君から逃げる事を赦して下さい

鳴宮鶉子

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拓海に呼ばれてライブのサプライズゲストを務めた後、まさかの春の実写映画の主題歌作りに付き合い、まさか、歌うはめになるとは思わなかった。

土曜日から火曜日まで、晴翔の億ションに泊めて貰った。
衣類は3泊分用意していたけど、月曜日に洗濯させて貰った。
晴翔が日曜日までは大学院が休みと言ってたから、土曜日には必ず京都に帰ろうと思った。
全国ツアーを終えしばらくは休暇らしい拓海、経済学部の院生は8月は夏休みらしく、晴翔の億ションで、曲作りをしたりしてた。
わたしは、2人の食事をし、洗濯をし、掃除もした。

2人が作曲であれこれやってる時間、姫うずらのひよりと遊ぶ。
ギターの音にびびってピヨピヨ脅えてたのが、今では一緒に歌ってる。

2人の作曲した曲に歌詞をつけたら、私の用は無くなる。

2人が楽曲プログラムで曲を作るのを見つつ、京都に帰る事を考えてた。

2人のブランチと夜ご飯を用意して、私は持ってきたノートパソコンで小説を執筆した。
久しぶりにストーリーが浮かび、文章が流れるように描けた。

2人が作曲した曲に歌詞をつけ、レコーディングに付き合ったのが金曜日で、土曜日の午後の新幹線で京都に帰ることを伝える。



ひよりが、晴翔と拓海に懐き、私よりも2人の所に行く。

でも、連れて帰る。
私が大切にブラジャーの中に入れて温めて孵化させた子だから。

金曜日は私は着いて行かないでいい気もしたけど、流れで着いていき、2人のレコーディングをしてるのを見てた。

高校生の時と違い、声を吹き込むのに、高度な装置を使ってるから良くて、何度も撮り直す事は無かった。

夕方には終わり、いつも通り、うちに帰り、夕ご飯を食べて解散する事にした。

「19時50分の新幹線に乗るからね」

洗い物があまりでないように、ソーメンとオードブルとお造りと言う、手作り感の無い夕ご飯。

ひよりを連れてくるときに入れたカゴに入れ、1週間暮らしていたハムスターケージはきれいに掃除した。

レコーディングが終わったからと、地下のスーパーでお酒を買ってきて飲んでる2人。

見送りは期待できないから、時計の針を見つつ、タクシーを呼んだわたし。

「凛音、このまま、ここに住まない?」
「凛音がここに住むなら、俺もここに住む」

飲んだくれてる2人。
放置して、ひよりとタクシーに乗って東京駅に行き、京都の自宅マンションへ帰った。

自宅マンションに戻り、ひよりと1人と1羽の暮らし。

朝6時に起きて、夜の10時就寝。
朝の情報番組で目を覚まし、新聞から依頼された翻訳の仕事や通訳の仕事をたまにしながら、気がついたら5ヶ月経っていた。

たまに、晴翔と拓海からLINEが来てた。

『元気?』

といった生存確認のLINE。
ひよりの写真を送って、返信した。

年末年始は実家に帰る予定にしていて、特に年末に京都にいて請け負う仕事はなかったかり23日からひよりを連れて実家に帰る事にした。
一応、晴翔と拓海に連絡したら、ひよりに会いたいから、晴翔の部屋で3人で過ごそうと返事が来た。

23日に東京駅に着くと、晴翔と拓海が変装した姿で駅の出口で待っててくれて、年始年末は実家に少し顔を出すだけで、後は3人で過ごした。

大晦日の紅白歌合戦は2人とも、私が上京するから断っていて、3人で鍋とお造りを摘みながら、観ていた。

声がかかったのに断った2人に対して、怒ったけど、2人とも、私と3人で年始年末を過ごしたかったからと聞く耳を持たなかった。

3人で一緒に過ごす時間が居心地良かった。


紅白歌合戦の歌手に選ばれたのに断った晴翔と拓海。
歌番組等に大学院生だからと自粛してたのもあるけど、色々叩かれてた。

まだ、学生なのでと謙遜で辞退したのに、ネットで調べたら色々辛口で叩かれ、大物タレントさんかりも悪い印象を持たれてた。

だから、2人の今後が心配になった。
でも、2人は呑気に紅白歌合戦を見ながら、ゲームをしてた。
私は、御節と年越しソバの準備をしてため息をついていただけ。

年が明け、早朝に2人を叩き起こして、タワーマンションのサンルームから日の出を見た。
そして、おせちをつまみ、神社にお参りにいき、戻ってきて、ぐうたら三が日を過ごす。
2日目に実家に顔は出したけど、晴翔とら拓海がまってるから、すぐに晴翔の億ションに戻ってきた。

3人でいる時間が居心地かった。
世話焼ける息子が2人いるような錯覚なのかもしれないけど、一緒に時間を過ごすのが楽しかった。


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