手のかかる社長から狂愛されちゃいました

マッチングアプリ婚活

高専を卒業してアスカコーポレーションに就職してから仕事だけして過ごしていた。
運営メンバーとしか顔を合わす事がなく、出会いなんてない。
在宅勤務でもできる仕事だから、運営メンバーの女性陣は結婚適齢期といわれている25～30歳で結婚して子育てしながら仕事を続けていて、上手に人生プランを歩んでいる。

「紺野さん、ご主人とどこで出会ったんですか？」

『マッチングアプリでだよ。仕事柄、出会いないでしょ。だから、婚活して理想的な男性をゲットしたの！！』

スピード授かり婚して産休から半年で在宅勤務で仕事復帰した女性オリジナルコミック電子書籍制作部長の紺野さんに相談してみた。

オリジナルコミックは大人の恋愛作品が多い。
その制作に長く携わっていた紺野さんは、エリートでハンサムな男性と結婚してら幸せを掴んだ。

紺野さんに勧められ、マッチングアプリにする。

ユーザーが多い“ペアリンギング”
デート機能が優秀“couple”
アラサーの真剣恋活“kokatu”
真剣婚活“マッチ”“Loved one bride”

インターネット検索をして、結婚相手を探すために登録するマッチングアプリを検討し、遊ばれて終わるのは嫌だから”“Loved one bride”に登録した。
会員になるのに女性も月額4千5百円がかかり、登録している会員が少ないのが気になるものの、やりもく男性に遊ばれて終わるのが怖いから、女性無料のマッチングアプリは怖くて登録できない。

話が合いそうな年収750万円以上のIT関連の仕事をしている男性の中から相手を探し、5人とマッチングして同時進行でやり取りをする。

「初めまして、桐嶋武尊です」

慎重にメールのやり取りを交わし、年収1000万円の35歳のエンジニアの男性と六本木にあるバーで初対面する日。

「アスカコーポレーションか。社長の相馬涼羽と俺、大学の同期なんだ」

「そう、なんですか」

Yahoo！！でWEBサイトの開発の仕事をしていた桐嶋さん。
名刺交換をして、差し支えのない仕事の話などをしながらBARのカウンターでアルコール度数が低いカクテルを口にする。

「あれっ、桐嶋じゃん。奇遇だな」

相馬社長が1人でBARに入ってきて、桐嶋さんに声をかけてきた。

「……鈴原？桐嶋と知り合いなの？」

「アプリ婚活で知り合って今日は初対面。相馬の会社の子と知り合うとは思わなかったな」

桐嶋さんと相馬社長は大学のゼミが同じだったとかで、卒業した今もオンラインゲームをしたりたまに会って飲みに行ったりしているらしい。

偶然という必然なのか、マッチングした後の4人も相馬社長と絡みのある男性だった。

婚活相手とBARや居酒屋で会ってる時に、相馬社長が現れ、一緒に飲む事になり、嫌で堪らない。