒業した優秀な雅樹。

　専門医資格をみて、固まる。
　外科に関しての全ての領域と、救命救急専門医、循環器専門医と感染症専門医、集中治療専門医を取得してた。

　日本ではこんなには取得する事はできない。