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夕食どきに現れる鬼部長
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「ここ、ズームしたらピントが合わなくなる。だから……」
フルリモート勤務だと細かい指導ができないと言って、平日毎日終業時間過ぎた頃、葛城部長がうちにやってくる。
「ママ、お腹すいた」
「やっとくから、ご飯を用意してあげて」
「ありがとうございます」
翔琉の存在を知ってから、過度な訂正依頼は出されなくなった。
その代わりに葛城部長がうちに来て指導しながら訂正するようになり、困っている。
「葛城部長もどうぞ」
肉じゃがとサバの塩焼きにほうれん草のおひたし。
味噌汁の具はしめじと油揚げ。
「いつも悪いな」
「いいえ、食事代は頂いてますので」
Googlo本社のエンジニアリング部門にいる葛城部長の年俸は3000万円以上と思われる。
食事代と言われ、茶封筒にビッシリ入った渋沢栄一。
『こんなに、受け取れません』
『養育費だ。受け取れ』
突き返しても頑固に受け取らず、茶封筒を置いて帰ったから、夕食代として受け取る事にした。
「ママ、レゴプログラミング習いたい」
私の仕事の都合で幼稚園から帰った後、家に閉じこもっている翔琉。
ノートパソコンとiPadを与え、オンラインでできるマイク⚪︎プログラムとディズ⚪︎ー英語システムなどをさせて過ごさせている。
「オンラインのでいい?」
「習いに行きたい」
習い事をさせてあげたいけど、平日の夕方は無理だ。
「通わせてやれ。上司の俺が許可する」
「やったー!!葛城部長、ありがとうございます!!」
葛城部長の事を鬼部長と言っていた翔琉。
最新のiPadに高価なレゴブロックのクリエイティブシリーズなどを貰い、すっかり懐いてしまった。
「あ、……ありがとうございます」
習い事をさせてあげたかったからありがたく思う。
「何かあれば言ってくれ。翔琉が可哀想だから」
父親らしい事をしないで欲しいのに、葛城部長は勝手にあれこれ手を出してくる。
『翔琉、大丈夫か?』
風邪で幼稚園を休ませると朝のミーティングの後にタクシーに乗ってやってきて病院に連れて行こうとする。
「葛城部長が居なくなったら、翔琉、寂しがるだろうな」
アメリカ本社からの出向だから、日本に滞在するのは長くて2年。
Googloマップの新機能コンテンツが完成してリリースされたら葛城部長はアメリカ本社に戻る。
どうせすぐに居なくなるからと好きにさせていたら、翔琉が葛城部長にかなり懐いてしまい、週末に遊びに連れて行って貰うぐらいの関係になってしまった。
「このままじゃ、いけない」
葛城部長がこれ以上私たち親子に関わって来ないよう、忠告し、距離をあける事にした。
フルリモート勤務だと細かい指導ができないと言って、平日毎日終業時間過ぎた頃、葛城部長がうちにやってくる。
「ママ、お腹すいた」
「やっとくから、ご飯を用意してあげて」
「ありがとうございます」
翔琉の存在を知ってから、過度な訂正依頼は出されなくなった。
その代わりに葛城部長がうちに来て指導しながら訂正するようになり、困っている。
「葛城部長もどうぞ」
肉じゃがとサバの塩焼きにほうれん草のおひたし。
味噌汁の具はしめじと油揚げ。
「いつも悪いな」
「いいえ、食事代は頂いてますので」
Googlo本社のエンジニアリング部門にいる葛城部長の年俸は3000万円以上と思われる。
食事代と言われ、茶封筒にビッシリ入った渋沢栄一。
『こんなに、受け取れません』
『養育費だ。受け取れ』
突き返しても頑固に受け取らず、茶封筒を置いて帰ったから、夕食代として受け取る事にした。
「ママ、レゴプログラミング習いたい」
私の仕事の都合で幼稚園から帰った後、家に閉じこもっている翔琉。
ノートパソコンとiPadを与え、オンラインでできるマイク⚪︎プログラムとディズ⚪︎ー英語システムなどをさせて過ごさせている。
「オンラインのでいい?」
「習いに行きたい」
習い事をさせてあげたいけど、平日の夕方は無理だ。
「通わせてやれ。上司の俺が許可する」
「やったー!!葛城部長、ありがとうございます!!」
葛城部長の事を鬼部長と言っていた翔琉。
最新のiPadに高価なレゴブロックのクリエイティブシリーズなどを貰い、すっかり懐いてしまった。
「あ、……ありがとうございます」
習い事をさせてあげたかったからありがたく思う。
「何かあれば言ってくれ。翔琉が可哀想だから」
父親らしい事をしないで欲しいのに、葛城部長は勝手にあれこれ手を出してくる。
『翔琉、大丈夫か?』
風邪で幼稚園を休ませると朝のミーティングの後にタクシーに乗ってやってきて病院に連れて行こうとする。
「葛城部長が居なくなったら、翔琉、寂しがるだろうな」
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どうせすぐに居なくなるからと好きにさせていたら、翔琉が葛城部長にかなり懐いてしまい、週末に遊びに連れて行って貰うぐらいの関係になってしまった。
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