手のかかる社長から狂愛されちゃいました

ネット広告宣伝費効果

「津田、ノベルスターとのコラボ、話振るな。今やってるのが終わったら影響かけられても流せ」

ノベルスターとのコラボでコミカライズが必然になりつつあるオリジナルコミック制作。

「恋愛ジャンルのコミカライズ55とかコンテストのやつもコミカライズ済んだよな？」

「はい。連載中のが完結したら終わりです」

ボーダルサイト最大手Yahoo！！とブログ最大手のmitochondriaにネット広告宣伝費を上乗せで支払い、検索履歴と18歳以上の女性に対して優先的にノベルスターとコラボした作品の広告が表示するようにした。

「上乗せ分とネット広告費1割を支払うという契約を交わしたはずなのに、売り上げが思ったよりなかったから支払えないって言ってきた」

コラボ作品制作請け負うにあたり、売り上げの分ぱいから3割からネット広告宣伝費の1割を引いて支払いする契約を結んでいて、今回、マイナスが出でしまい、それを請求したらノベルスターに拒絶され、相馬社長は腹を立てている。

「ネット広告は人目につきやすいから売り上げに繋がりますけど、高額だから費用対効果を考えて出さないと赤字になっちゃいますよね」

上乗せ金額については話し合いで決めた。
自信のある3作だから、ネット広告を見て無料分を読んで、コミックバードに会員登録をして有料分も全て読むとノベルスター側は思っていた。

ネット広告宣伝費をかけただけあって、今まで以上に読者が集まり有料分も読まれた。
だけど1話52円と低額だから、上乗せ分の1億5千万円と1割分の1億2千万円のネット広告宣伝費分を3作の有料分50話で賄うのは難しい。
有料分100話を全て購入したら2600円で、ノベルスターへの分配分は780円だから35万に読まれないと黒字にならない。
コミックバードの有料と無料を合わせた会員数は１500万人いるが、無料会員で登録しているだけで、有料会員の18歳以上65歳以下の女性会員は30万人もいない。

契約書を交わしているから、エブリスタに支払う売上分の分配分からネット広告宣伝費の未払い分を差し引いていく事になったけど、このやりとりで相馬社長はノベルスターにかなり不信感を抱いてしまった。

「ノベルスターに投稿されている作品が他のコミックサイトにコミカライズされちゃいますよ……」

「それに関してはもう手を売っている」

相馬社長は今までコミカライズしたノベルスターのクリエイターさんの何人かに、専属作家になって貰う契約を結んでいた。
小説投稿するに対して対価は支払われてなく、投稿した作品の書籍化並びコミカライズする権限はノベルスターにあるといった規約もない。
クリエイターさんが応じなければノベルスターは書籍化並びにコミカライズをする事ができない。

「ノベルスターが間に入るとピンハネされて原稿料と印税が減るだろ。WEB作家にとって悪い話ではない」

ノベルスターの運営に恩義を抱いているクリエイターさん以外は専属作家契約を結んでくれた……らしい。