突然婚〜凄腕ドクターに献上されちゃいました

医師としての能力も優秀

   深夜2時半。20代前半の男性2人と女性が1人が救急搬送された。
　男性2人はお互いの身体を刺し合ったようで大量出血し、失血死寸前。
　女性も腹部を数カ所刺されていて、『赤ちゃんを助けて！！』と痛みで顔をしかめながら、泣き叫んでる。

　ドクターカーで現場に駆けつけた雅輝が、男性2人に関して、迅速に刺傷の血管吻合と縫合を行い、血小板血栓の形成を促進させるナノ粒子（血小板代替物）と、赤血球とほぼ同等の酸素運搬能を有するナノ粒子（赤血球代替物）と抗生剤を入れた輸血剤を点滴したから、一命は取り止めた。

　お腹を3カ所刺された女性は子宮2ヶ所と膀胱を1ヶ所貫通していて、刺傷箇所をひとまず縫合し、搬送された。

「新生児科受け入れ準備済みました。産婦人科は今、お産が立て込みドクターを回せないそうです！！」

　妊娠中でも使える抗生剤を点滴しながら、エコーで赤ちゃんの状態を確認し、分娩監視装置で赤ちゃんの心拍とママの子宮収縮の状態を監視する。

「刺傷により羊水の減少と母親の血液が混入してるから、早期に帝王切開で取り出さないといけない。産婦人科がドクターを回せないなら、うちがやるしかないだろっ。心愛、第一助手で入って。俺が執刀する」

   失血死寸前の男性は搬送後、そのまま集中治療室に運ばれた。
　ドクターカーから降りてきた雅輝が救命救急センターに入ってきて、私に指示を出す。

　緊急帝王切開で在胎24週の742gの女の子を取りあげた。


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「祇園　女子大生舞妓をめぐる三角関係愛欲事件　かぁ……」

   地元新聞の朝刊に、深夜に起きた事件の事がもう取り上げられてた。
　お座敷で女性が営業に入っていた祇園老舗料亭のそばの路上で事件は起きた。それ故にすぐに通報されたから、4人は命を落とさずにすんだ。

「重症外傷で内臓損傷してる患者の命を救えるって、雅輝凄いね！！」

「アメリカの救命救急センターにいたら日常茶飯事。失血死させないよう止血し早急に輸血をすれば助かる」

　オペ室でなく事件現場の路上で、迅速かつ丁寧に行った雅輝の華麗なる手技に関して、マスコミは神業だと褒め称えた。